女の苦悩
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平気だという方のみどうぞ
女はそっと手を伸ばす
その度に躊躇し元に戻す
女は自分が弱いことを知っていた
快感に溺れやすいことも、それでいて冷めやすいことも
さりげない言動だけでも反応してしまうことをよくわかっていた
けれどどうしようもなかった
物心ついた時には触れられて感じていたのである
当時はそれが気持ちいいとはわからなかったが、今ではわかる
たかが耳に触れる、耳かきされる
そんなことにさえ声を洩らす者なのだと
女は自分を恐れていた
同時に嘲笑していた
もう嗤うしかなかったのだ
忌わしい体――そう思えて仕方なかった
それでも良いと言ってくださる方がいる
個性なのだからと
何を仰っているの、と女は言った
浅ましく快感を求める、獣のようなだけの自分ですのよ、と
その方はただ女の傍にいた
女は一筋泪した
女は言う
「あの御方が仰ってくださったから、私は私でいいと思えましたの
このような女でしかないのが私だと心底感ぜられましたし、確かにあの時慰められましたわ
……いえ、あの御方は私の中を知りません
はい、体を重ねてなどおりません
それですのに確りと愛を与えてくださいましたの」
その顔は少しすっきりとしていた
が、続けてこうも言う
「ですけれど……それでもどうしたらよいかわからなくなりますの
この情欲を持て余し、ただほんの些細なことで善がってしまいますわ
これがいけないことなのも抑えなくてはいけないことなのもわかってはおります
けれどどうしようもできやしないのです
私は知りとうございます
この感情は――情欲は、捨て去るべきものなのでございましょうか
慕う方に抱かれたいと思ってしまう私は、どうすれば良いのでしょうか
どうぞ、教えてください
私にはわからず途方に暮れるばかりなのです
自分では欲しがってしまう
それがその方を困らせることとなっていたとしても
私には何もかも答えが出ないのです
嗚呼、貴方様
どうか私にお教えください
この体を受け入れた上で私はどうすれば良いのですか……」
いっそ情欲に蓋をし、忘れたフリをすればいいのでしょうか
快楽を感じかけると一人こもればいいのでしょうか
そう女は呟くと目を瞑った
答えが出たかは誰も知らない
如何でしょうか
貴方ならどう答えを出しますか
参考までに教えてくださると幸いです
また誤字、脱字の指摘や感想などありましたら送ってくださると嬉しいです
ここまでお読みくださりありがとうございました