五話「初めての戦闘」
五話投稿です。感想などお待ちしています。
俺とユキはゴブリン退治をするべくまた大きな門を通り、門番さんに挨拶をし、少し離れた森の中へと入っていった。
「依頼書にはこの森にいるって書いてあったけど...」
「ユキって魔物の気配とかわからないの?」
「つよいのしか...わからない」
「そっか...」
「じゃあもう少し奥に行ってみるか。」
夏とユキが奥の方へ進むと.....
ゴブリンが現れた!!
「うわっ!こいつがゴブリンか?」
「ゲームに出てくるのと同じだ」
ゴブリンの数は3体、大群というほどでもないが会ったからには倒さなければならない。
「ここで俺に秘められた魔法とかナイフ裁きとかが発揮されるはず!」
ギルドで受付の人にもらったアマチュア冒険者に支給されるナイフを握り、ゴブリンへと走っていった。
「うおおおおお!」
ゴブリンに向かってナイフを振る。
があっさりと避けられ、挙げ句のはてには鼻で笑われた。
「ま、まさかこいつが例の魔王!?」
自分の力が弱いのを認めたくないのか現実逃避し始めた夏。
それを不思議そうに見てるユキはゴブリンに向かって手をかざした。
「なつはよわい....ユキがやる」
そういってユキの手から蒼白い炎が放たれ、ゴブリン3体を一瞬にして灰にした。
「え...ユキって雪から生まれたのに炎とか使っちゃうの?」
「ユキは.....つよいの」
「それに.....あつくない」
そう言われて夏は未だに消えてない炎に恐る恐る手を近づけてみた。
「ほんとだ....熱くない...」
熱くないのになぜ燃えたのかはファンタジー的なあれでなんとかなるとして、なんとなく気づいていたがユキがこんなにも強かったとは。
そして自分がこんなにも弱いのを少なからずショックを受けていた。
「なぁ..ユキ、ゴブリンより弱い俺に魔法を教えてくれ...」
「むり...なつはまほうつかえない」
無慈悲に言い放たれた言葉に夏のライフはゼロだった。
そして夏は誓った。ナイフ裁き頑張ろう
「終わったし帰るか...」
こうして夏とユキの初めての戦闘は呆気なく終わったのだった。
帰るときにゴブリンの灰をみたら灰の中に光る石があったので戦利品として持って帰った。
帰ってから受付の人に聞いてみると、魔石というものらしくこれをギルドに提出すると見合った金額を貰えるらしい。
それを聞いて夏は「どっかのアニメで見た!」と言っていた。
「貰った金額は1200ギルか...日本円で1200円ぐらいかな?」
貰った1200ギルで軽く夕食を買って、なぜか仲良くなった門番さんの家にしばらくの間泊めてもらえることになった夏とユキは門番さんについて言った。
そして門番さん....名前をギルというらしく、先祖はお金の名前にもなった賢者だったらしい。
ギルに依頼のことや魔法の事や魔物のランクについて詳しく聞き、その日は眠った。ユキだけベッドで。