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なぜ俺が闇の魔法少女?  作者: めーる
第1章 仲間探し編
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1章 第9話 『勘違い』

時雨(あいつ)に俺が闇の魔法少女だってバレたら大変なことになる)


俺はヘマをしないように普段と変わらぬおおらかな態度を装う。 俺のことを不自然に思うものはその場に誰一人いなかった。


「なぁ千夏、俺部屋に戻って良いか?」


「え? 何でそんな事聞くの、勝手に戻れば良いじゃん……? どうしたのお兄ちゃん??」


俺は謎の緊張で心が追いやられたのだろうか? 楽しそうに時雨と話していた千夏に意味の分からないどうでも良いことを確認すると、パルのことを上手く隠しながら階段を二段飛ばしして駆け上がり部屋へと向かう。


そして、


部屋の中に入ったと同時に誰も入ってこれないようにと、直ぐに扉の鍵を閉めた。


「あの……パル?」


「なんだい?」


「昨日約束した闇の魔法少女(仲間)集めに行こう!!」


俺はとにかく時雨と、同じ一つ屋根の下に居たくなかったので手っ取り早く家を出る口実を自分の中で考える。


と、


それに応えるようにパルが両腕を広げたポーズを決めながら、言う。


「じゃあ、変身しよう!!」


「ちょっと待った!!」


両腕を広げた格好で固まるパルに、大慌てで質問した。


「え!? 変身って……あの体全身が光って痛くなるやつ?!」


そう言われたパルは、これといってなんの違和感もない様子で普通に答えを話し始める。


「あ、変身で痛いのは初回だけだよ! しかも変身するまでの時間も一瞬だし!!」


「そ、そうなのか……」


俺はすぐに納得すると、出窓まで近づき外に左脚を出した。


ーーその時だった。


「ねぇ、貴方。 何してるのよ?」


俺は恐る恐る、カクカクと振り向く。


「だから何してるのよ〜?」


そこに居たのは少し心配した様子でこちらを見下ろしてくる猫だった。


先端が少し尖っている薄紫色の耳、瞬きをせずにジッと見つめてくるルビーの様に紅い瞳の中に驚きで戸惑っている俺が映っているのがわかった。 その猫とは、時雨の使い魔である “ヴィーナ” だ。


うわぁあああ、窓から変身して街へと飛び立とうとして居たところ見られたぁあああ!

やばい、これはヤバイ!!

お、おおちつけ、冷静になるんだ俺!

よし、誤魔化せばなんとかなる。 誤魔化せば良いだけの話しだ!!


「……どうしたのよ? さっきから貴方、行動がおかしいわよ??」


「……へ?」


……もしかして、バレてなかった??


ふいっと、周りを見渡すとさっきまで隣にいたパルがいつの間にか姿を消していた。


「もしかして、自殺しようとしてたの??」


さっきからずっと、なんだかじろーっと睨む心配そうな視線。


「え、えっと、自殺……?」


視線を向けられ続けられる俺は戸惑う。

この状況で敵の使い魔に心配されて、声をかけられても困るだけだ。


でも、勘違いされていていただけ、まだ良かった……。


「自殺なんかじゃない、ただ…………なんでもないよ、は、ははは」


言い訳をするように言ってみせる。


すると、


衝撃な言葉が返ってきた。


「そう、なら良いわ。 でも、そんな所に足をかけるのはやめなさいよ。 落ちたら危険よ…………勘違いされたら困るから言っておくわ! これは別に貴方の心配をして言ったわけじゃないのよ!! 只今、時雨の初恋の人だったから注意したのよ! あの子の初恋相手が死なれたら困るから!!」


ヴィーナは全てを言い切ると、微笑んで空間に渦巻きを作り、その中心に吸い込まれて行った。


部屋が段々と静かに静かになっていく。


ーーえ、衝撃の事実。


そんなことを感じているといつの間にか横にパルが居た。


「良かったねぇ〜、幹雄君!」


パルは俺のことを馬鹿にするように、君付けでそう呼ぶとニヤニヤと笑いからかい始めた。

その行為を見てイラつき始めた幹雄は、魔法少女に変身し、翅を広げて窓から外へと飛び立って叫んだ。


「もう、お前のことなんて知らない!!」


「ごめんよぉ〜!! 幹雄君」


反省の色が見えないパルに俺はまた叫びをあげた。


「だから君付けやめろぉおおお!!!」





ーーこんな感じで、闇の魔法少女(仲間)集めが開始した。

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