第六十六姉嫁 マリーシアを救え!愛と友情のデストロイ大作戦!!の巻 そのよん
えー、今回の話の中でめちゃくちゃ読みにくい箇所がありますが、仕様です(苦笑)
「アルゼン近辺で悪事を働こうたぁおめでたいアホど・・・変態だな!?」
「兄さん、そんな・・・変態ですね!?」
現れたのは俺たちがよく知る獣人兄妹、ヴォルフとカチュアさんだった。
つーか変態変態うるせぇわ。
「うわ、びびったわ。あいつらに近いレベルの変態に出会うとは思わなかったぜ。もしかしてアルゼン呪われてんじゃねぇのか?」
「う、うーん・・・難しいところだね。」
あの優しいカチュアさんが否定しないところを見るとちょっと傷つくガラスハートの俺。
「・・・ん? スンスン。この匂い・・・もしかしてお前ら「ソォイ!!」ゲフゥ!!」
「ボディががら空きよん、わんちゃん?」「に、にいさん!?」
なにかに気付いたっぽいヴォルフの腹にさきねぇの奇襲ハラパンが刺さる。
クソ痛そうで泣ける。ごめんなヴォルフ。
少しの間お腹を抑えてプルプルしていたヴォルフが顔を上げる。
そして。
「・・・くはははは、もういいわ。誰がろうが関係ねぇわ。ぶっ殺す!!」
「かかってこいやぁ!!」
「「うおぉぉぉぉぉ!!」」
殴り合うさきねぇとヴォルフ。怖い。
「あのー、そのー、多分ですけど・・・ですよね?」
「あー、はい。です。わかります?」
「まぁ匂いと声で。」
苦笑いしているカチュアさん。
気を使って俺たちの名前を出さないでくれているところがありがたくも心苦しかった。
「ほんと迷惑かけてすいません。」
「いえいえ。えっと、多分訳があるんですよね? 一応知らないフリしておいたほうがいいですよね?」
「理解が早くて助かります・・・」
俺とカチュアさんが話をしている間もさきねぇとヴォルフのケンカは続いている。
マリーシアさんは隅っこの岩に隠れながら『やれ!そこだ!』とか言いながら応援?していた。
「相変わらずやるじゃねぇか、ムラサキィ・・・!」
「誰のことかしら? 私は越後のちりめん問屋の隠居にして天下の副将軍、水戸・TOKUGAWA・むー子よ!」
「誰だよ!?」
知らんがな。
そんなアホなやりとりをちょっと離れたところから聞いていると、遠くからパカラッパカラッという馬の足音が。
ま、まさか白馬に乗った吉宗公が異世界召喚!? 暴れん坊異世界将軍の始まりなのかー!?
とか思っていたら二人の美少女(?)が馬に乗って現れた。
そして。
「ここをどこだと思っている! アルゼン近辺で不埒な行為など、クリフレッド家の誇る天才にして大魔法使いヒイロ・ウイヅキの一番弟子! このクリス・ウル・クリフレッドが相手になるぞ!」
「ヒイロお兄様の義妹にしてムラサキお姉様の義妹であるアウロラ・グリーングリーンも相手になります・・・」
ここでまさかのクリィィィィィス! しかもなぜかアウロラちゃんまで一緒!?
知り合い集まりすぎだろ!? なんの因果律が働いてるんだよ!?
「・・・ムッ! 誰かと思えばお師匠様の友人の獣人じゃないか。えっと、ぼ、ぼ・・・ボッフル?」
「ちげぇよ! お前俺と何回顔合わせてんだよ!!」「惜しいわね、ボロンゴよ。」
「ちげぇよ! お前は間違えちゃダメなヤツだろ!!」「自慢じゃないがボクは興味があるもの以外は物忘れが激しくなるのだ!」
「なるのだじゃねぇだろ! ヴォルフだよちゃんと覚えろ!」「細かいわねぇ。これだから兄はダメなのよ。」
「へ、変態だぁー!」「細かくねぇよ! あと兄関係ねぇよ!!」
「やはり姉こそ異世界最強・・・」「今更かよ! 謎の覆面の時点で気付けよ!!」
「ヒイロォー! さっさとこっち来い収拾がつかねぇー!」
異世界の中心で助けを叫ぶヴォルフ。
呼ばれちゃったよーやだなーあのカオスゾーンに突っ込むの。
「お師匠様がいるのか!? おししょーさまー! クリスでーす! お師匠様の一番弟子のクリスがただいまま「あーもううるせぇー!!」げふぅ!?」
ついにブチギレたヴォルフによってぶん殴られるクリス。
そのまま倒れ・・・倒れない!? ギリギリ踏みとどまっている!?
「ふ、ふふふ・・・やるなボッフル。昔のボクならやられていたかもしれないが、お師匠様と「話が長い!」グハァ!!」
そしてさきねぇのパンチによって沈むクリス。
さすがにパンチ(強)を二発食らったらダウンしちゃうよね。
でもあのもやしっ子もかなり耐久力がついたな。
ワンパンも耐えられない魔法使いとワンパン耐えられる魔法使いって全然安定感違うからね。やったね!
そして倒れたクリスを馬に乗せ、こっちまで寄ってくるアウロラちゃん。
「お兄様、お久しぶりです。お元気そうでとても嬉しいです・・・」
「あ、わかっちゃう? よくわかるね覆面で。」
「まぁ、嫌ですわお兄様ったら御冗談を。覆面をしていようと首から上がなくなっていようと、私がお兄様を間違えるはずないじゃないですか。ウフフフフフフフ・・・」
「あ、あははは・・・」
ヒェ・・・怖い。
敵対してないっつーか敬愛されてるっぽいけど、怖いものは怖い。
するとカチュアさんが遠慮がちに声をかけてくる。
「あの、ヒイ、あ、違った。えっと・・・」
「今はひーさん、もしくは孤児でお願いします。」
「あ、はい。その、ひーさん、先程からまばたき一つせずにじっとこっちを見つめてくるこちらの女性は?」
ちらっと視線をを向けると、吸い込まれそうなほどの漆黒の瞳でカチュアさんを見つめるアウロラちゃんの姿が。こえーよ。
よく考えたら初対面だねそういや。
「えっと、こちらはアウロラ・グリーングリーンさんと言いまして、クリスの婚約者です。未来の奥さん。」
「まぁ! そうだったんですね。はじめまして、カチュア・グラールと言います。」
ぺこりと頭を下げるカチュアさん。
さすがアルゼン美少女コンテスト初代優勝者、礼儀もしっかりしとるね。
誰がとは言いませんが、こういうとこですよ。
「んでアウロラちゃん。こちらのカチュアさんとあそこでさきねぇとドッカンバトルを繰り広げてるヴォルフは俺とさきねぇのマブダチです。仲良くするように。」
「まぁ、お兄様とお姉様の・・・失礼をいたしました。私はアウロラ・グリーングリーンと申します・・・以後よしなに・・・」
俺の説明を受けるとアウロラちゃんは普通の瞳に戻って深々と頭を下げた。
ふぅ、これでいきなり魔剣アクアビートルで切りつけられて水虫になるような事態にはならんだろう。
(あねおれ本編百七十八姉参照)
・・・あれ、なんか忘れてる気がする。なんだ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・商人!
馬車を見ると『え、俺たちどうすんの?』って顔で立ち尽くしている商人と御者さん。
全く覚えてなかったけど、当初の目的は商人を追い返すことだったわ。
「あのー。」
「ひ、ひぃぃぃ! い、命だけは!」
「や、そんな怯えなくても。とりあえず今日は帰ってもらっていいですか?」
「で、ですが今日アルゼンで大事な用事が・・・」
「フー・・・」
俺は≪円水斬≫を創造し近くの木にぶつける。
ギャギャギャギャギャギャギャギャ!!
メキメキメキメキメキメキメキメキ・・・ずずぅぅぅぅぅぅん!
なかなか迫力のある音を立てながら倒れる木。
商人も御者さんも顔が真っ青だ。
「・・・もういちどだけ言います。帰ってもらって、いいですか?」
俺はムキッ!とマッスルポーズをとって商人に威嚇する。
あまり私を怒らせない方がいい・・・
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。
実は次話のオチに納得ができず全削除して今書き直してます(白目)
明日に更新がなかったらおもっくそ罵ってください……
が、頑張って書くよ!




