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第六十一姉嫁 姉がリトルでリトルが俺で、の巻 そのなな

久々の更新でしたが、多くの方から感想いただきました。

こんな超不定期更新の作品に感想をくださる読者さんがまだ残っていることに感謝感動です。

ありがとうございます。

「そのツッコミ・・・まさか、ヒイロさんなんですか!?」

「ツッコミでわかるんかーい・・・」

「じゃあ先ほどの、気持ちよく昼寝してたらヒイロさんとムラサキさんの子供を名乗る悪魔たちから目潰しされた上に電撃をお見舞いされるという悪夢は、正夢?」


 正夢ってそういうものじゃないと思う。




 マリーシアさんや周囲に簡単に説明をする。


「はぁ、そういうこともあるんですねぇ。」

「さきねぇがどうしてもマリーシアさんを驚かせたかったみたいで。すいません。」

「確かにびっくりしました。びっくりしすぎて心臓止まりかけましたよ、もう。」

「やっぱりね。そうだと思って私が電気ショックで蘇生を試みてあげたのよ? か、感謝してもいいんだからね!」


 さきねぇが自信満々な感じで胸を張る。

 見つめ合う俺とマリーシアさん。


「嘘だよね?」「嘘ですよね?」

「嘘ですよ?」

「「知ってた。」」


 キレイにハモる俺たち。

 あれ、実は俺たち姉弟、マリーシアさんとすごい仲良しなんじゃないかって今強く思った。


「・・・あの、ヒイロさん。」

「ん? なんですか?」

「ちょっとお願いがあるんですけど。ほんとちょっと。」

「・・・伺いましょう。」


 なぜかマリーシアさんが少し顔を赤らめながらもじもじしている。

 嫌な予感しかしないが・・・


「一回でいいんで『マリーシアおねえちゃん』って言ってみてくれません?」

「目潰し!」

「ガード痛っ! ガード上からでも痛い!」

「何言ってるのかしらまりすけってば。お姉ちゃんが大好きでも、お姉ちゃんは増えてはいけないのよ・・・?」

「意味がわからないですし! っていうかいいじゃないですか一回くらい! ほんと一回だけでいいんで! お願いヒイロきゅん!」


 キモいな。

 うーん、でもまぁさきねぇの友人としてよくやってくれてるし、少しくらいはサービスするか。

 んんっと咳払いをする。

 えーっと、子供らしく子供らしくっと。


「まりーしあおねえさん。」

「!?」

「ぼくしってるよ。まりーしあおねえさんはいつもがんばってるよね。おつかれさま。まりーしあおねえさんなら(俺以外の)いいひとをみつけてきっとしあわせになれるよ。だいじょうぶだよ!」

「・・・・・・尊い。なんて、尊い・・・」


 床に正座をして涙を流しながら俺に向けて手を合わせ拝みだすマリーシアさん。怖い。

 すると向こうからマリーシアさんの友達であるリカさんとモニカさんが早足で近づいてきた。


「あ、あのー。ヒイロくん、でいいんだよね?」

「え? ええ、こんな姿だけどそうです。どうしました?」

「えっと、私たちにも今のお願いしていい?」

「・・・今の?」

「だいじょうぶだよ!ってやつ。お願いします!」

「お願いします!」


 ・・・まぁ乗りかかった船か。減るもんでもないしな。


「りかさんももにかさんもいつもがんばってるよね。きっとしあわせになれるよ。だいじょうぶだよ!」

「・・・尊い。」

まさしく・・・」


 俺の適当な励ましに、床に正座をして涙を流しながら俺に向けて手を合わせ拝みだすリカさんとモニカさん。怖い。

 え、なにこれ、今日宗教色強くない? 異世界大丈夫?

 みんなそんなに人生がつらいの?


「あのー、私もいいかな?」

「できれば私も・・・」

「明日の糧になるような一言をいただけると嬉しいです!」

「私は男性運向上的な感じでよろしゃす!」

「どういうこと!?」


 いつのまにか女性冒険者たちに囲まれる俺。

 俺はなんなの? アイドルなの? もしくは教祖なの?


「さ、さきねぇ! って、あれ? いない?」


 さきねぇに助けを求めようとするも、姿が見えない。

 あたりを見渡すと少し離れた場所で小さな台の上に立つさきねぇの姿が。

 その前には十人近い男どもが列を作っていた。

 何をしてるんだ?と思い見つめていると、最前列にいた男がさきねぇの前に出る。

 そして。


「罵ってください!」

「きもいんだよしね。」

「ありがとうございます!」


 ロリさきねぇに罵声を浴びせられた男性冒険者がニコニコしながらさきねぇにお金を渡し列を離れる。

 ・・・・・・え?


「はい次ー。」

「強気に見下す感じでオナシャス!」

「きもちわるいんだよこのろりこんが!」

「よっしゃー! 明日も頑張れる!」

「はい次ー。」

「無邪気な感じでお願いします!」

「ねぇおじちゃん、どうしてずっとぼうけんしゃらんくがあがらないの? ざこなの? しぬの?」

「うひょー! 辛辣ぅ!!」


 なんだろう、ここはこの世の地獄なんだろうか。

 さきねぇに近づき声をかける。


「・・・えっと、何してんの?」

「ん? なんかドMのロリコンが罵ってください!とかいってきたのよ。じゃあ金払えって言ったら1000パルくれてさ。」


 ロリ美少女の罵詈雑言の値段一万円かよ高いな!?


「なので今『ロリ美少女罵り屋』をやってます。臨時収入になるかなって。ほら、もう6000パル貯まったわ。」

「もっと全うな仕事でお金稼ごうよ!? 俺ら魔物相手に戦う冒険者だよ!? おら、てめぇらも散れ散れ! ノエルさんに燃やしてもらうぞ萌えないゴミどもめ!」

「うお、あぶねぇ!」


 列をなしてるやつらに向けて炎のナイフをぶんぶん振り回す俺。

 日本なら確実に捕まってるけど、そんなのしったこっちゃねぇ!


「いくらヒイロでもそんなちっちゃかったら怖くねーぞ!」

「やんのかあぁ!?」


 だがドMロリコンだけは引き下がらない。

 上等じゃねーか。その危険な性癖ごと叩きのめしてやる!

 すると俺の後ろにいたマリーシアさんが突然大声を出す。


「ここにヒイロきゅん様の敵がいるぞ! 殺せ!!」

「「「「「おぉー!!」」」」」

「え!? ぎゃぁぁぁぁぁ!!」


 そしてさきほどまで俺を囲んでいた女性冒険者たちがいっせいに群がりドMロリコンをタコ殴りにする。

 恐ろしや・・・


「ヒイロきゅん様! ご無事ですか!?」

「ああ、うん。無事です。ありがとう。」

「御心のままに。」


 マリーシアさんをはじめ、標準よりも少しお歳を召されている女性冒険者さんたちが一斉に手を合わせ俺を拝む。

 え、俺、教祖だったの? 何教? ショタ教? 本人は姉教徒なのに?


「なんの騒ぎじゃ?」


 ギルドの奥から副支部長のガルダじぃが出てきた。


「お、じいちゃんおっすー!」「あ、どうも。お騒がせしてます。」

「・・・ムラサキとヒイロか?」


 ~説明中~


「なるほどのぅ。しかし、それでなんでこんな状況になっておるのかが理解できんのじゃが。」

「それは色々ありまして・・・」


 現在のギルド内には冒険者であふれ返っていた。

 全員がロリさきねぇとショタ俺を見て楽しむためだろう。ちくしょう。


「・・・とりあえず、言いたいことがあるんじゃが、よいかの?」

「? なんでしょう?」

「ここにいる全員、もちろんクエストを受けるために集まっているんじゃよな?」


 ニコニコ笑ってはいるが、目がマジなガルダじぃちゃん。

 ・・・あれ、ガルダじぃちゃん、もしかしてキレてる?


「そうじゃよな、クエストを受ける気もないくせにギルドに押しかけて遊び騒ぐなんぞもってのほかじゃしな。そんな不埒なやつはおらんよな!」


 ガルダじぃちゃんの様子に気付き、逃げ出そうとする冒険者の姿がチラホラ。

 するとガルダじぃちゃんとスゥーっと息を吸う。

 そして。


「全員、今すぐクエストを受けてこいバッカモーン!!」


 この場にいた冒険者全員、その言葉とともにもれなくゲンコツをいただきました。




 その後、アルゼンに少年の姿を借りた精霊王が現れて愛を説いただの、少女の姿をした悪魔が罵詈雑言を撒き散らしていっただの、よくわからない噂話が広まるのだが、真相は闇の中であった。




ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


これにて今回の更新は終了で、次回更新は残念ながら未定です。

せめて季節のイベント事の時くらいは更新したいんですけどね……(遠い目)

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― 新着の感想 ―
[一言] 何回読んでも色あせない(●゜ェ゜))コクコク 読むたびに面白い(´ー`*)ウンウン
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