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第五十六姉嫁 姉がリトルでリトルが俺で、の巻 そのに

「待ってました!」という感想やコメントが何件も。ありがとうございます。

短い話でもいいから月に一回は更新できればいいんですけど……(´・ω・`)


イメージとして、ロリさきねぇとショタヒロくんは八歳くらいで身長はノエルさんより小さい感じです。

 さきねぇは俺を見て固まっている。

 そして俺もさきねぇを見て固まってしまった。


「「なんじゃこりゃぁぁぁ!?」」


 そこにはまるで子供のように小さくなったさきねぇの姿があった。




 ダダダダダ!と走ってくる音が聞こえ、すぐに倉庫部屋の中にノエルさんが飛び込んできた。


「大丈夫か二人とも!」

「大丈夫か大丈夫じゃないかと言われたら、ヒロがかわいくて萌え死にそう!!」

「ぐ、ぐるじぃ・・・お姉様、ハグが強すぎて背骨折れそうでござる・・・」


 小学生低学年みたいなリトルさきねぇに全力で抱きしめられる俺。

 ちっちゃなさきねぇに抱きしめられるのも嬉しいけど、いつものたわわなお胸の感触がない・・・

 手に入れたものも大きいが、失ったものもまた大きい・・・


「遅かったか・・・」

「いったい何が、って子供・・・? え、もしかして、この子たちヒイロくんとムラサキですか!?

「ああ、恐らくな。」


 ノエルさんと後からやってきたラムサスさんが深刻そうな顔をしている。

 自分の体を眺めてみると、確かに子供のように小さくなっている感じがする。

 やはり、俺もさきねぇのように子どもの姿になっているようだ。


「ノエルさん、あの、これは一体?」

「ムラサキ、ここに置いてあった箱を勝手に開けただろう。」

「わたし、こどもだからわかんなーい!」

「お前が開けたのは肉体が子供に戻る珍しいトラップボックス! 精神年齢は変わらん! こどものフリしてもムダ!」


 激オコのノエルさん。

 さきねぇは目を閉じ何やら考えていたが、目を開けるとニヤリと邪悪に笑った。

 そして。


「・・・ごめんなさい、えるえる。」

「お、おぉ!?」


 目をウルウルさせながら上目遣いで謝るリトルさきねぇ。

 今の自分のプリティー加減をわかってやがる。


「・・・ま、まぁ子供のしたことだしな。仕方ない。」

「わぁーい! えるえるありがとぉー!」

「あ、あはははは! 泣いたカラスがもう笑ったな! このーしょうがないやつめー!」


 笑顔でノエルさんに抱きつくさきねぇと、笑顔でさきねぇを持ち上げるノエルさん。

 うーん、色々言いたいことはあるけど、お互い笑顔だし別にいっか。


「あ、あのーノエル様。二人がちっちゃくなったのには驚きましたけど、そろそろ会議に出発しないと・・・」

「は? いくわけないだろ?」

「えぇ!?」


『お前何言ってんの?』みたいな顔をしているノエルさんと、マスオさんみたいな感じで驚くラムサスさん。


「いやいや、それはさすがにまずいですよノエル様! 大会議フケるとかやばいですってさすがに!」

「じゃあお前はこの状態の二人を置いていけというのか!」

「いや、でも、そのトラップって早ければ数時間、遅くても一日くらいで効果切れるじゃないですか!」


 あ、そんなもんで効果切れるのね。

 ずっとだったらどうしようかと思った。


「だって、バカ、お前、二人はこんなにもかわいいんだぞ!? 甘いものに釣られて誘拐でもされたらどうする気だ!!」

「このトラップ、精神年齢は変わりませんよね!? さっき自分でそう言ってましたよね!? 言ってることおかしいですよね!?」

「そんなことはどうでもいい!!」

「嘘でしょ!?」


 ノエルさんの咆哮に絶叫をあげるラムサスさん。

 うちのおばあちゃんが孫大好きでほんとすいません。


「信じられん! こんなにも小さな子供たち二人を置いていけというのか貴様は! 悪魔か! 寂しくて泣き出したら、誰が抱きしめてやるというんだ!?」

「精・神・年・齢!! これ小さいだけで中身ムラサキですよ!? 泣くわけないじゃないですか!!」


 怒鳴りながらリトルさきねぇを指差すラムサスさん。

 最初はキョトンとしていたリトルさきねぇだが、ほんの一瞬だけ悪魔的笑みを浮かべると、すぐに泣きそうな表情を作り泣き真似をしだす。


「ぐすっ・・・ふぇぇぇ」

「ほら見ろ!」「嘘つけぇ!」


 うーん、美幼女と美少幼女とおっさんのトリオ漫才かな?

 ラムサスさんが自分のこめかみをもみもみしながらため息をつく。


「はぁ・・・わかりました。じゃあこうしましょう。明日になったら元に戻るでしょうから、今日だけ外出禁止にし「無理!」

「このクソガキィィィ!」


 見る者の頑なな心を溶かす春風のような笑顔を見せるさきねぇ。

 もちろんラムサスさんの心を溶かすことはなかったが。

 そして幽鬼のような表情でこっちを向くラムサスさん。


「・・・ヒイロくん。ヒイロくんならわかってくれるよな? 大会議をバックレたらやばいってことと、明日になったら元に戻るから一日だけ我慢してくれればいいってこと。大丈夫だよね、俺、おかしいこと言ってないよね? 正常だよね? 太陽はこの大地の周りを回ってるよね?」

「あーそのー・・・仰ってることはわかります。大会議をバックレたらやばいってことも、明日になったら元に戻るから一日だけ我慢すればいいってことも。」

「おお! さすがヒイロくん! 俺の仲間はアルゼンで君だけだ!」


 元A級冒険者で現ギルド支部長、仲間少ねぇな。

 あと実は太陽は大地の周りを回ってません。ごめんね天動説。


「ただ、すいません。」

「え。」

「このおめめキラキラ状態のさきねぇを止めることは私には不可能です。」

「・・・・・・精霊王よ、なぜ私にこのような試練をお与えになるのですか」


 跪いて目を閉じ祈りだすラムサスさん。

 なんかこの人見てるとギルド長みたいな偉い立場とか絶対なりたくないわ。


「ん~・・・ノエルさん、この姿って身体能力とかはどうなってるんですか? それも子供になってるんですか?」

「完全に、というわけではないが、大幅に力は下がっているな。あ、でも魔法は使えるぞ。」

「あ、ほんとだ。ミカエルくんめっちゃ重い。」


 魔法袋からミカエルくんを取り出し両手持ちで肩にかつぐリトルさきねぇ。

 つーか重いとはいえミカエルくん持てんのかい。

 俺、普段の時ですら両手持ちでなんとか構えられる程度なんですが。


「ふむ・・・」


 考える。

 ミカエルくんを持てるという事は、それよりも軽い純ミスリルソードのマサムネさんも普通に扱えるということだな。

 もちろん今の身長で考えれば使い勝手がぜんぜん違うから普段通りとはいかないだろうが。

 そして今の俺はクソ雑魚だけど多分魔法は普通に使えるだろう。さっき≪聖杯水≫使ってたし。

 ・・・特に問題なくね?

 だってここはアルゼン。ゲームでいうところの『さいしょのまち』。

 特にアルゼン周辺なんてグミーと角生えてるうさぎとでかいダンゴムシとキモいイモムシくらいしか出ないし。


「ノエルさん、大会議にいってきてください。」

「「!?」」


 俺の発言に衝撃を受けるノエルさんとラムサスさん。


「しかし、もし何かあったら!」

「ここからアルゼンまでしかいきませんから大丈夫ですよ。魔法はちゃんと使えるんですよね?」

「むぅ・・・使えることは使えるが、やはり弱体化はしてるぞ?」

「使えれば大丈夫です。このへんの魔物は弱いし≪水矢≫で牽制してさきねぇが一撃でなんとかなりますよ。」


 ノエルさんは腕を組み考え込む。

 一人百面相でコロコロ表情が変わりちょっと面白いのはナイショだ。


「・・・・・・アルゼンにいくだけだぞ。森とか山とか荒野とかは危ないからダメだからな?」

「それはさすがにさきねぇにも徹底させますよ。いいよね?」

「別にいいわよー。ただ単にこの姿でアルゼンにいってイロイロ遊んでみたいだけだし。」


 イロイロの中身がわからないので恐ろしいです。


「・・・わかった。約束だぞ。遊び場所はアルゼンだけ。他にはいかない。ただし、日暮れ前には家にちゃんと帰るように! いいな!」

「「はーい!」」


 元気よく返事をすると、突然ラムサスさんが俺の手を握り出す。

 ホモでハゲでショタ好きとか死んだ方がいいんじゃないですかね。


「ヒイロくん、いや、ヒイロ様。あなたはもしや、精霊王様の仮初の姿なのでは?」

「違います。」


 すでに姉教の敬虔な狂信者なので他の宗教はノーサンキュー。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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