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第二十九姉嫁 ムラサキお姉ちゃん、運命に出会うの巻 そのご

感想いただきました。ありがとうございます。


藤原ロングウェイおっさん疑惑が浮上しております。

身体はアラサー、心は20代半ば! 姉作家ロングウェイ!

謎の組織によって薬を飲まされたロングウェイは気付くと姉属性萌えに!

組織を追う為に姉作品を書き続ける藤原ロングウェイの戦いは続く……!

 なにたくらんでんだこいつ。

 今の状態は言ってみれば『タダでディズニーランドに入っていいよ!』といわれているようなもんだ。

 怪しい・・・




「・・・えっと、なんでですか?」

「・・・た、ただいま抽選で無料キャンペーン中なんですよ! おめでとうございまーす!」

「タイム。」


 さきねぇが両手をT字に組み、タイムを要求する。

 そして小声で作戦会議。


「コソコソ(どうする?)」

「コソコソ(タダっていうんだからとりあえずのっかればいいんじゃないかしら?)」

「コソコソ(でも、怪しさ大爆発じゃない? なんか罠があったらどうする?)」

「コソコソ(当然食い破るでしょ。その時は私の渡辺先生が火を噴くわ!)」

「コソコソ(こんなとこでトールハンマー使ったら大惨事でしょ。)」

「・・・あのー、どうかされましたか? 何かわたくしどもに不明な点が?」


 メイドさんがビクビクしながらこっちを見ている。

 罠にはめようって感じじゃないんだよな。


「・・・なんでもないわ。じゃあお願いしようかしら!」

「!! はい、喜んで!」


 パーッと顔色が明るくなるメイドさん。

 仕方ない、腹をくくって開き直るか。


「では、こちらです。」

「「はーい!」」


 さてさて、一体どうなることやら。

 ところで、なんで残ったメイドさんたちはこっちをガン見しながら話をしてるんだろうか。




「いった?」

「いったわね。」

「本当だったのね、『トポリス王国から王族の女性がお忍びで遊びにきてる』って話。」

「いくらお忍びでもあんな上等なドレス着てたら一発でわかっちゃうわよねー。」

「そこはまぁ貴族のお嬢様だから、誤魔化せると思ってるんじゃない?」

「でもやっぱりすごい綺麗。あれだったらドレスじゃなくてもピンときちゃうわよ。」

「一緒にいた男の人、誰だったのかしら。従者?」

「そんなわけないじゃない! 二人きりで来てるってことは、そういうことでしょ?」

「悪くはないけど、やっぱりあの美人さんと比べちゃうと地味ね。」

「まぁ人の好みってバラバラだし。個人的にはもっと年上が・・・」

「おっさん趣味乙。」

「うるさいな! 別にいいでしょ!」

「「「あははははは!」」」




 第二城壁をくぐり、中にはいる。


「こちらがイナルファ城の開放エリアです。おすすめはイナルファ王国記念館ですね。」

「だって。とりあえず記念館いく?」

「そうね。案内してもらおうかしら。」

「はい! ではこちらへどうぞ!」


 大きな屋敷に案内され、中にはいる。

 同じツアー客が大勢おり、人気の高さが伺える。

 メイドさんの説明を聞きながら記念館を見て回る。


「こちらがイナルファ王国の歴代国王様の肖像画になります。」

「すげー興味ないわね。なんかもっと、熱いものないの?」

「熱いもの、ですか? では、大戦時に当時の国王陛下自ら兵を率いて出陣した際の絵画などはいかがでしょうか?」

「うーん、そういうのじゃなくてさ・・・」


 乗り気じゃないさきねぇに困惑するメイドさん。


「えっと、例えばどのような・・・?」

「例えば・・・歴代国王が熱湯風呂に落下する直前の絵とか?」

「物理的な熱さ!?」


 さきねぇの無茶ぶりに戦々恐々としているメイドさんだった。

 さきねぇのセンスを常人の感性と一緒にされても困るぜ。


「じゃあ王妃様に浮気がバレて土下座してる国王様の絵でもいいわよ?」

「そんなものあるわけないし、あったとしてもそれを記念館に飾るはずないですよね!?」

「いや、ドMな王様なら、あるいは・・・?」

「そんな自分の国の王様嫌っ! 」


 そんなアホな会話を繰り広げつつ、記念館をあとにする。

 なぜかメイドさんは疲れきっていた。


「あの、大丈夫ですか? 相当体力を削られたようですが・・・」

「だ、大丈夫です! これでもメイド検定二級なので!」


 メイドさんは検定制度なのか。

 二級がどれだけすごいのかわからんが。


「ちょっと休憩しようかさきねぇ。」

「せやな。どっか静かにまったり休めるとこある?」

「では来賓用の特別な休憩所がありますので、そちらにご案内します。」

「よろー。」


 メイドさんに先導され、あとをついていく。


「メイ検持ってるとやっぱ就職有利?」

「え? はい、そうですね。あるとないとじゃ大分違うと思いますよ?」

「やっぱりメイドさんのお仕事って大変ですか?」

「・・・とてもやりがいのあるすばらしいおしごとですよ?」

「めっちゃ棒読みだけど(笑)」


 メイドさんにメイド話を聞きながら歩いていると、大きな屋敷にたどり着く。

 つーか記念館よりメイドさん話のほうが全然面白かったな。

 そのまま屋敷の中に入り、きれいな部屋に案内された。


「こちらでお休みください。」

「なかなかいい部屋じゃない。合格。」

「!! ありがとうございます!」


 ペコペコと頭を下げるメイドさん。

 この人、単なる冒険者相手になんでこんなに腰が低いのだろうか。

 これがメイドクオリティーなのか? メイド検定二級のメイドすごい。


「では、何かお飲み物をお待ちいたします。何かご希望はございますか?」

「うまいやつ!」

「じゃあ俺は暖かいお茶で。」

「かしこまりました。では、失礼いたします。」


 軽く一礼すると、メイドさんが部屋を出ていく。


「なんか過剰な歓迎っぷりだけど、なんかあんのかね?」

「あれじゃない、お酒飲んで酔っ払ったところをアメノハバキリでグサッとやっちゃって、体の中からアメノムラクモが出てくるんじゃない?」

「何千年前のお話ですかね。」


 二人並んでふかふかのソファに腰かける。

 室内を見渡すと、上等な生地で作られたカーテンやふわふわの絨毯など、高級そうなもので溢れていた。

 その中の一つ、豪華な燭台に目が止まる。

 ・・・ふむ。

 その燭台に近づき、しげしげと眺める。


「そういやさー、昔見た映画でこういう燭台を動かすと秘密の扉が!みたいなやつあったよねー。」


 そんなことを言いながら燭台をひっぱる。

 すると。


 ガコン!

 ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・


「「・・・・・・」」


 壁が横にスライドし、そこに地下への階段が続いていた。

 ちなみに、今の俺たち姉弟の顔は

( °o °)(° o ° )←こんな感じ。


「えーなにこれやだーお姉ちゃん絶対いきたーい!」

「いや、絶対進んじゃまずいやつでしょこれ。怒られるって。」

「・・・でも、いきたくね?」

「・・・そりゃあ、まぁね?」


 俺も男の子ですからね。

 こういった素敵ギミックには憧れちゃいますよ。

 忍者屋敷とか大好きだし俺たち。


「ちょっと進もう、ちょっと。ちょっと進んだら戻ればおけ。三歩進んで三歩下がれば世界は何も変わらないわ!」

「うーん、すげー戯れ言な気がするけど・・・」


 しかし、このぽっかりと開いた隠し通路に興味をひかれるのも事実。


「じゃあ、ちょっとだけね。行き止まったら戻ろう。」

「さっすがヒロ! わかってるぅ!」


 さきねぇが腕に抱きつき、ほっぺにキスされる。

 えへへ。


「じゃあ小光石ライトを用意して、と。」

「でっぱーつ!」

「千葉県民の民度が疑われるからその古いやつやめてください。」


 手を繋いで階段を下りる。


「けっこう下まで降りるねこれ。」

「この先には何があるのかしら!? あれかしら、邪神の像とか飾ってあるのかしら!?」

「もう絶対ボス戦あるじゃんそれ。」


 まぁさきねぇと俺なら大抵のやつには負けないと思うが・・・

 階段を下りきると、薄暗い通路が続いていた。

 小光石ライトを頼りにゆっくり進んでいく。


「ちょっと拍子抜けね。串刺しになった白骨死体とか蛇とか出てくると思ってたのに。」

「薄暗くて埃っぽいだけで、普通の通路だもんね。あれじゃない、王族用の脱出通路とかなんじゃない? よく漫画とかであるじゃん」

「お姉ちゃん、もうちょっとスリリングかつエキサイティングな展開を希望したいんだけど。」


 俺はノーセンキュー。安心安全が一番です。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


というわけで初月姉弟のVIP待遇はあんな理由でした。

え、お話に関わる様な深い理由?

そんなのあるわけないじゃないですか。あねおれですよ?


初月姉弟の

( °o °)(° o ° )

この顔はコピペではなく自分で入力しました。

ただこれだけのために私が納得できるまで20分くらい費やして頑張りました(笑

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