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第十八姉嫁 教えて!ヒイロ先生! そのいち

皆さんお久しぶりです。新作を書いたり目が爆発しそうになったりと色々あって更新が止まっていて申し訳ありません。

本当はもうちょっと更新停止してるはずだったのですが、ユーザーさんから暖かいコメントをいただいたらすごい嬉しくて、新作そっちのけで急ピッチで書き進めました(笑)

できれば「この連載小説は未完結のまま約2ヶ月以上の間、更新されていません。」を表示させないようにと頑張りましたが間に合わず。無念です。


今回の更新は三話+一話の計四話となります。

たまにはヒロくんアゲ回でも書くかーと思ったのですが、書き終えるととても普通の内容に(笑)

おかしいな・・・?

「ぽちも~ピアノが~ひけ~た~なら~♪」

「懐かしいな~。」


 さきねぇのボキャ○ラ天国ネタ集を聞きながらセレナーデの森の中を歩く。

 本日は薬師の人の頼みでレアきのこ狩りに来ています。

 さきねぇのレアきのこ発見率はアルゼン一だから、けっこうこの依頼来るんだよね。


「サンダーバードちがうよー♪」

「ぶはははは!」「キャァー!」

「「・・・ん?」」


 俺の爆笑とかぶって悲鳴が。

 そして奥から二人の男女がこっちに向かって走ってくる。


「た、助けてー!」


 走ってきたそいつらの後ろからはリトルワニの集団が追ってきていた。


「あら、リアルワニワニパニックね!100円用意しないと。」


 さきねぇは嬉しそうにミカエルくんを取り出すとワニの群れに突っ込んだのだった。




「た、助かりましたぁ・・・」

「もうダメかと・・・」


 逃げてきた彼らは体中ボロボロだった。

 それにしても・・・


「きみら見ない顔だけど。アルゼンの冒険者?」

「あ、はい。つい最近冒険者になったばかりで・・・」

「ふ~ん。え、じゃああんたらF級じゃないの? なんでここにいんの?」

「そ、それは・・・」


 確かに。森クエ自体はF級でも受けられるが、それは浅いところのグリーンハーブ収集の話だ。

 森の奥地はE級魔物多いし、魔物の出現率も高いから冒険者暦数年のE級冒険者でも二、三人でチームを組んで入る。

 F級なら四人いても全滅必死の危険地帯だぞ。


「もしかして、勝手に入った?」

「・・・・・・・・・はい。」

「はぁ・・・」


 無茶しよる。

 まぁ俺たちもいきなり森の奥地に突っ込んだ口だけど、あれはくまさんに追われて仕方なくだからね。


「とりあえず治そか。」

「え、治すって・・・?」


 二人に≪聖杯水アクアホーリー≫をぶっかける。


「あつっ!?」「何すんだ!?」


 怒り出す二人だが、すぐに傷が癒えていることに気付く。


「これって・・・回復魔法!?」

「回復魔法を使う黒髪の男性とハンマー使いの美人・・・まさか鈍器姉弟ドンキーブラザーズさんですか!?」


 キラキラした目で見られる俺たち。


「お、お話をいろんな方から聞いて!一回会えたらって!握手してください!」

「仕方ないわね~。」


 さきねぇが笑顔で握手する。

 それをニコニコして見ていると、二人が俺のほうに向き直る。


「あの、握手してもらっていいですか!?」

「・・・え、俺? 俺と握手してもあんまり得も徳もないと思うけど。」

「ぜひお願いします!」

「あ、そ、そう?」


 二人と握手する。

 まさか俺に握手を求めるとは。

 ほとんどの人がさきねぇとしか握手しないから新鮮だ。


「君たちF級でしょ? 無理して死んだら意味ないでしょ。地道が一番よ。」

「はい、すいません・・・」

「もしかして私たちの真似したんじゃね?」

「え。」


 チラッと見ると俯く二人。

 おいおい、マジかよ・・・

 自分たちの強さや才能をさきねぇと同等と見るとか緋色氏激オコですよ。


「全く。これは放置できん問題やね。ラムサスさんとこ連れてって叱ってもらおう。いいね。」

「「はい・・・」」


 こうして、うな垂れる二人を連れてアルゼンに戻るのだった。




「お前らどんだけ人に迷惑かけたのかわかってるのか!!」


 ギルドに入った途端にラムサスさんの激怒した声が響く。

 こわ。ラムサスさんをあそこまで怒らせるやつがさきねぇ以外にいたのか・・・


「まりすけー。カツラ支部長どしたん?」

「あ、ヒイロさんとムラサキさん。いや、あそこにいる新米冒険者が森の奥地に入ってたみたいで。スレイくんたちが危ないところをギリギリで助けたみたいで無事ではありますけど。」


 ラムサスさんの目の前には正座する二人の冒険者の姿が。


「ヒイロさんたちはどうしたんですか? さすがにきのこ狩りから戻ってくるの早くありません?」

「実は、この子たちも同じ感じなんですよ。」

「同じ?」


 マリーシアさんに事情を説明する。


「はぁ・・・最近多いんですよねぇ。困ったもんです。」

「ラムサスさんに伝えたほうがいいと思ってきたんですけど・・・取り込み中みたいですね。」

「でも同じ内容ですからね。伝えてきます。」


 マリーシアさんが恐る恐るラムサスさんに近づく。


「あのー支部長、ちょっとお話が・・・」

「ぁあ? 今すげぇ忙しいんだけど俺。」


 すげぇ顔で睨んでるなラムサスさん。口調も『俺』に戻ってるし。こえぇ。


「わ、わたしじゃなくて!ヒイロさんたちが!」

「・・・ヒイロくんたちか。なら仕方ないな。お前らそのまま正座な。やぁ、どうしたんだい。」

「あー、お疲れのところ申し訳ありません。実は・・・」


 事情説明すると、頭を抱えるラムサスさん。


「最近自分の力量もわからずに森の奥地に突っ込むバカ多すぎだろ・・・」

「季節のせいじゃない?」

「はぁ・・・どっかの姉弟が派手に活躍するもんだから、それに憧れて真似するやつが続出してるんだよね・・・」

「へーどこの兄妹かしらねー。あ、ぼるきちたちじゃない? ほんと困ったワンコね。」

「てめぇらだよ!!」


 こ、怖いよぅ。


「ちょっと、うちのヒロに文句つけるのやめてくれない?」

「あ、いや、ヒイロくんじゃないよ? ヒイロくんはほんとまともで助かってるんだけど!つーかてめぇだよムラサキィィィ!」


 ラムサスさんの荒れ具合やばいな。


「ふむ・・・俺たちが原因となると、なんかしたほうがいいのかな?」

「いやー別にいいでしょ。よそはよそ、うちはうちよ。」

「でも俺たちの真似して大怪我しました、とかちょっと嫌じゃない?」

「そう? それが姉弟と非姉弟の格の違いってやつでしょ。」


 ダメだ、さきねぇは元々こういうひとだった。

 異世界こっち来てからノエルさんとかマリーシアさんとかヴォルフたちとかと仲良くなったから大分柔らかくなったと思ったんだけどな。


「だってヒロ、よく考えて。私たち冒険者よ? 金と名誉を追い求めるアウトローの集まりよ? いってみれば世紀末世界のヒャッハーたちとあまり変わらないのよ?」

「いや、ずいぶん違うと思うが・・・」

「学生じゃないんだから自己責任よ自己責任。エルエルだってそういうと思うわよ?」


 ・・・まぁノエルさんは生粋の(狂)戦士だからね。言いそうだけど。

 ラムサスさんが縋るような目で俺を見る。


「ヒイロくん、もしなんか良い意見があったらぜひよろしく頼むよ。できれば僕の胃がストレスで破壊されないうちに早く。」

「ん~、とりあえずなんか考えてみますよ。期待しないで待っててください。」

「大丈夫、すごい期待して待ってるよ!」

「全然大丈夫じゃないっすそれ。」


 俺たちが連行したビギナー冒険者二人をラムサスさんに引渡しギルドを後にする。


「ヒロも変わってるわよね。別に関わらなくてもいいのに。」

「俺たちに全く関係ないならスルーでもいいんだけどね。これが原因で俺らの評判まで悪くなったらまずいでしょ。」

「そんなもんかしらね?」

「そんなもんですよ。」


 それに、人に頼られるのも悪くない。

 俺みたいな凡人でも誰かの、何かの役に立ってる証明みたいなもんだ。


「とはいえ、どうしたものか。」

「ヒロ、お姉ちゃんと歩いてるんだから他のことを考えるのはノーマナーでフィニッシュよ。」

「イエス、マム。」


 さきねぇにほっぺたをびよーんとひっぱられる。


「まぁとりあえずデートしようか。頭がすっきりすれば良い考えも浮かぶでしょ。」

「素晴らしい提案だと思います!採用!」


 それからさきねぇとぶらぶららぶらぶ街を散歩するのだった。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。

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