閑話 学園交流イベント
はい、今回はタマザラシさんとのコラボでっす!
………とは言ってもタマザラシさんが既に書いていたので、それをちょこちょこっと修正しただけですが……。
あ、でも、透達の心情が書かれているところがあるので、見てくれると嬉しいです!
それでは、どぞ♪
今、透達は武神学園にいた。
初めての学園や制服、そして普通じゃない人達を目にして気持ちが高ぶる中、校内に放送が流れた。
『あーテステス。皆さーん、自分とペアの生徒と合流できましたでしょうか? 合流できていない生徒は早く合流するように……それでは時間も勿体無いので
武神学園&花吹雪学園・合流ゲーム始めちゃうよー!』
『『『『『オオーーーーーー!!』』』』』
この瞬間、花吹雪学園と武神学園の合流祭が始まった。
*
元々この学園交流イベントは、神力が知られた最初の頃、一般人が抱く神力者に対する偏見をなくすために行われた企画であった。
共にイベントをこなし、一緒に行動を共にすることで偏見をなくすことに成功したのだ。
そして神力が全世界に浸透した今でも、もはや伝統として取り扱われているのである
*
(さて……ペアを探すとしても、一体どうするかな)
それぞれがイベントが始まる前に渡された番号と同じ相手を探す中、小鳥遊透は悩んでいた。
最初は皆のようにペアを探しに行こうとしたが、それだと下手したらペアの人と入れ違いになってしまうのではないかと考えたからだ。
「26番の方ー」
「ああ、俺だ」
すると後ろから大きな声で26番の相手を探している人……つまり透と同じペアの人が現れた。
透はそれに気づいて振り向くと、そこには同じ26番の番号の紙を持つ、短く切られた黒髪に女性のような顔立ちをした武神学園男子生徒がいた。
「はじめまして、武神学園1年の黒夜満です」
「俺は花吹雪学園2年……小鳥遊透だ、よろしく」
*
「ここの問題は……これで合ってますか?」
「ああ、それにしても満が勉強ができて助かる。うちの学校でやった時は3人1組だったが、1人がバカだったからな」
「あ、あはは……透さんほどじゃないですよ」
透と満は合流祭のゲーム……宝探しゲームのために学園内を歩いていた。
今回のゲームは前に透達がやった時と似たような内容で、前に渡された紙に書かれている問題を解きそこから景品を探すというゲームだ。
基本一般人と神力者ではやはりと言っていいのか運動能力に大きな違いが出てくる。なら人によっては様々だが一般人と神力者でも同等である学力で勝負するのだ。
「よし、これだけ解いたら十分だろう」
「そうですね、それじゃあ行きましょうか」
十分に問題を解き終えた透と満は席に立ち、さっそく景品があるであろう場所に移動を開始した。
「そういえば透さん」
「何だ?」
「いえこんなこと聞くのも変なんですが……彼女っています?」
「……は?」
透は満の突然の質問を聞いて思わず声を漏らしてしまった。
今はゲームの最中だから、そんな質問をされるとは思ってもいなかったのだ。
透は首を傾げながら満に聞き返した。
「……何でそんな事を聞く?」
「……いえ、さっきから女子生徒がチラチラこっちの方を見ているので」
「……なるほどな、前に俺の友人にも同じ質問をされたが彼女なんていない。告白して来ても好きでもないのにOKすると相手を傷つけるしな」
「そうなんですか」
透は満の返答を聞いて、同意見なんだろうなと考えていた。
すると透はそれにつられるかのように、満に彼女か好きな人がいるのか気になった。
「そういう満はどうなんだ?」
「……僕は………あ」
満は答えようか迷っているような素振りを見せた後、ある一点を見た瞬間急に止まった。
このことを不思議に思った透は満の視線の先を見た。するとそこには透のよく知る人物である神崎実乃里と、実乃里のパートナーらしき少女が1人の花吹雪学園の男子生徒に絡まれていた。
透はまたか、と思いながら助けに入ろうとした時、満が静かにその場所へと歩き始めた。
その時の満の纏っているオーラを感じた透は、黙って満の後をついていった。
*
今、実乃里はとてつもなく苛ついていた。
その理由は、さっきからずっと声をかけてくる目の前にいるナンパ魔のせいだった。
「なあ良いだろ神崎さん、俺たちと一緒に行動しないか?」
「さっきから何度も断ってるはずですよ?」
「そうですよ」
「……あの、止めといたほうが」
実乃里と肩まで伸びた桃色の髪の武神学園女子生徒――春風桜は何度も断っているものの、この男子生徒はしつこくつきまとっていた。
そしてその男子生徒とペアを組んでいる満と桜のクラスメイトである玉野光輝は引っ込み思案な彼には珍しく、やんわりと止めに入っていた。
「何だよ、お前はこの二人と一緒に行動したくないのかよ」
「………できればしたくない……後が怖いから」
「ハァ!? どういう意味だそれ」
「それは………あ」
光輝は思い切って男子生徒にある事を教えようとした。しかしそれは遅かった。
なぜなら、男子生徒の後ろに光輝が恐れていた人物がいたのだから。
「………人の恋人に何ナンパしてるんですか?」
「!? イテテテテテテ!!!???」
「満君!!」
男子生徒の後ろに回っていた満はその男子生徒の腕を捻り、男子生徒は捻られた痛みに耐えられず情けない声を上げた。
そして満が来た途端にパッと笑顔に変わった桜を見て、実乃里はふと思った。
(もしかしてこの人……桜ちゃんの彼氏とかなのかな?)
そう思いながら、実乃里は彼のことを思いだしていた。
それと同時に、この事件は満のおかげで終わりへと向かっていた。
「て、テメェ!? 武神学園のお前が一般人の俺に手を出していいのかよ!?」
「彼女……桜は僕の彼女だ。なら彼女を守るのが彼氏の役目でしょ?」
(やっぱり……。女の子みたいだけど、かっこいい……。それに比べて……この人バカすぎ……)
誰から見ても先に悪い行いをしたのは男子生徒の方であるし、満は神力を使っていないということも一般人の実乃里でもわかっていた。
「……一回だけ言うよ、もう彼女達には関わるな」
「ヒ、ヒイイイイイイイ!!??」
満が黒い笑みを浮かべると男子生徒は完全にびびり、それを見た実乃里は光輝と一緒に呆れていた。
すると一息ついた満は桜の元へ駆け寄った。
「桜、大丈夫?」
「うん、私は全然平気。実乃里さんが守ってくれてたからね」
(桜ちゃん、いいなぁ……)
自分も片思いしている彼にあんな風に心配されたいと思っていた。
しかし今はイベントの真っ最中だ。会うのは不可能だろうと考えていた……その時だった。
「大丈夫か神崎?」
「た、小鳥遊君!? どうしてここに!?」
「そこにいる満と同じペアになったんだ」
そう言って透が満を指差すと、満は「知り合い?」と尋ねた。
透が「友人だ」と答えたのを聞いて実乃里は内心で勝手に落ち込みつつも満の方を向いた。
「桜を守っていただいてありがとうございます。桜の……その、彼氏の黒夜満です」
「ううん、お礼なんかしなくていいよ。もとはといえば私が巻き込んじゃったみたいなものだから。あ、私は小鳥遊君の友達の神崎実乃里です」
お互いに自己紹介を済ますと、どこからか「あの~」と話しかけられた。
透達が振り向くと、そこには存在を忘れられていた光輝がいた。
「……あ、た、玉野君!?」
「ご、ごめんなさい! 玉野君にもお礼を言わなくちゃいけなかったのに!」
「ハハハ、いいよ別に。あ、これはさっきのお詫びに神崎さんと春風さんにどうぞ」
満と桜はさっきまで2人を庇ってくれていた光輝の事をすっかり忘れていたのか、慌ててお礼の言葉を述べていた。
しかし光輝はこういったことに慣れているのか、それともああいった空間に入ることができなかったのに気づいているのか苦笑いを浮かべながら、桜と実乃里にある物を渡した。
「これ……遊園地のカップルチケット!?」
「こっちは映画の券!?」
桜は遊園地のチケットを、実乃里は映画の券を渡されて、逆に光輝に申し訳ない気持ちになってしまった。
「い、いいの玉野君!?」
「うん、2人には迷惑をかけましたし……それに僕と彼には一緒に行く相手が居ないし」
(まぁこの人はともかく、あの人は……ねぇ?)
透達も実乃里と同じことを考えていたのか、光輝の言葉に苦笑いを浮かべていた。
「じゃ、僕はペアの人がどっか行ったから適当にぶらつくよ。じゃあね」
光輝はそれだけ言って、さっさとこの場から去っていった。
「えっと……それじゃあ僕達は行くね」
「ちょっと待って、確か黒夜君だったよね?」
「? はい、そうですけど」
満は突然実乃里に呼び止められて首を傾げた。
実乃里はそんな満に、満にとっても自分にとっても好都合な提案を持ち出した。
「よかったら一緒に行動しない?」
「え?」
「さっきのこともあるから黒夜君も桜ちゃんと一緒にいたいだろうし、黒夜君のペアは小鳥遊君だから私は全然オッケーだし」
「その方がいいかもな。別に他のペアと組んじゃいけないルールもないし、景品も見つけた時もそれが欲しい奴がもらえばいいしな」
透がそう言って実乃里の提案に賛同し、実乃里はそれだけでもとても嬉しかった。
すると満は驚きながらもおそるおそるといった感じで口を開いた。
「えっと……良いんですか?」
「その方が満も安心できるだろ?」
「あ、ありがとうございます!」
透の言葉に満は感謝の言葉を言い、透達は桜&実乃里ペアとチームを組むことになった。
*
霧谷煉馬&犬上爪牙ペアの場合
「で、アンタが俺のペアか?」
「オウ! よろしくな!」
煉馬は前髪が獣のようにはねている黒髪の短髪である武神学園男子生徒――犬上爪牙とペアを組むことになった。
煉馬は爪牙のことを不良みたいだと思ったが、得意の演技で決して顔には出さなかった。
「んじゃさっそく……」
「……ああ」
「「問題解くの、よろしく!」」
………2人の間に、静寂が訪れた。
「「……………ハ?」」
そう……この2人は世間で言う『バカ』というカテゴリーに入っていた。
どうやらこのペアは、今回のイベントではある意味最悪で、だけど似た者同士のペアなのかもしれない。
*
清海逢歌&夏目海里ペアの場合
「お、ここはまだ取られてないみたいやな♪」
「……なんだか悪いわね、頼ってばっかで」
「ええよええよ、ペア同士で協力し合ってんやから」
逢歌はこのイベントのパートナーである、水色の髪をツインテールにしている武神学園女子生徒――夏目海里と一緒に行動していた。
しかし海里はあまり勉強ができないため、ほとんど逢歌に任せっきりだったのだ。
けど逢歌はあまり気にしておらず、屈託のない笑顔でそう言った。
(………まぁ、霧谷君に比べたらましやしな……)
逢歌はいつも一緒にいる友達の中で一番バカな煉馬を思い出し、こっそり苦笑した。
「ほな、次行こか」
「ええ」
逢歌のおかげで、このペアは問題なくどんどん景品を手に入れていった。
*
不動院燐&青崎竜刀ペア、霞小雪&朱秋雀ペアの場合
「あ、ここはまだ取られてなかったですよ竜君」
「フフ、そっか」
「……良かった」
「それで、どんな景品なの?」
燐と小雪は淡いブロンドで右目を隠すような髪の武神学園男子生徒――青崎竜刀と、長い黒髪で大和撫子のような武神学園女子生徒――朱秋雀と行動を共にしていた。
また、燐は不動院家の御曹司であるため竜刀達と面識があり、すぐに打ち解けていた。
「それで、景品はなんだったんだい?」
「えっと………ウエディングドレスの体験券みたいです」
「………ウエディングドレス?(キラーン)」
「……っ!?(ゾクッ)」
景品の内容を確認した瞬間に小雪の目が怪しく光り、燐は何かを感じたのか背筋を震わせた。
「……青崎と朱秋にやろう」
「え? ですがこれ……」
「何よ! 燐は私と行きたくないの!?」
「……お前と一緒に行ったらいろいろとまずい事をするだろう!?」
身の危険を感じた燐は竜刀と雀に券を渡そうとして、そのことに小雪は何で券を渡すのだと怒り始めた。
それを引き金に燐と小雪は痴話喧嘩を始め、それを見ている雀はワタワタと慌て、竜刀はニヤニヤしながらその痴話喧嘩の様子を眺めていた。
しかしいい加減にしないと他のペアの迷惑になると思い、竜刀が止めに入った。
「ねぇ不動院さん」
「……なんだ青崎」
「この券、1枚で1組なんだけど」
「……なんだと!?」
そう、竜刀が持っている券の枚数は2枚なため、最初から何の問題もなかったのだ。
その事実を知った小雪はパアッと満面の笑みを浮かべ、燐は嫌な予感しかしなくて落ち込んだ。するとそんな燐に竜刀がこっそり耳打ちをする。
(フフ、霞さんのウエディングドレスを見て見とれてしまうと思ってるんじゃないかな?)
(……!? そ、それは……)
実は燐は嫌な予感がすると同時に見とれてしまうのではないかという心配もあったのだ。
そんな燐に竜刀はクスリと笑い、「それに」と続けた。
(ウエディンドレス姿なんてそう何度も見れるものじゃないんだから今回はいい機会じゃないかな? それに好きなんでしょ、霞さんのことが)
(……そうだ)
(なら、嫌がるんじゃなく、不動院さんも嬉しそうな顔をしないとね)
竜刀はそう言って燐から離れたが、燐は竜刀に言われた事を気にしていた。
(……嬉しそうに、か……)
それなら頑張って無表情を崩さないとな、と思いながら燐は3人のところへ駆け寄った。
*
爪牙が必死に何かをしている中、煉馬は景品がないまま終わると思って嘆いていた。
「どーするんだ、俺たち何も景品取れないまま終わっちまうよー……て、何してんだ?」
「ん? ああ、まあ全部を解くのは無理だが俺でも解ける問題を探して解いてんだよ」
実は爪牙は煉馬のように諦めず、自分でも解ける問題を探して解いていた。
それを見た煉馬は相変わらず問題を解こうとせず……というかおそらく1問も解けないので、爪牙に「へー……」と言って解き終わるのを待っていた。
「うし! 解けた!」
「おお!」
すると爪牙が問題を解いたので煉馬は歓喜の声を上げ、2人はさっそく景品があるであろう場所に向かった。
「オーイ! なんかあったか!?」
「ああ、なんかカプセルみてぇなもんが置いてあったぞ」
指定された場所は木の上だったので、またしても煉馬は身体能力が高い爪牙に頼み、景品が入っているであろうカプセルを手に取って降りてきてもらった。
「よっしゃぁ! さっそく見ようぜ!」
「オウ!」
煉馬と爪牙は嬉しそうに笑いながらカプセルを開けた。その中に入っていたのは……
『ハ・ズ・レ♪ by武神学園生徒会長』
……その中には、残念なことにハズレと書かれた紙しか入っていなかった。
そのことに煉馬は思わず固まり、爪牙はわなわなと震えながらカプセルを思いきり握りつぶして「あんのクソ生徒会長ーーーーー!!!!!」と雄叫びをあげた。
その雄叫びを聞いた煉馬は絶望しつつも、爪牙にバレないようにニヤリと口元をつりあげた。
(なんだ、案外おもしれーじゃんかよ。この武神学園ってさ)
煉馬はそう思いながら、いつも一緒にいる透達のことを思い出した。
*
「あ、ここもまだ取られてないみたいだよ?」
「そうですか……時間的にそろそろ終わりなのでそれが最後の景品ですね」
実乃里が景品を入っている箱を見つけると、満が時間的にそれが最後の景品になるだろうと言った。
あの後透達は何の問題もなくさまざまな景品を手に入れ、自分達が欲しい物なら欲しい人がもらい、そうでないものなら他の欲しいと思っているペアに譲ったりしていた。
ちなみに、途中でまた会った光輝には景品の1つだったクッキーを映画と遊園地のチケットと交換ということで譲った。
「それで? 中身はなんなんだ?」
透がそう言うと、実乃里は頷いて箱を開けて皆で覗きこむようにして中を見た。
するとそこには月と太陽が飾られているペンダントがそれぞれ2つずつ置かれていた。
「これは……ペアリングかな?」
「そうかもしれないね」
そう言って満と桜がお互いに太陽と月のペンダントを手に取ると、実乃里はあることをひらめいて手を叩いた、
「それだったらさ、このペンダントを今日の思い出にしない?」
「なるほど、それはいいかもな」
実乃里は今日の思い出としてこのペンダントを4人で分けようと思ったのでそう提案し、透も思い出として残すなら形に残る物がいいと思った。
この提案に満達も異論はなかったようなので、太陽のペンダントを透と満に、月のペンダントを実乃里と桜に渡したその瞬間……イベントの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
*
「それじゃあ桜ちゃんバイバーイ!」
「実乃里さんもお元気!」
「満も、いつかどこかで会おうな!」
「ハイ! またいつか会いましょう!」
透と実乃里はバスに乗って満と桜に手を振り、透と実乃里以外のメンバーも今回同じペアになった人がいるのか透達と同じようにバスに乗って手を振っていた。
そして満達も武神学園も見えなくなったので開けていた窓を閉め、それぞれ今日のことを語り合っていた。
「うっわ、皆ズリィ! 俺も1つでもいいから欲しかったぜ…!」
「そりゃ災難やったなぁ。こん中から好きなの1つあげようか?」
「まじで!? サンキュー清海!」
「……せっかくだから、行くか?」
「えっ、本当!? やったぁ、燐のタキシードが見れる…!」
「……………」
「? どうしたの、小鳥遊君?」
「ん、嫌……どうして満は俺に太陽のペンダントを、神崎に月のペンダントをわざわざ渡したのか疑問に思ってさ……。別に満と春風が太陽、俺と神崎が月でもいい気がしたんだよな……」
「あ、それは確かに……どうしてだろうね?」
「ん? あ、2人ともそれを手に入れたん? よかったなぁ」
「あ、本当だ…! いいなぁ……」
「逢歌小雪ちゃん、これ知ってるの?」
実乃里がそう聞くと「見て欲しいって呟いてたやん……」と言ってため息をつき、指を立てて説明し始めた。
「それは太陽と月で1つのペアリングなんよ。試しにその2つを合わせてみ? きちんと填まって、太陽と月の周りにある装飾品がハートみたいな形を作るから」
「あ、そういえばそんなのあったような……って、まさか!」
「満のやつ、やりやがった……」
ここで、2人はようやく満の狙いに気づいた。
満はおそらくこのことに気づいていたのだ。だからあえてこのことを言わず、わざと知らないふりをして透と実乃里にそれぞれ太陽のペンダントと月のペンダントを渡したのだ。
そのことに気づいた透と実乃里は顔を赤くして、手でペンダントをギュッと握りしめ、誰にも見られないように顔を隠した。
(でも、こんな結末だったとしても、ペアリングなのがとても嬉しくてたまらなくて……)
(単純な自分に呆れて、だけどそれと同時にこうしてくれたあいつに感謝したくなるんだ)
((こんなこと、絶対に言えないけど))
太陽と月のペンダントが窓から入ってくる夕日に反射して、綺麗に輝いた――――。
さて、次回からは予告通り番外編のようで本編と繋がっている内容のChapter4を投稿していきます!
まずは手始めに明日の午前9時に1話だけですが投稿しますので、よろしくお願いします!




