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君と歩む世界  作者: 沙由梨
Chapter3
23/44

学園祭当日、ハプニング

「いらっしゃいませー! メイド喫茶はいかがですかー!」


「クイズに自信がある者、ぜひクイズ王に挑戦してみないかー!?」


「私達がいい写真を撮りますよー! いかがですかー!」



学園祭、売り上げ向上のためか、他のクラスも一生懸命勧誘している。


そんな中、私達のクラスは順番待ちになるほど混んでいた。なぜなら……



「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」


『きゃぁあああっ!! かっこいいーーーっ!!』



……もう大体の人はおわかりだろう。私達のクラスは、小鳥遊君、霧谷君、不動院君目当てのお客さんで賑わっていた。


確かにこれなら売り上げは向上するだろうけど、なんか小鳥遊君達が見せ物みたいで嫌だなぁ……。


「あうぅ……確かに燐はかっこいいけど、こんなのイヤぁーっ!」


「ちょっ、落ち着きぃ。気持ちはわからんでもないけど、仕方ないやん」


「そうだけど、そうだけどぉ…!」


あらら……やっぱり小雪ちゃんがすごいことになってる……。小雪ちゃん、不動院君にぞっこんだもんね……。


そう思っていると、突然誰かに肩を叩かれた。


振り返ってみると、服装をだらしている他校の男子が3人いた。


「ねーねー、一緒に写真撮ってくれない? 1枚でいいからさ!」


「あの、すみません。そういうのは……」


「一生のお願い! 近くにいる彼女達も一緒に、ねっ?」


「ちょっ、離してください!」


「そういうのは駄目やってさっきから言ってるやん!」


私達が駄目だと言っているのに撮ろうとしつこい3人に苛ついた時、いきなり腕にあった感触がなくなった。


「え……? な、んで……?」


不思議に思った私は、ぐるりと辺りを見渡した。


するとそこには倒れている男子3人と、その3人の前に仁王立ちしている小鳥遊君、霧谷君、不動院君の姿があった。


「ちょっとー、お客さーん? そういうのは駄目だってさっきから言ってるっしょー?」


「……ここに来た以上、それは守ってもらわないと困る」


「ま、何度言ってもわからないなら……体で覚えさせるしかないですよね?」


小鳥遊君がそう言うと、霧谷君と不動院君は戦闘体勢になった。


それを見た男子達は、サッと顔を青くして、情けなく謝りながら走り去っていった。


私達が呆然としていると、3人が私達のところに駆け寄ってきた。


「実乃里ちゃん、逢歌ちゃん、小雪ちゃん、大丈夫?」


「……女子なんだから、無理するな」


「そーそー。次からこういう時は、ちゃんと俺達を呼べよな?」


そう言って、小鳥遊君と霧谷君は優しく微笑み、不動院君は無表情で小雪ちゃんの頭を撫でた。


うぅ……3人とも、かっこよすぎだよ……。そこがいいんだけど……。


すると、周りからたくさんの歓声が上がった。


「ナイスだぜ3人とも!」


「かっこいい、かっこよすぎる…!」


「他校でもファンクラブに入れるかしら……」


う……やっぱりかっこいいよね……仕方ないけど……。


なにはともわれ、無事にすんでよかった。



さて、始まったばかりだから頑張ろう!



私は再び心の中で気合いを入れた。


 *


花吹雪学園の校門前に、1人の女性が立っていた。


その女性は、1枚の写真を見て微笑んだ。




「ふふっ、みーつけたぁ♪」




その写真には、透と煉馬が写っていた。



全然長く書けない……。


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