学園祭当日、ハプニング
「いらっしゃいませー! メイド喫茶はいかがですかー!」
「クイズに自信がある者、ぜひクイズ王に挑戦してみないかー!?」
「私達がいい写真を撮りますよー! いかがですかー!」
学園祭、売り上げ向上のためか、他のクラスも一生懸命勧誘している。
そんな中、私達のクラスは順番待ちになるほど混んでいた。なぜなら……
「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」
『きゃぁあああっ!! かっこいいーーーっ!!』
……もう大体の人はおわかりだろう。私達のクラスは、小鳥遊君、霧谷君、不動院君目当てのお客さんで賑わっていた。
確かにこれなら売り上げは向上するだろうけど、なんか小鳥遊君達が見せ物みたいで嫌だなぁ……。
「あうぅ……確かに燐はかっこいいけど、こんなのイヤぁーっ!」
「ちょっ、落ち着きぃ。気持ちはわからんでもないけど、仕方ないやん」
「そうだけど、そうだけどぉ…!」
あらら……やっぱり小雪ちゃんがすごいことになってる……。小雪ちゃん、不動院君にぞっこんだもんね……。
そう思っていると、突然誰かに肩を叩かれた。
振り返ってみると、服装をだらしている他校の男子が3人いた。
「ねーねー、一緒に写真撮ってくれない? 1枚でいいからさ!」
「あの、すみません。そういうのは……」
「一生のお願い! 近くにいる彼女達も一緒に、ねっ?」
「ちょっ、離してください!」
「そういうのは駄目やってさっきから言ってるやん!」
私達が駄目だと言っているのに撮ろうとしつこい3人に苛ついた時、いきなり腕にあった感触がなくなった。
「え……? な、んで……?」
不思議に思った私は、ぐるりと辺りを見渡した。
するとそこには倒れている男子3人と、その3人の前に仁王立ちしている小鳥遊君、霧谷君、不動院君の姿があった。
「ちょっとー、お客さーん? そういうのは駄目だってさっきから言ってるっしょー?」
「……ここに来た以上、それは守ってもらわないと困る」
「ま、何度言ってもわからないなら……体で覚えさせるしかないですよね?」
小鳥遊君がそう言うと、霧谷君と不動院君は戦闘体勢になった。
それを見た男子達は、サッと顔を青くして、情けなく謝りながら走り去っていった。
私達が呆然としていると、3人が私達のところに駆け寄ってきた。
「実乃里ちゃん、逢歌ちゃん、小雪ちゃん、大丈夫?」
「……女子なんだから、無理するな」
「そーそー。次からこういう時は、ちゃんと俺達を呼べよな?」
そう言って、小鳥遊君と霧谷君は優しく微笑み、不動院君は無表情で小雪ちゃんの頭を撫でた。
うぅ……3人とも、かっこよすぎだよ……。そこがいいんだけど……。
すると、周りからたくさんの歓声が上がった。
「ナイスだぜ3人とも!」
「かっこいい、かっこよすぎる…!」
「他校でもファンクラブに入れるかしら……」
う……やっぱりかっこいいよね……仕方ないけど……。
なにはともわれ、無事にすんでよかった。
さて、始まったばかりだから頑張ろう!
私は再び心の中で気合いを入れた。
*
花吹雪学園の校門前に、1人の女性が立っていた。
その女性は、1枚の写真を見て微笑んだ。
「ふふっ、みーつけたぁ♪」
その写真には、透と煉馬が写っていた。
全然長く書けない……。




