閑話 彼らの正月
まず言っておきます。
・透のキャラが崩壊
・表現がおかしい
・最後が少し雑
・色々なフラグがたっている
・本編の続きのような話
それでも大丈夫という人は、どうぞ!
今俺達は、とある人物の家の部屋の中にいる。
そんな静寂の中、俺達は来る時を待っていた。
そして部屋に時計の針が音が聞こえたので、俺達は一斉にお辞儀をして言った。
『あけましておめでとうございます!』
この瞬間、俺達は新年を皆で迎えた。
そして挨拶を終え、それぞれが思ったことを次々と述べていった。
「いや〜、こういうの初めてやから嬉しいわぁ♪」
「確かに友達と新年を迎えるってあまりないもんな。大抵家族とだし」
「……同意」
何故家族とではなく友達、つまり煉馬達と迎えたのかというと、それは学校の出来事まで遡る―――。
*
「なぁ、5人は新年の予定とかあるん?」
いつもの6人で弁当を食べている時、いきなり清海がそんなことを言い出した。
「どういうこと?」
「いや、予定がないんなら6人で新年を迎えたいなと思ったんよ」
「成る程な。俺は特に用事ないから構わないぜ」
清海がそう説明すると、いち早く煉馬が返事をした。
それに続くかのように、皆が返事をしていく。
「私も良いよ。家族で迎えるっていう決まりがあるわけじゃないし」
「……俺も平気。それに面白そう」
「燐がいるなら何がなんでも一緒に迎えるわ」
「い、いつものごとくすごいね」
皆が笑いながら話している中、俺は無言で行くかどうか悩んでいた。
いや、正確には一緒に迎えたい。だけど家族のあの性格を考えると、説得出来るか不安なのだ。
それに気づいた煉馬が、苦笑いをしながら話しかけてきた。
「説得、手伝うか?」
「…………………………頼む」
「? なんの話?」
俺達が話していると、どんな内容か気になった神崎が話しかけてきた。
話すかどうか悩んだが、意を決して話すことにした。
「実はだな、俺の家には姉がいるんだ。その姉は成績優秀、運動神経抜群、おまけにモデル並みの体型という、まさに絵に描いたかのような自慢の姉なんだ」
「成績優秀、運動神経抜群、モデル並みの体型………ふ、ふふ、ふふふふふ……」
「か、神崎!?」
なんだ? なんで神崎は自慢の姉だと話した途端にあんなにどす黒いオーラを身に纏うんだ?
というか、こんな状態になったことが前にもあったような気がするんだが……。
「ソレデ? ソノ自慢ノ姉ガドウシタノ???」
やばいやばいやばいやばいやばい、神崎がすごくやばい。
これって、このまま話を続けていいのか? だが、続けないとそれはそれでまずい事になるし……。
それに気がついたのか、清海が神崎の耳元でなにかを囁いた。
それを聞いたと同時に神崎が纏っていたどす黒いオーラが一瞬にして消えたかと思うと、なぜかいきなり涙目になった。
「あ、逢歌ぁ……。それは嫌だよぉ……。一緒にいたいよぉ……」
「せやったら小鳥遊君の話を聞いてやるんやな」
「聞く、死ぬまで一生小鳥遊君の話を聞くからぁ……っ!」
遂に限界に達したのか、神崎の大きな瞳からポロポロと涙が溢れていった。
それを見て煉馬と燐と霞は納得したのか、清海を『策士……』という目で見ながら頷いていた。
えっと、とりあえず話を進めるか……。
「それでな、その姉はちょっと変な特異体質というかなんというか、非常識な人というか……」
「簡単に言うと、透に擦り傷でもあると暴れてそいつらを全治3ヶ月の重傷にして入院させてしまうくらいのブラコンってことだ」
「なんでそんな重傷を負わせちゃったの!?」
「成る程、だから説得でくるかどうかがわからないのね」
「どういうことや?」
「……そんなにブラコンの姉ということは、当然新年を一緒に迎えたいと思っているはず。だから俺達と新年を迎えるためには、なんとしても説得しないといけない」
「そういうことだ」
ま、その説得が俺だけじゃどうにもならないだろうからな、煉馬に手伝ってもらわないと……。
そう思っていると、神崎達も手伝うと言い出した。
確かに、人数は多いことにこしたことはないけど……大丈夫だろうか?
そんな時、いきなり俺の頭の上に何かが乗った。
「ぅぐっ……」
「透、会いたかったよ~♪」
「ね、姉さん……」
そう、俺の頭の上に乗ってきたのは姉さんの顎だったのだ。
ちなみに腕は当たり前のように俺を抱きしめている。
姉さんを知っている煉馬は驚いていなかったが、それ以外の皆は驚いていた。燐は無表情だったけど。
「ちょ、ちょちょちょっ! な、ななな、なな何やってるんでしゅか!? というか誰でちゅか!?」
神崎、噛みまくってる。『何やってるんですか!? というか誰ですか!?』って言いたかったんだろうけど、噛みまくってるぞ。
そんな神崎を、いや、皆の視線もお構いなしに姉さんは未だに俺を抱きしめていた。
「はふぅ……今年も透と大晦日を過ごし、新年を迎えられるのね……♡」
「あー……姉さん、その事について相談があr「駄目よ」即答ですか……って、内容知ってるのか?」
「だって折角の正月よ? やっぱり最初は透の顔を見たいじゃない」
「だったら『あの人達』と挨拶すればいいじゃないか……」
「1番最後で良いわよ」
姉さん、泣く。今の台詞は天国の両親が泣くぞ、完璧。
ちなみにさっきの『あの人達』というのは、天国にいるであろう両親のことだ。
俺達は毎年両親の仏像に向かって挨拶をしている。
勿論俺は姉さんが好きだ。ただし、家族として。
だが姉さんは俺のことを『異性』として好きなのだ。
何故そのようなことになったのかは不明だが、姉さんと一緒にいるとまずい。
………なにがまずいのかは察してくれ。
しかし逆に姉さんから離れると何をしでかすかわからない。それはそれでまずいのだ。
だから皆と新年を迎えるには、なんとしても姉さんを説得しなければならないのだ。
「それじゃあ、皆頼む」
「了解だ!」
「……頼まれた」
「なに? なんの話?」
こうして、俺達はありとあらゆる手段を使い、なんとか姉さんを説得することに成功したのだった。
*
「あれは……大変だったね……」
「えぇ……」
「さすがの俺でも手加減無用だったもんな……」
あの時は本当にやばかった……。
説明した途端にいきなり暴れだして、挙げ句の果てに誰とか関係なしに蹴りをいれてきたんだもんな……。
まぁ、その苦難に耐えて、今ここにいるわけだが。
「よしっ、それじゃあ初詣に行こか!」
皆が浸っていると、清海が手を叩いて言った。
そりゃ折角なんだし行った方がいいよな。
こうして、俺達は初詣に行くことになった。
「「うわぁ~……」」
「やっぱり人が多いな……」
「……迷う可能性が高い」
俺達は初詣をしにきたんだが、周りのどこを見ても人、人、人。いかにも迷ってしまいそうな状況だった。
そんな時、神崎が自分の手と俺の手をチラチラと見ていた。
その視線に気づいた俺はこっそりため息をつき、神崎の方へ手を伸ばした。
「え……?」
「手、繋ぎたいんだろ?」
「っ、うんっ!」
あ、やば、なんか可愛い……。
そう思った時、神崎はさらに笑みを浮かべた。
「今、私のこと可愛いって思ったでしょ?」
「っ!?」
何故わかったんだ!? もしかして、顔に出てたのか!?
そう考えた途端、自分でもわかるくらい顔が真っ赤になった。
そんな俺を見いて、なぜか神崎も顔を赤くしていた。
「え? ほ、本当に?」
「まさか……冗談、だったのか」
俺が問うと、神崎はコクリと頷いた。
(マジかよマジかよマジかよマジかよ!! うわうわすっげー恥ずかしい!!)
心の中で悶えていると、神崎は腕を絡めてきた。
「かっ、かかか、神崎!?」
「ほらっ、早く行こうよ♪」
そう言って神埼は俺を引っ張るような形で歩き始めた。
*
後ろで甘い空間を作っている透と実乃里を横目で見ながら、4人はコソコソ話していた。
「なぁ、あの2人、ほっといてもいいんちゃうか?」
「同感だな。というか逆に居心地悪い」
「じゃあ、私達も別れましょうか。燐、行くわよ!」
「……っ!!??」
「行ってらー!そんじゃ、俺らも行くか!」
「そうやな。思い切り楽しまんと!」
こうして、彼らの新年初のデートが始まった。
*
「あれ? 煉馬達はどこに行った?」
「え? ……あれ? 本当だ、いない」
ったく、あいつら俺達を置いてどこに行ったんだ?
ふと隣を見てみる。そこには俺に腕を絡めている神崎がいる。そして……
むにゅっ
…………………………。
落ち着け! 落ち着くんだ自分!
神崎とは友達なんだ! こんなこと考えちゃ駄目なんだ!
「? 小鳥遊君どうしたの?」
よし、神崎は気づいていない。今のうちに状況を整理しよう。
・腕に感じる感触
・いつの間にか誰もいない周辺
・無防備な彼女
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。かなりやばい。
というかあいつら、これを予期していなくなったのか!?
「た、小鳥遊君? 本当に大丈夫?」
「あ、ああ。大丈夫だ……と思いたい」
「思いたいって……」
こうして俺は、邪念やら理性やらと戦いながら神崎と回ることになったのだった。
*
「ん、これも美味い!」
「ほんま、美味しい物ばかりやなぁ♪」
あの後燐と小雪と分かれた煉馬と逢歌は、りんご飴やらチョコバナナやら色々な物を食べつくしていた。
そんな時、ふと逢歌が真剣な顔になって好機と思いながら煉馬に聞いた。
「あの想いは……今でも全く変わっておらんの?」
この言葉で煉馬の動きが止まった。
逢歌はやはり気になっていたのだ。
ずっと前に言った、あの言葉が今でも変わらずに残っているのかということを。
煉馬は顔を少し俯かせながら、言うべきかどうか悩んでいた。
そんな煉馬に、さらに追い討ちをかけるように逢歌は言葉をどんどん紡いでいく。
「ウチな、これでも一応は実乃里の親友なんよ。だから幸せになってほしいし、好きな人と結ばれてほしいと思ってる。けどな、今はそれと同じくらいアンタらのことも大事なんよ。最初は実乃里が幸せになればいいと思ってたんやけど、アンタや小鳥遊君と接していって、それじゃあ駄目やって気づいたんや。ウチ、皆にも幸せになってほしいんや。せやからアンタの…霧谷煉馬の今の、これからの気持ちを教えてほしいんや」
この言葉を聞いて、煉馬は目を見開いた。
彼は、彼らは彼女の気持ちを知らなかったのだ。
最初に会った時、透と煉馬は逢歌に違和感を感じていた。それが何だったのかはわからなかったが、今の彼女の言葉で全てを理解した。
彼女は皆に友達のように接していても、心の中では実乃里のことしか考えていなかったのだ。実乃里が幸せになればいい、ずっとそう思っていた。
しかし透達と接していくうちに、いつの間にか彼女にとって大きな存在となっていたのだ。だからこそ、幸せになってもらいたい……。
しかしそのためには、煉馬の気持ちを知る必要があった。だからこそ、今の気持ちはどうなのかを聞いたのだった。
「……俺の、気持ちは――」
煉馬が逢歌の質問に答えるために勇気をふりしぼって言葉を発した時だった。
「キャッ!?」
「っ!? あぶねぇ!」
後ろから走ってきた2人の男のうちの1人が逢歌にぶつかってきたのだ。
それに反応した煉馬は、咄嗟に逢歌を支えたのだ。
一方ぶつかってきた方は謝るどころか、逆ギレして文句を言ってきたのだった。
「お前ら、こんなところでぼさっとしてんじゃねぇ! あぶねぇだろ!?」
「そうだぞ! とっとと謝りやがれ!」
「………なんでこっちが謝らんといけへんの? そっちが前を見ずに走ってきたのが原因とちゃうんか? せやったら謝るのはこっちじゃなくてそっちやろ」
状況を知っている人から見れば逢歌の言い分が合っているのだが、それを認めたくない輩は逢歌に向かって手を伸ばした。
「テメェ、女だからなにもされないなんて思ってんじゃねぇぞ!!」
そしてそのまま逢歌の胸ぐらを掴もうとした。逢歌はそれを避けて逆に腕を掴むために体勢を整えようとした、その時だった。
「おいおい……まさかと思うが、俺のことを忘れてるわけじゃないよな?」
逢歌が避ける前に煉馬が男の腕を掴み、勢いよく腕を捻りあげたのだ。
「ガァァァァァァァッ!!! い、いてぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
「そうか? あまり強くしてるつもりはないんだけどな?」
男の叫び声を聞いて煉馬は冷笑するが、すぐに相手を睨みつけた。
「さて、このまま更に痛くしてこの腕を使えなくするのと、離すかわりに俺達に2度と関わらないと約束するのとどっちがいい?」
「わ、わかった!! もう2度と関わらねぇから!!」
「なら……とっとと去りやがれ」
「「は、はいぃぃぃぃぃぃっ!!」」
煉馬が腕を離すと同時に、2人の男は去っていった。
それを見て一息ついた煉馬に逢歌は声をかけた。
「ごめんな、迷惑かけて……」
「別に。それに友達なんだから迷惑かけても仕方ないだろ」
煉馬の言葉に逢歌は首を横に振って違うと言った。
それを聞いた煉馬はかなり焦った。
もしかしたら友達だと思っていたのは自分達だけで、彼女にとって自分達は赤の他人なのかと思ってしまったのだ。
そして逢歌の言った言葉は煉馬の考えと合ってはいるものの、大事な箇所が違っていた。
「ウチらは友達やなくて親友、やろ?」
これを聞いて煉馬は目を見開いたが、すぐさま笑みを浮かべた。
「ああ、そうだな。俺達は親友だ!」
こうして、この2人の距離は確実に縮まったのだった。
*
煉馬と逢歌がいい雰囲気になっている時、逆に気まずい2人がいた。
その2人が、1番いい雰囲気になってもおかしくない燐と小雪だった。
「…………………(ムスッ)」
「…………………(ムスッ)」
2人とも何故こんなに怒っているのかというと、それはとても単純なことだった。
ついさっき、燐は知らない女性に「可愛い!」と言われていきなり抱きしめられ、小雪は倒れかけた時に知らない男性に支えてもらったのだ。
普通ならそのくらいで険悪なムードになるはずないが、小雪は勿論のこと、燐も独占欲が強いのだ。
たとえ相手から逃げたりしたり相手に文句を言ったりしても、互いに婚約者として認めている。だからこそ、その相手が知らない人に触れられるのが嫌だったのだ。
そうしている間に、2人は誰もいない場所へと辿り着いていた。
しばらくは静寂が辺りを包んだが、耐えきれなくなった小雪が燐に話しかけた。
「念のためで言っておくけど、私は燐の婚約者なのよ? それなのになんであんなことをするのよ?」
「……あれは俺がしたんじゃなくて俺がされたんだ。それをいうならお前だって知らない人に抱かれていた」
「あれは抱かれてたんじゃなくて、転びそうになったところを支えてもらったの! それなら燐だって……!」
その後、お互い相手の言ったことを否定していくという堂々巡りが起きたので、2人は一斉に黙りこんだ。
そして今度は小雪じゃなく、燐が口を開いたのだった。
「……俺はお前の婚約者であると同時にお前は俺の婚約者でもある。だからお前から逃げたり文句を言ったりしても、やっぱりお前が好きなんだ。だからこれからはちゃんと注意しろ。じゃないと……
心が嫉妬で一杯になる」
その時小雪が見た燐の表情は、誰が見ても嫉妬しているとわかる表情だった。
だからこそ、小雪は嬉しかった。婚約者に、自分が愛している人に嫉妬してもらえることが。
小雪は微笑みながら燐の胸に飛び込んだ。それを燐は優しく包み込む。
「私ね、燐のこと……好き、大好き」
「……俺もだ」
そして彼らは、長い間唇を合わせていた……。
*
煉馬と逢歌に続いて燐と小雪がいい雰囲気になっている時、透は非常に困っていた。
「ニャハハハ~♪」
「か、神崎、頼むから騒がないでくれ! 他の人にすごい迷惑だから!」
簡単に言うと、実乃里は酔っていた。しかし、甘酒で。
2人が適当に色々な場所を見ていると、透は甘酒が置いてある場所……つまりここを見つけたのだ。
実乃里に飲むか聞くと瞳を輝かせて「飲む!」と言ったので甘酒をもらいたい飲んだら今の状況にいたるというわけだ。
「しかし、まさか神崎が甘酒で酔うとはな……」
透がブツブツ言っていると、いきなり実乃里が透の背後に回り込んで後ろから思いきり抱きしめた。
「!? か、かかか、神崎!?」
「えへへ~♪」
「いやいや、『えへへ~♪』じゃない! 頼むから離れてくれ!」
透が離れろと叫んでいると、実乃里はさらに透を抱きしめた。
………これでおわかりの方が少なからずいると思うが、実乃里は透の首に腕をまわしているため、透の背中には大きくて柔らかい塊がもろに当たっている。そのため透は再び邪念やら理性やらと戦っている。
(落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着くんだ小鳥遊透! 今神崎は酔っているからこの状況になっているだけなんだ! だからこんな気持ちを持っちゃいけないんだ!)
透がそう思っていると、透達に甘酒を渡してくれた男性が肩を叩いてとある方向を指差した。
何だと思って見てみると、何故かそこは道が出来ていた。さらに奥を見てみると、そこにはベンチが1つあり、辺りには誰もいなかった。
透はその全てをふまえて思考を回転させた。
「っ……! アウトだぁーーーーーーーっ!!!」
後で知ったことだが、この時の透の叫び声が、遠くにいた煉馬達にも聞こえていたそうだ……。
*
「はぁ……」
「透、すごいでかい声で叫んでたな」
「……お疲れ様」
「くー……」
あの後合流した俺達は、さっき起こったことを話していた。
ちなみにその騒動の発端である神崎は、俺の背中でぐっすりと眠っていた。
「なんか、すごい初詣やったなぁ……」
「だけど、楽しかったわ♪」
眠っている神崎を微笑ましく見ていた清海と霞がそう言っていたが、それについては同感だ。
今までは家族としか新年を過ごしたり初詣に行ったりしたことがなかったので、今回はかなり新鮮だった。
「………また、行きたいな……」
俺は誰にも聞こえないように言ったつもりだった。
しかし耳の良い煉馬には聞こえていたらしく……。
「今、透がまた行きたいって言ったぞーーー!」
「ちょっ、煉馬!?」
「えっ、ホンマに!?」
「よかった! またこの6人で来たいと思ってたのよ!」
「……そう言ってもらえて嬉しい」
「いやだからっ、今のは、その……」
「小鳥遊君」
何て言おうか悩んでいると、酔いがさめてきたのか、神崎が起きて俺に話しかけてきた。
「また、皆で来ようね♪」
この時の神崎は完全に酔いがさめていないのか頬がまだ少し赤く、目もトロンとしていたが、それでも俺に向かって大人びた笑みを浮かべた。
この神崎の表情によってさらに心が乱れてしまい、気がついた時には頷いて言葉を肯定していた――――。
〜追記〜
男子全員を家に送って男子3人で帰っている時、煉馬に「お顔が真っ赤な透ちゃん♪」と言われたので煉馬のみぞおちに一発蹴りを入れたのをここに記しておく。
遅れましたが、あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いしますね♪