吸血鬼じゃないのか
俺とキョウは客間にあるテーブルを挟んで向かい合わせに座っている
さてこれからどうするかな
ルノは隣の部屋で休んでいる
ライアスに頼んで非戦闘員は避難させてるからこの場で戦闘になっても問題ない
夕はなにか考えているのか無言のまま部屋の隅からキョウを睨んでいるし
まあ成り行きでいいか
「キョウお前冒険者を襲ったのか」
「ん、なんのことだいなぜ私が襲う必要がある」
キョウは本当に不思議そうな顔で言い返してくる
「お前ら死乃者は人間を食べる事で生きているのだろう」
「ん、ちょっと違うな」
「どういうことだ」
「私らは人間を食べる正確には人間の持つ力を食べて能力を奪うだけなんだが」
「死乃者は人間を食べているんじゃないのか」
「ああべつに食べてないぞ」
どういうことだ人間を食べるって言ってなかったか被害者も血を抜かれていると言ってたし
死乃者って吸血鬼じゃないのか
「キョウお前は人間を食べた事あるのか」
「ありませんよ私が食すのは魂ですから、直接肉体を食べてもねぇ」
「冒険者は血が抜かれていたと報告では聞いているのだがどういうことだ」
「それは知りませんが」
まあいいこいつは危険だが好戦的ではない
襲われたら反撃はするだろうがこちら側が手を出さなければ問題はないようだ
「それじゃ次の質問あの子はどうしてお前と行動を共にしてる」
「私は森の奥で暮らしているのだが時々おいしい料理を食べに人間の里に降りるんだよ、3日前も同じ様に街で食事をした帰り少女が行き倒れて痛んだよ私には基本的には干渉しないようにしてるんだけどただその時少女の力が気になってね死乃者の力を使ってしまってね、そのあと少女を連れて森に戻ったんだけど私の力を見ていたらしい冒険者に襲われてね仕方なく殺したってことかな、森の奥の住処もばれてしまってね」
なんだかこいつ別に悪い奴じゃないんじゃないのか
まあ俺敵にはどっちでもいいけど
「なあお前らなって何で人間に嫌われているんだ」
「それは・・・」
( ̄´д` ̄)ドドドドガーーーーーーン
突然の爆音が部屋全体を揺らした揺れは数秒間続いた
「な、なにがあった」
俺は立ち上がり気配探知の範囲を町全体に広げた
数キロ先に目の前にいるキョウと似た者の気配がする
そいつはここに真っ直ぐ向かってきているようだった。。
妖艶で高貴な雰囲気を漂わせる女は真っ直ぐ歩いている
門番の男達は魅了されて動けない女はそっと息を吹きかけると門番の男達は意識を失い倒れていく
「貴様何をした」
「私の魅了が効かないなんて可愛いわね」
男は腰に差した剣を抜き構え
次の瞬間女は男の横に女は軽く手で払いのけた
数百メートル吹き飛ぶ男
「君可愛いわねあとで食べてあげるから今は寝てなさい」
「く、く、九十九さんに知らせなくては」
男は痛みに耐えて立ち上がると女に自分の持ている魔力を全部つぎ込んだ攻撃を放った
女はそれを片手で弾くが女の髪は少しだけ焼け焦げた
すこし邪悪な眼をした女は男に近づくと男の体を手で貫いた
引き抜いた手にこびりついている血を舐める女は大声で叫んだ
「キョウちゃああああああああああああああああああああん、遊びましょう」