寝ている間に
sideライアス
「ライアスさん」
「はい、なんですか」
「九十九さんは眠ってしまいましたが大丈夫なのでしょうか」
「問題ありませんよ、魔法の使いすぎで眠りに就いただけでしょうから」
「それではお2人に魔法の基礎でも教えましょうかね」
「はい」「はーい」
そのあと夕方まで私は彼女達姉妹に魔法を教えた
姉のミーシャさんは水魔法がどうやら使える、どうやら村でも生活魔法程度は使えていたらしい
妹のマリーは補助魔法の素質があるようだこれは鍛えたらそこそこ使えるようになるかもしれません
それにしても九十九さんはすばらしい
師匠が言っていた通り私の望みも叶いそうだ
透視球で見た彼は恐ろしく強く残忍であった
しかし彼が語った言葉で私は彼の心理が少しだけわかった
彼は誰よりもやさしいそして厳しいのだ
人間という生き物は総じてか弱いだが恐ろしく醜い生き物だ
時に一般市民を犠牲者と勘違いしているものが多い
だが彼は一般市民も加害者と言い放ったのだ
それは断じて間違ってはいない社会を作るのは一人の独裁者ではなくそこに住む市民だ
奴隷という制度を是非として生活していた者達がなぜ被害者といえる言えないと私も思ってはいた
だがそれは暴論ともいえる一般市民は一人では何も出来ないだからなにもしない
自分だけが奴隷にならなければそれでいい
そして多くの一般市民は王族や貴族など階級制度の中生きている
自分達より下のものがいるという優越感を感覚で理解しているだから何も言わない
それはいいとして現状私が裏切ったら九十九さんはどうする気だったのだろう
信用されているのかわからない、私は彼が寝ている間出来る事をしよう
彼の為にそして私の望みの為に彼は必要なのだから
sideエミリア
私は奴隷・・・生まれてすぐ今のだんな様に買われ生きてきた
それでも私は幸せな方だ何不自由なく生きてこれた、この印のせいで恋する事も・・・
夢を見ることも・・・同世代の友達のように出来ないでいた
自分が奴隷と気づいたのは10歳の時だったいつものよう公園で友達と遊んでいた私
胸にあった印を自慢していたでもそれは奴隷の印だった私はわからず綺麗なその模様を見せびらかしていた
友達の両親が向かえに来て声が聞こえたあの子と遊んではだめだと奴隷なのだからと
私はそれまで父を呼んでいた人に尋ねた
そして私が奴隷なのだと知ったそれから私は家の中で過ごすことが多くなっていた
今では父とは呼んでいない呼べないのだ私は奴隷そう知った瞬間私の中の何かが壊れた
それは私自身が奴隷を見てきて知っていたせいなのかもしれない
村で食べ物がないから売られる少年少女記憶の片隅にあった本当の両親のことを思い出したせいかもしれない
そんな時ギルドマスターから命令を受けた彼を九十九を調べ問題があると判断した場合殺せと
私は彼と話しているとなぜだかわからないが心が自由になっていた
自分が奴隷だと忘れるぐらいに
奴隷商人の馬車を見た時私は少し震えていた、そのあとの彼の行動は恐ろしくもかっこ良かった
奴隷商人と護衛を魔法で殺し奴隷の首輪を外し私の胸の呪いも外してくれた、、
「エミリア」
「はい」
「お前も奴隷だろ?」
「なぜそのことを」
彼は私が奴隷だという事をなぜか知っていた
私は何も言えないでいた
「起きたエミリア」
いつもと変わらないセリアの声
「うん」
笑顔で返事をする私
「よかった、もうすぐキレイア鉱山近くの町に着くよ」
「九十九さんは」
「あいつは寝てるよ」
横目で馬車の隅を見ると毛布に包まり鼾をかいて寝ている九十九さんが
「私決めた」
「なにを」
「私九十九さんについて行く」
「ええ、私もそうするって決めてるから」
(( ´艸`) (^ω^)
笑顔になる私とセリア
彼なら私を自由にしてくれる、そう思えるから・・