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完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   作者: ヴァンドール


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8話

 女性の案内でパン屋さんの中に入ると、とても優しそうな男性がトレーに載せた焼きたてのパンをガラスケースの中に並べていました。

 

「あんた、新しく働いてくれる子が見つかったよほら、このお嬢さんだ」


 すると、ご主人は優しそうな笑顔を向けながらとても喜んでくれました。


「そりゃあ本当かい? 助かったーこれでお前も少しは身体が楽になるな」


 私は少し緊張しながらも自己紹介させてもらいました。


「初めまして、この度、此方の領地に住む事になりましたアンジュと申します。一生懸命働かせて頂きますので宜しくお願いします」


 するとご主人は片手で軽く帽子を外すと、気さくに挨拶を返してくれました。


「こちらこそ宜しくな、それでいつから来れるんだい?」

 

「私はいつからでも……出来ればなるべく早く働かせて頂けたらと思っています」

 

「じゃあ決まりだ。早速、明日から来てくれるかい?」


「宜しいのですか? では明日から働かせていただきます」


 私はお二人にお礼を伝えしてから帰ることにしました。


「では、明日の朝、改めてこちらへ伺います」


 そう言って店を後にしようとしたら、背後からご主人が声をかけてくださった。


「良かったらこれ食べてくれ、俺が焼いたパンだ。今、袋に詰めるからな」


 すると女将さんが自慢気におっしゃいました。


「うちの旦那のパンは美味しいよ、夕食にでも食べるといい」


 本当に助かります。こんな初めての私に、パンまで持たせてくれるだなんて、思わず涙が出そうになりましたが、なんとか我慢できました。


 そしてその後、市場で必要最低限の買い物をしてから、住まいとなっている別宅へと、歩きで戻りながら、今日はとても沢山歩いたので、きっとよく眠れるわ。そう思いながらいつのまにか夕焼けとなっていた空を見上げました。


『今夜のお夕飯はこのパンがあるから安心だわ』と独り言を言いながら、私は今日の出会いに感謝をしていた。

 

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