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完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   作者: ヴァンドール


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14/42

14話

辺境伯エリック視点


 私は砦から久し振りに戻った翌日、屋敷に駐留している騎士達数名を連れて、領地内にある食堂へと入った。

 この店はたまに部下達と訪れている店だ。

 店に入った瞬間、この店にはそぐわない女性が目に入った。

 周りの客達は彼女のことを羨望の眼差しで見ている。そして彼女はそんな客達と笑顔で会話をしながら楽しそうに食事をしていた。 

 私は一瞬、彼女と目が合ったが直ぐに逸らされてしまい、その後直ぐに店から出て行ってしまった。

 何となく気になり店主に彼女は、旅の者かと尋ねたら、今領地で有名なレカンというパン屋で働いていて、そのパン屋を有名にしたアップルパイという商品のレシピを考えた女性だと教えてくれた。

 店主も食べたが本当に美味しいという。ただ直ぐに売り切れてしまうので中々手に入らないそうだ。

 私は屋敷に戻った後メイド達に、そのレカンという店を知っているかと聞いたら全員があそこの店のアップルパイはとても美味しいと絶賛していた。


 私は視察がてら、明日にでもそのレカンという店に行ってみる事にした。

 そして次の日の昼頃、その店を訪れたら昨日食堂で見かけた女性が丁度働いていて、私を見ると、とても驚いた顔をした。

 私はすかさず

「昨日、食堂で此方で売っているアップルパイのことを聞いたのだが」

 と言うと、彼女に

「すみません、午前中の分は、全て売り切れてしまい午後の分が焼き上がるのは少し時間がかかってしまいます」

 と言われた。

 すると奥から店主が出て来て「確か、領主様ですよね宜しければ 午後の分が焼き上がりましたらお屋敷の方へお届けいたします」

 と言ってくれた。

 私は、先に会計を済ませて今回だけ厚意に甘える事にしたのだが気付くと彼女の姿は消えていた。



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