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【完結】勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。  作者: 八木愛里
第一部 勇者パーティ追放編

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21/98

21 ロウ視点。式典にてギルド副長との会話

 ……失敗した。

 式典の招待客の席に座るロザリーを見つけた瞬間にそう思った。

 

 式典の招待チケットの抽選に外れたと残念がっていたロザリー。彼女のそんな姿を見ていられなくなって渡した、来賓枠のチケット。

 来賓客一人につき、一枚のチケットが招待できるものだ。親や家族を招待する者もいたが、そんな親しい人もなく持て余していた。

 

 ロザリーは最前列で、目を輝かせて憧れの大魔法使いこと、俺を見ている! クッ……視線が痛い。

 正装姿になって眼鏡を外しただけなのに、どうして俺の正体に気付かない! 昨日まで魔道具屋で面と向かっていたというのに!

 

「どうしてあの子はロウの正体に気付かないんでしょうね」


 来賓席の横に座るアルマが、俺に小声で話しかけてきた。彼女は俺の正体をよく知っている。大魔法使いであった過去と、魔道具屋の店主の現在を。

 

「それは俺も聞きたいぐらいだが……『大魔法使い』が好きすぎるだからだと思う。『大魔法使い』に幻想を持っているからじゃないか?」

 

 俺の返答を聞いて、アルマはクスリと笑った。

 

「ふうん。だったら、ロウの正体を知ったら、あの子は幻滅しちゃうんじゃないの?」

「それを心配して言い出せなくなった。ロザリーが自分で悟ってくれるんじゃないかと期待して、来賓枠のチケットを渡したが……全然気づきやしない」

「そうよねえ……」


 何気なく観客席を見たら、ロザリーと目が合ってしまった。その瞬間、ロザリーの瞳がハートになる。

 好意を持たれるのは嬉しいが、なんとも複雑な気分だ……。

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― 新着の感想 ―
[一言] こいつぁ下手に明かせないぜ(;'∀')
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