お茶会終了、聞き込み開始。
【登場人物】
《アイリス》
・主人公
・乙女ゲームのサポートキャラに転生した。
《リエラ》
・乙女ゲームのヒロイン
・フェドートとゴールインした。
《フェドート》
・乙女ゲームの攻略対象の豪商の次男
・リエラとゴールインした。
《ルーカス》
・乙女ゲームの攻略対象の王太子
・リエラが友情度しか上げてなかったので親友だと認識している。
《カリナ・スタードール》
・リエラとゴールインしなかったルーカスの婚約者に選ばれた乙女ゲームに登場してない侯爵家令嬢
・ルーカスとお互いに尊重し合える関係を築きたくて、アイリスに相談したが…。
「おまたせ〜」
「遅かったね」
「ふふふ〜、女の子同士積もる話もあったからね!」
お手洗いから戻ったアイリス達をルーカスが柔和な笑みで皮肉ったが、慣れているアイリスは笑顔でスルーした。
(まっ、スタードール侯爵令嬢関係なのはバレてるだろうけどね)
「それなら僕とも積もる話をしてくれるかな。スタードール嬢についての、ね?」
(ほらな)
案の定の言葉なのでアイリスの表情はピクリとも動かない。
元々隠したいことでもないし、洞察力鬼強の腹黒王太子に隠しごと出来ないのは、旅の中で嫌ってほど実感していたからだ。
だから、
「うふふふ、それは好都合ですわね!わたくしも王太子殿下にはたッッッッッくさん、聞きたいことがありましたの!!」
「それは何口調だ??」
「壊れたの?」
「あ、サブイボが…」
「デスヨネー。ま、とりあえず、ルーカスに事情聴取したいのは事実だから、今日は解散にしていい?」
リエラの婚約者と元攻略キャラの反応に、自分でもやべぇなと思ったからな。と納得しつつ、隣で服の裾を引っ張りながら「そ、そういう口調も素敵だよ!」と言ってくれるリエラには、「大天使!!」と言って抱きついておく。
「そうだな。優先はそっちだしな」
「そう言って貰えると助かるよ」
そう言って1人、また1人と席を立つ。
「またお茶会しようね!」
「そうだね、また開くから楽しみにしててね」
リエラもフェドートと共に去っていくのをアイリスは、ルーカスと共に見送る。
「さて、場所は応接室で良いかな?」
「逆にそれ以外にどこがあるの」
「ん〜、僕の部屋とか?」
「それ、婚約者持ちが冗談でも言っちゃダメなヤツ」
「だよね」
クスクス笑うルーカスは、心底性格悪いなとアイリスはドン引きする。
「そんな顔しなくてもよくない?」
「…どんな顔」
「潰れた大量のゴ〇ブリを見る顔」
「世界で一番見たくないって意味で正解。
てか、知ってるでしょ!良縁と結婚の巫覡は、恋愛面は潔癖なの!そこに愛があろうがなかろうがね!!不倫も奪略愛も認めてません!!以上!!!!
そして、アンタは私のこと異性として見たことないでしょ!?」
「ないね。だからこそ言える嫌がらせでしょ?」
「クソだなコイツ。コイツと結婚する女性に心底同情するわ」
「そのクソの幸せな結婚をサポートするのが今回の仕事だよ」
「なんて可哀想なスタードール侯爵令嬢!!!!」
「君も大概イイ性格してるよ」
「ありがとう!」
「ホントそういうとこ」
説明しておくと、この国で異性の部屋に入ることは、「そういう仲です♡」という意味になるので、身内以外の異性は、10歳以降は原則入らないし、それでも誘うのは、いわゆる「あなたが好きです!」という遠回しの告白や匂わせであり、既婚者や婚約者持ちが言うなら不倫のお誘いである。
(マジでクソ!!!!)
なので、アイリスからしたら鳥肌の止まらない地雷発言なのである。
とはいえ、本来ルーカスは、乙女ゲームの攻略対象。
それもチャラ男キャラではないので、恋愛対象外の異性として見ていない女友達相手だとはいえ、こんな質の悪い冗談を言うタイプではないのだ。
(…これは、随分とスタードール侯爵令嬢に腹を据えてるな…、)
多分、カリナと結婚するくらいなら異性としては好きになれないが友達としは好きな奴と結婚した方がマシだと思う程度には、嫌な何かがあったのだろうとアイリスは、推測する。
(とりあえず、聞き出さないと話にならないな)
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