侍女の仕事初日
【登場人物】
《アイリス》
・主人公
・乙女ゲームのサポートキャラに転生した。
《ルーカス》
・乙女ゲームの攻略対象の王太子
・リエラが友情度しか上げてなかったので親友だと認識している。
《カリナ・スタードール》
・リエラとゴールインしなかったルーカスの婚約者に選ばれた乙女ゲームに登場してない侯爵家令嬢
・ルーカスとお互いに尊重し合える関係を築きたくて、アイリスに相談したが…。
ルーカスの名字をギーゼキングから、アバンダントに変更しました!
「本日より、カリナお嬢様付きとなります。アイリス・ラブレーと申します」
「ええ、ラブレーが来てくれて心強いわ!」
問題なく、王宮から斡旋されたスタードール侯爵家のカリナ付き侍女におさまったアイリスは、大方、ルーカスとの中に悩んでいたカリナに大歓迎されたが…。
(し、視線が痛てぇ〜〜〜!!!!!)
カリナ付きの侍女達からは、全くもって歓迎されてなかった。
(というか、初対面なのに好感度が地の底な気すらするんだけど…?!
私、なにかしましたかねぇ!?!?)
1、王宮からの斡旋が気に食わない。
2、ルーカスと親しい女性の斡旋が気に食わない。
3、ルーカスとの仲を疑われている。
(さあ、どぉーれだ!!!!)
まあ、正直、心当たりはあったりはするのだから、悲しいものだと諦念の心でアイリスは、現状を受け入れることしか出来ない。
「パティ。ラブレーのことよろしくね。
ラブレー、彼女はパティ・ブレナン。
私の乳母も務めてくれていた侍女なの」
「よろしくお願いいたします」
「…ええ、ビシバシ鍛えさせて頂きます」
(敵意強ぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!!)
いや、仕方がないとも思う。
斜め45度にカッ飛んだカリナは、自分を冷遇する継母の真似をし始めたのだ。
その一因がアイリスだと知ってるのか、知らないのかは分からないが、カリナを愛してないルーカスが親しい女性を送り込んできたとか、
(『彼女と親しい仲♡だから、お前の入ってくる隙間ないから』って意味合いにとられたか!?
そこまで考えてなかったんだけど!!)
発案者のリエラも、納得したアイリスも、送り込んだルーカスも、異性との友情は成立する派である。
あるが故に、そんな邪推(アイリスの推定)は、想定外だった。
(本当にただの親しい友人です!!!!)
なんて、聞かれてもないのに大きな声で主張したら、逆に怪しいことくらいアイリスだって分かるので、口を噤む。
「あと、ラブリーと同じ時間帯で働くことになるファニー・ファッド。
同じ学園に通っていたし、知ってるかしら」
「…はい、カリナ様。よろしくお願いします、ラブレーさん」
「…ええ、よろしくお願いします。ファッドさん」
(ヒォエッ、ファッド子爵令嬢!!!!)
よろしくという割に凍えた声で挨拶するファニーに、震えそうになる声を叱咤して、笑顔で挨拶する。
それくらいのスキルは、アイリスも貴族令嬢として身に付けている。
ファニー・ファッドは、ふわふわとした亜麻色の髪と大きくてパッチリした二重の黒目の可愛らしい子リスみたいな女の子だ。
143cmという小柄さとコロコロ変わる豊かな表情、母親譲りの可愛らしい美少女で、男子人気がクソ高いが、本人は、流行を作り出すやり手デザイナーで、独立精神も旺盛だし、カワイイ系よりキレイ系が好きなので、人生ままならないものである。
(というか、カリナお嬢様付きになってたの!?
どんだけカリナ様のこと好きなのさ!!)
平民混じりの子爵令嬢でありながら、実力でカリナの取り巻きの座を勝ち取り、次は子爵令嬢という身分を利用してカリナの侍女になるのだから、本当にバイタリティ溢れるご令嬢である。
ましてや、デザイナーとしても新作を出しているようだし、子リスの見た目に反して、パワフルなのが、ファニーである。
それ故に、
(目を付けられるのめっちゃ怖ぇええええ!!!!)
学園で、いつもニコニコと嬉しそうにカリナの後ろをついて回っていたファニーを知っているからこそ、アイリスは、ファニーの感情の抜け落ちたような顔がとても恐ろしかった。
今回短い…!!!!
でもここで切らないと切る場所がない…!!!
すみません!!!!(´ཫ`)
呼び方として、仲の良さにもよりますが、
貴族令嬢の立場だと「[名字]+[爵位]令嬢」ですが、
侍女として働いている時は、同僚は貴族平民関わらず「[名字or名前]さん」、
仕えてるお嬢様は「[名前]お嬢様」、親しくなると「〇〇様」呼びになります。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
良ければ、下の★マークから評価してもらえれば、励みになります。
よろしくお願いします!!!!(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈⋆)