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【書籍化】人魚無双~幼女になって転移した先で推しの幸せのために私は生きる~  作者: 景華
第2章 そして少女は剣を取る

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戦え、大切な人のために

遅くなりましたァァァ!!

いつも応援感謝です!!

「ハァ……。全く……。何をしているんだ、君は」


 涼やかな声が静かに耳に響いて、ゆっくりと顔を上げると──……。


「先生……!!」

 私を庇うようにして背を向けて立つ先生が、炎の竜を氷魔法を纏わせた剣で串刺しにしていた。

 刺したところから氷がピシピシと音を立てて広がっていき、やがて炎の竜は氷の破片となってパラパラと落ちていった。


「無事か?」

 先生は敵を見据えたまま、声をかける。

「は、はい」

「……そうか」

 低く耳に心地よく響く涼やかな大好きな人の声。

 少しずつ引いていく瞳の熱。


「くっ……!! 氷銀(ひぎん)の騎士団長、シリル・クロスフォード……!!」

「グレミア公国の者だな? 一緒に来てもらおう」

 剣を向けたまま、先生が淡々と口にする。


「お断りだ!! 雷(いかずち)よ!!」

 男が雷魔法で私と先生を攻撃する。

 バリバリと閃光を放ちながら迫る雷を、先生の隣に走って並び立ち、素早く防御魔法を掛け直した刀で跳ね除ける。


 キンッ──キイィィン!!


「この人には手出しさせません!!」

 恐れている場合じゃない。

 戦わなければ。

 私の、大切な人のために──!!


 私は再び男めがけて地を蹴り、通常の向きとは逆向きにした刀を振り下ろす。


 刃のついていない棟(むね)の部分で男の肩から下に向けて打ち下ろすと「ぐあぁぁ!!」と声をあげて、男はその場に倒れ込んだ。

「やった!!」

 そう声をあげた瞬間、男は倒れながらも私に向けて「炎よ!!」と炎魔法を撃ち放つ。


「っ!!」

 私は咄嗟に風魔法で宙に飛び上がると、ポケットの中の小箱(ホール)を男めがけて投げつけた──!!


 すると一瞬にして小箱(ホール)のなかに男は吸い込まれてしまった。

「今度こそ──!!」

 安心したのも束の間、私は飛び上がった宙から真っ逆さまに落ちていった。

「へ? キャァァァァ!!」

「っ!! この馬鹿娘!!」

 先生の焦ったよううな声が聞こえた刹那!!


 ふわり──………


 私の身体は暖かく柔らかな風に包まれて、ゆっくりと地に降りた。

 あれ?

 私今……風魔法使った?

 いや、使った覚えがない。


「何で……」

 戸惑いながら自身の両手を見つめる私に、先生が気まず気に顔を顰めて口を開いた。


「……私の、もう一つの属性だ」

「は!?」

「氷や水の属性よりも、風属性の方が馴染むくらいには、強い風魔法の力を持っている」


 先生が──風属性持ち?


「意外、か?」

 ため息をつきながら尋ねる先生に、私は首をブンブンと横に振った。

「……いいえ!!」


 だって、あなたは風のような人だから。


「先生は、私にとっての風ですから──……」

 私はそう言ってふにゃりと笑った。


「……そうか……。だが、これは誰にも言うな。これ以上担当教科が増えれば、間違いなく過労死する」

 自覚はあったんだ、過労死寸前だって。

「もちろんです!!」

 私がビシッと敬礼して返事をすると、先生が徐(おもむろ)に私の小指にするりと自身の小指を絡ませた。


「っ!?」

「約束、だ」


 なぁぁぁぁあぁぁっ!!

 天然か……!! ────天然だ……。


 私は頬の熱を振り払うように、やけくそ気味の大声で指きりをする。

「ゆ〜びき〜りげ〜んまん、う〜そつ〜いた〜らは〜りせ〜んぼ〜んの〜ます!! ゆ〜びき〜った!!」


「これで、もし君がこのことを言えば針千本だ。わかったな?」

 そう言って満足げに口角をあげて悪い笑みを浮かべる先生。

 先生が言うと洒落にならない……!!

 本気だ……!!

 絶対本気だ……この天然教師……!!


 そこで私はふと気づく。

「あ、私咄嗟に小箱(ホール)に吸い込ませちゃいましたけど、人間吸い込ませちゃっても大丈夫でしょうか?」

 中に入ったことがないのでよくわからないが、なんだか大変なことになってそうだ。


「……まぁ……。問題なかろう。ついでだ、その穴の二人も入れておけ」

 無慈悲な先生の言葉に、私は若干不安を覚えっつも、穴の中の二人も小箱(ホール)へと吸い込ませておいた。



「さて、それはそうと──……」

 

 あ……。

 まずい。

 これはまずい流れだ。


「この私を眠らせて出ていくとは……」

「え、えと、いやぁ、でもですねぇ」

「あぁそうだ、今日は偶然にも午後からは予定がなくなった。どこかの小娘が、午後から捜査予定だった【グレミア公国】の者を捕らえてくれたからな。どうせ暇になったのだ。たっぷりと君の言い分でも聞くとしよう」


 え!?

 何それご褒美!!

 いやでもこれだめなやつ!!

 恐怖の正座でお説教コース!!


「さぁ、帰るぞ」

「…………はい……」

 私は諦めて、先生の後ろについて帰るのだった。


いかがでしたでしょうかっ(*^^*)?


「堅物天然教師最高!!」など思っていただけましたら、下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただけますと嬉しいです!


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― 新着の感想 ―
[良い点] え、恐怖の正座でお説教コースもヒメちゃんには、ご褒美で大喜びですよね。戦闘場面はとても格好良くて楽しかったです。もう、二人でいられれば、なんでもご褒美なのはきっと間違いないかと思っておりま…
[一言] さすが先生!いろんな意味で!
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