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人魚無双~幼女になって転移した先で推しの幸せのために私は生きる~  作者: 景華
第4章 そして少女は王になる(前編)

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今夜は寝かせてやれないから──

第4章開幕!! 本日4話投稿予定!!

皆様、いつもありがとうございます!!

またよろしくお願いします!!

ブクマや感想、評価やレビューなどしていただけるととっても励みになりますっ♪



「……おかえり。────バカ娘」


 五年前と同じ言葉なのに、あの時とは違うどこか甘く掠れるような声と力強い温もりに、『もしかして』という期待は確かにあった。


 なのに──。


 私は今、先生の部屋にいる。

 黒い皮張りのソファで腕組みをして座る先生の絶対零度の眼差しを受けながら、硬い床の上に正座で座っている。


 あれ?

 あの良いムードはどこへ?

 ぎゅっと抱きしめてくれた先生の腕は!?

 優しく「おかえり」って言ってくれたあの声は!?


 さっきまでの甘い雰囲気との差が激しすぎる……!!


 ──あぁでもこの部屋。

 この部屋だ。


 几帳面に本を並べた仕事机。

 コーヒー入りの魔法のポット。

 きっちりと整えられたベッド。


 何より先生の匂いに包まれた、私の大切な居場所だ。


 帰ってきた。

 その事実に胸が熱くなる。

 先生はきっと覚えてはいないけれど……。

 それでも残る唇の感触が私の心を温めてくれるように感じる。


 無意識に自身の唇に触れた私を見て、先生が眉間の皺を深くする。


「唇が……どうかしたのか?」

「へ? い、いえ!! 何も!!」

「妙に嬉しそうに触れていたが……まさかこの1週間、男と一緒だった──と言うわけではあるまいな?」


 ひぃぃぃ!!

 目で人を射殺しそうです先生!!


 男と一緒だった、と言われればそうだし、かといって張本人である先生は覚えてないんだし、何て言えば……。

 ついさっきまで貴方と唇を重ねておりました、なんて言えるはずがない。


「えっと……と、とりあえず、話を!! 話をですね!?」

「話なら聞いてやろう。さっさと話せ。私が聞いたことに対して答えろ」

「いやだから、も、もっと大切な話を──」

「大切な話だと思うが? 年頃の娘が1週間も何も言わずにどこにいたのか、保護者として知る権利がある」


 口角をわずかに上げ悪い笑みを浮かべながら先生は私を見下ろす。


 あぁこの目!!

 この感じ!!

 懐かしいです先生!!

 でもつい最近までシリル君に甘やかしてもらっていた私には刺激が強い!!


「うぅ……何から話せば良いやら……」

「……何でもいい。話せ。私も……話したいことがある」

 真剣なアイスブルーが私を見る。

 その瞳に心を固めた私は、口をキュッと結び彼を見つめ返した。


「……はい。──実は──」


 その時。


 ドドドドドドドドドド……!!


 地鳴りのような音が近づいてくる。

「な、何!?」

「っ!!」


 瞬間、私は先生に腕を引かれ、彼の漆黒のマントの中へと引きずり込まれてしまった。


 先生の鍛えられた硬い胸板に押し付けられるように抱き込まれた私はリアルなその感触に全身の熱が1箇所へと集中する。


 な、な、何ごとー!?


 ソファに座ったままの先生の右胸にしがみつき、先生の右足のへと跨る形でピッタリとくっついている私。


 足!!

 先生の足に私が乗っちゃってますよ先生!!

 くいっと服を引っ張ってみるけれど、先生は私を抱き込んだまま、気付かぬふりをして私を隠すように大判の本を開いてしまった。


 ゆ、夢?

 私の妄想?

 そう考えるけれど、先生の少し早めの鼓動が耳に振動として響いて、今彼が本当にここに存在していると言うことを証明する。


 バタン──!!


「シリル!!」


 ぁ、この声……。


「レオンティウス。こんな夜遅くに、また君はノックもなしか?」

 低く、ため息を含んだ声を放つ先生に、レオンティウス様はお構いなしに口を開いた。


「ヒメ帰ってきてない!?」

 息を切らしながらも私を探している様子のレオンティウス様に、心が痛む。


 今すぐ出て安心させてあげよう。

 そう思い、先生から離れようと彼の胸板を押し返したけれど、マントの中で抱き抱える腕がそれを許してはくれず、より強く抱きしめられることになった。


 な、なんで!?

 まるで行かせないとでも言うようにがっちりとホールドされた私の身体。

 先生が!!

 先生がぁぁ!!

 沸騰(ふっとう)して混乱状態の私をよそに話は進む。


「はぁ……。レオンティウス、まだ帰ってはいない」

「……そう。……帰ってきたような気がしたんだけど……」


 はい!!

 ここにいます!!

 先生のアダルティな筋肉にノックアウト中です!!


「君が彼女のことが心配なのは十分伝わった。だから、もうしばらく待て。帰ってきたら必ずそっちに向かわせる」


「……えぇ。お願いね」

 沈みこんだ、思い詰めたような声。

 早く、話をしないと。


 バタン──。


 扉の閉まる音がして、やっと先生の腕から少しだけ力が抜けた。

 それでも未だホールドされたままの身体に、

「先生? あのそろそろ放していただいて──」

と胸板を押し返そうとするも、びくともしない。


「このまま……」

「はい?」

「このまま、話を聞こう」


 はい!?

 このまま!?

 私を抱いたまま!?


「今夜は寝かせてやれないから、──覚悟しておけ」


「〜〜〜〜っ!?」


 先生、私、その言葉は別のシーンで聞きたかったです……。



いかがでしたでしょうかっ(*^^*)?

「攻めのシリル先生も素敵!!」「ヒメちゃんおかえりー!!」など思っていただけましたら、ブクマ登録と下の☆☆☆☆☆の所から評価で応援していただけますと嬉しいです!



4章からは先生も攻められてばかりではありません!!

皆様これからも応援よろしくお願いします!!


感想などもいただけるととっても励みになります♪

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