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人魚無双~幼女になって転移した先で推しの幸せのために私は生きる~  作者: 景華
第3章 そして少女は彼と出会う

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私と彼の1週間ー6日目ー純粋培養シリルー



「お・そ・い」


 未来の先生の如き眉間に皺を寄せ、いつもの待ち合わせの場所である食堂前で仁王立ちするシリル君。


 はい。

 ですよね!!

 もう昼休みも半分ほど終わってますもんね!!


 なのにもかかわらず、食べずに待っていてくれたシリルくん。

 紳士……!!

 陰キャなんて言ってごめんなさい!!

 あなたは立派な、紳士シルヴァ様の御子息です!!


「おい。聞いてるのか?」

 じとっと目を細めて私の顔を覗き込む、シリル君の整った顔。

 近っ!!


「っ!! シリル君、遅くなって本っ当にごめんなさい!!」

 その美しさに思わず後ずさって顔を背けるが、すぐに私は勢いよく頭を下げ、誠心誠意謝罪することにした。

 流石にここでふざけたおすのはまずいと判断したからだ。


 下げた頭の上の方から「はぁ……」と深いため息が降ってくる。


「まぁ、無事ならそれでいい」


 ぽろりとため息と共に落とされた言葉に、私は反射的に顔を上げた。

 もしかして……すごく心配してくれた?

 あのシリル君が?

 え……本当に?


「あの……シリル君? もしかして、心配してくれちゃったり……しました?」

 空気も読まずに私がチラリと彼を見上げながらたずねると、シリル君は途端に私から顔を背けてボソボソと何か呟いた。


 ん? なんて?

 ボソボソ言いすぎてよく聞き取れなかった。


「あの、今なんて?」

「…………当たり前だ、と言ったんだ」

 小さなその一言が、今度はきちんと私の耳に届いた。



「父上が苦戦しているらしいと聞いて、少ししてから騎士達が傷を負いながらも帰ってきたのに、父上だけが帰って来なかった。そしてその騎士たちに『グローリアスの制服を着た少女が一人、助けに現れた』と聞いた。すぐに君だろうと察した」


 あぁ……。

 そうよね。

 シリル君は私の性格も、戦う力も知ってるもんね。

 そりゃ私だって気づくわ。


「大丈夫だろうとは思っていたが、出現した魔物は闇堕ち魔物(ダークスター)、しかも伝説級の生物だと聞いて心配した。……とにかく、君も父上も無事でよかった」


 ピュア!!

 お説教どころか、純粋に心配してくれるシリル君。

 さっきシルヴァ様に聞いたシリル君の弱みは、今の彼には使うことはなさそうだ。


 この弱みは、容赦なき大魔王である対先生用に取っておこう。


 そう心に誓った瞬間だった。




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