私と彼の1週間ー5日目ー早速墓穴を掘りましたー
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『朝早くから失礼。少し話がしたいのだが、時間はあるだろうか?』
スカイブルーの爽やかな便箋に書かれた規則正しく並べられた文字に、オリジナル伝達魔法【鶴の恩返し】で
『いつでも大丈夫ですよ』
と返事を返す。
『では朝食後、聖域にて。騎士団で所用を済ませてくるので、ゆっくり食べてくれ』
『わかりました。お気遣いありがとうございます』
『追伸。シリルには気付かれないように。あれは意外と嫉妬するタイプだと思うからね』
そんなやりとりをして笑ったのは、ほんの2時間ほど前の早朝。
私が目を覚ましてすぐのことだった。
私は迎えに来てくれたシリル君と一緒に、ゆっくりと朝ごはんを楽しんで、授業がある彼と別れてから約束の場所──聖域へと向かった。
「やぁ、おはよう、ヒメ嬢」
朝から爽やかな笑顔で迎えてくれたのは、陰キャ気味なクロスフォード先生……ゴホンッ、クールなクロスフォード先生と顔は似ていても雰囲気の全く違う、手紙の差出人シルヴァ様だ。
笑顔が眩しい。
朝の艶々とした緑生い茂る草木や、朝日に照らされきらきらと光る湖。
そんな爽やかな朝の聖域が、これほどまでに似合うお人がいるなんて……!!
「おはようございます!! お待たせしてすみません」
「いいや、今来たところだ。それに、女性を待つのは男の特権だ。気にしないでくれ」
紳士……!!
なんでこんなに紳士なの!?
こんな素敵なイケメン紳士をなぜ捨てたシリママァァァァ!!
「ん? どうしたのかな?」
「ぁ、いえ!! あまりにも美しくて!!」
ぁ……つい漏れた。
「くっ……!! ハハハ!! ありがとう。やっぱりあなたは面白い方だな」
肩を小刻みに揺らしながらシルヴァ様は声をあげて笑った。
「朝早くに手紙なんて送りつけてすまなかった」
「いえ!! とっくに起きていたので大丈夫ですよ」
嘘です。
手紙をもらう直前に目覚めました。
先生似のイケメン相手にちょっとだけ見栄を張る。
「あなたの伝達魔法はとても素晴らしい。可愛らしい紙の鳥が私の目の前へと現れた時には驚いたよ。あんな伝達魔法、初めて見た」
「ありがとうございます。あれは私のオリジナルの伝達魔法で【鶴の恩返し】っていうんですよ」
それを聞いたシルヴァ様は目をパチクリさせて私を凝視した。
「その年でもうオリジナルの魔法を編み出すのか……。そういえばあなたは魔物退治もするとか? フォース学園長から聞いたよ。騎士たちのくだらない嫉妬に巻き込まれたって」
くだらない嫉妬?
言っていることの意味がよくわからないけれど、この時代で魔物退治をしたのは二日目の闇落ち魔物の時しかないから、その時のことかな?
「魔物退治がスムーズにいくようになったのはシルヴァ様の核についての研究のおかげでもありますし、私だけの力でもないですから」
「!! ……そう……。あなたはどの魔物の核についての研究が一番有益だったかな?」
「そうですねぇ……。あ、【ポムポロ】の核についてはすごく役に立ってます!! あの本のおかげで一気に核をついて捉えて捌いて食べることができるので、すごく助かりました!!」
【ポムポロ】の繁殖力は高いから、よく討伐依頼が来る。
そんな時核を一気に貫くと一気に討伐できるので、時間的ロスが少ないのだ。
【オーク】の核も早く研究が進んだらいいんだけどなぁ。
私のバイブルの著者であるシルヴァ様本人とその本について語り合うことができる機会に興奮した私は、失念していたのだ。
この本が、まだ今の段階では研究段階で、発表すらされていないことに──。
「残念──」
そして、【ポムポロ】の核についての研究書類は、著書の1番最後に記されていたということに──。
「──【ポムポロ】の核についてはまだ仮定段階で、その仮定は私の頭の中だ」
言いながらトントン、と自身の側頭部を右手の人差し指でたたくシルヴァ様。
────ぁ……。
「なぜ知ってるのかなぁ?」
いい笑顔ですシルヴァ様。
いい笑顔なんですが、圧がすごいです。
「えっと……それは……」
「あなたは──未来から来たね?」
バレたァァァァァァァァァァ!!!!




