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最果ては遠く 休載  作者: 鯉狐
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閑話 柊の初恋

出来は良くないですw

神域での修行中、とある日の食卓にて


「柊よ、ずっと気になってたんだが、なんで楓の姿でいるんだ?普通に男の姿でも問題は無いだろ?」


「確かにそうですね。なにか理由があるんですか?」


あぁー、その質問をするか。しかもフウちゃんがいる所で


「そうですよ兄様。なんでですか?以前に聞いた時は誤魔化したじゃないですか。何か理由があるんですか?」


「えぇッと〜」


皆の視線が集中する。この状況で言うのか!?ちょっとどころかかなり恥ずかしい...


「言えないような理由なのか?」


「もしかして、女装趣味の変態?」


「すいません。正直に話すので変な推測しないでください」


誤解されたままなのも嫌だから仕方ないけど説明しとこう。うん。


「俺が楓の姿を真似ている理由は...」


うーん?よく考えたらあんまりしっかりとした理由ないな


「これと言った理由はないんですが」


「無いの!?」


「やっぱりただの変態?」


「楓さん...」


「とんでもないカミングアウトですわ」


「いや、そうじゃなくて!」


なんですぐ、そういった変な方向に考えが飛ぶんだ!


「あぁーもう分かりましたよ!とりあえず、昔話に付き合ってもらいますね!」


そうして語り始める。楓との出会いを。そして天咲柊の初恋の物語を



「今から8年前、俺は天咲家に養子として迎えられた。俺に何を見出したのか分からない。けど、皇は俺のことを本当の息子のように扱ってくれた。それが堪らなく嬉しかったのを今でも鮮明に覚えている。俺に優しくしてくれる皇に少しでも報いたいと思った俺は、皇の教えてくれる全ての事を覚えた。

それから1年程経ったある日、門下生にいじめられている一人の女の子に出会った。まぁそれが楓なんだが。あの頃の楓は体調が少し良くなって、屋敷の中限定ではあるけど部屋の外に出る許可を貰ったばかりだった。楓はその時、ずっと謝り続けていた。殴られたり蹴られたりしながらずっと。ごめんなさい、ごめんなさいって言ってたんだ。見ていられなくて止めに入った。そしたら俺に対しても、ありがとう、じゃなく、ごめんなさいって言ったんだ。それでなんかイライラしてきて、思わず怒鳴っちまった。

「謝ってばっかりいんな!お前はそれしか言えないのか!?」ってな。

そしたら楓が大声で泣き始めたんだ。もうめんどくさくて仕方がなかった。とりあえず皇の元に送り届けて話を楓のことを聞いた。

それからしばらくして、皇の稽古に楓が参加し始めたんだ。最初は全く着いてこれなかったのに、3ヶ月経った頃からだんだんと着いてこれるようになった。

なんでそこまでするのか分からなくて理由を尋ねたんだ、そしたらこいつなんて言ったと思う?

「貴方に助けられてばかりで何も返せないから」って言うんだ。馬鹿だと思った。でも、俺に似てる気がした。それから稽古の度2人で昼食を取るようになった。話もするようになって、2人で一緒に術式を考えたりもした。楓は病気の波が高くなった時は、治療に専念して、波が治まればまた俺と稽古を繰り返していた。

4年経った頃からかな?俺が楓を意識し始めたのは。義理とはいえ兄妹だからと、言い聞かせてはいたんだが、気持ちを抑えられなかった結果、俺は楓に甘くなっていった。楓もそれを受け入れてくれた。ブラコン、シスコンの兄妹になったわけだな。でも、本当の気持ちを伝えるわけにはいかず、俺は過ごしていた。

そんなある日、とある事件が起きた。その事件で楓は亡くなり、精霊になった。

正直訳が分からなかった、けど嬉しかった。また楓と一緒にいられると思ったらな。そんな時、ふと気になって、やり残したことはないか?って聞いたんだ。そしたら山ほどあるって言うんで、どうにかしてやろうと思った。でも、今の状態じゃ出来ないからどうすればいいか考えた。その結果、楓の姿で楓のやりたかったことをやってやろうと。少しでも満足してもらおうとした。その結果が今だ。

まぁ気持ち悪いとか、意味がわからないとか言われたらそれまでだけどな。それでも俺は、好きな女の子のためになにかしたいと思ったんだよ」


直ぐには誰も喋らない。

楓を始めとする女子達が顔を赤くしている。特に楓。

男子やイリス達は優しい眼差しだ。


「よかったねフウちゃん」


「おめでとう」


「願いがひとつ叶いましたわ!」


「めでたいな!」


「おめでとうございます」


エレノアさん達が楓に祝いの言葉を送る。

なぜ?


「柊って、イリスみたいに怖いけど、驚くほど鈍感な一面を持ってるよな」


「私みたいに怖いってなんですか。後半は否定しませんけど」


「その方がバランスがいいんじゃない?」


「締まらないけどな」


イリス達の方でも意味のわからない会話がされている。


「兄様。兄様は、いつまでも私のことを好きでいてくれますか?」


楓が顔を赤くしたまま質問してくる。


「あたりまえだ。これからもずっと楓は俺の一番だ」


さっきの会話の意味が分かった。楓も同じだった。俺と同じで、伝えるわけにはいかなかった。


「兄様、直接触れ合うことは出来ないけど、私の彼氏になってくれますか?」


「もちろん。触れ合えないことなんて関係ない。ずっとそばにいるよ」


こうして、ここに1組のカップルが出来た。


「でも、兄様。彼女は何人いてもいいですよ?」


空気が凍る。全員の視線が楓に集中する。


「え?だって、私とは子供が作れないじゃないですか?それに、他の方もね?」


そうしてエレノアさんとティアさんを見れば2人はそっぽ向いてしまった。

えぇ〜本当に?


そうして、柊の初恋の話や過去の話、楓視点の話等で盛り上がり、その後女子はイリスとナズチを交えて恋バナ、男子とバハムート、フェンリルは逃げるように風呂場へ向かった。


その後の数日間、エレノアさんとティアさんがよそよそしかったのはまた別のお話。

そう遠くない未来、なにか起こる予感のするイリスであった。

まぁなんとなーく作った話ですのでこんな感じです。

柊と楓はこれからもずっと仲良し兄妹です。

どんな関係になっても2人は兄妹なんです。

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