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最果ては遠く 休載  作者: 鯉狐
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第2章 神に至る者 第一話 生徒会役員選挙開始と学園

第2章始まりです

武闘祭が終わり、休日が明け次のイベントがやってきた。

その名も『生徒会役員選挙』だ。正確にはまだ立候補の期間だが。軽く説明すると、

生徒会役員選挙は25日間の日程で行われる。

まず、5日間の間に立候補者を募集。6日目の朝、各役職の立候補者の名前がマニフェスト?と共に張り出される。それから15日間は、学園内での演説が許可される。21日~24日は生徒会メンバーの仕事を立候補者たちが手伝いながら見学。最終日に全学園生の前で最後の演説。さらに、応援演説者の演説も行われ、その後、投票用紙に記入、投票箱に入れ、闘技場で待機となる。集計は生徒会がおこなうため、30分ほどで終わり、舞台上で発表のため、生徒会メンバーと立候補者と応援演説をした者は、舞台上に集合、発表と同時にその場で生徒会の後継式が行われる。

これが生徒会役員選挙なのだが、マニフェスト?とか応援演説者とかその他いろいろ、学園に来て数日の私にどうしろと!?食事の席で軽く言ってくれちゃって。

と思っていたら、応援演説はシルヴェルト先輩が引き受けてくれることに。生徒会役員なのにいいのか。後継を見つけるという意味では正しいのか?まぁ何にしても助かったのは事実。あとはマニフェスト?マニュフェスト?どっちか忘れたけどそんな感じのやつ。私が会長になったら何々することを約束します的な感じ?いやほんとに分からないんだ。なんとなくそんな感じかな?と記憶の片隅にある知識と照らし合わせた結果だ。こんな知識いつ覚えたんだろ?まぁいっか。


「姉様~そろそろ決めないと」


「楓精ちゃん、あまりせかさない方が」


「そうかもしれませんけど…。ところでその楓精ちゃんって何ですか?」


「ん?刀精霊の楓、略して楓精ちゃん。シルヴェルト先輩、エレノア、レオニカ、マリアと私の5人で決めた」


「楓も許可してくれたぞ」


「姉様!?」


「だって~、楓って呼んで二人反応するよりはいいじゃん。可愛いと思うよ、楓精ちゃん?」


「…はぁ~。でも楓精ちゃんって、ごろ悪くないですか?」


「「「「「「そこは気にしないことにした」」」」」」


私たちは学園の食堂にいた。周りから好奇の視線が突き刺さる。そりゃそうだよ、マリア様にエレノアさん、ティアさん、レオニカさん、シルヴェルト先輩、精霊と私。すごい集団だよね。


「今日が立候補期間最終日ですからね。早くしないと立候補し損ねますよ?」


「先輩、追い打ちはやめてください」


その通り。今日は立候補期間最終日なのだ!4日間何してたか?マニ何とかをずっと考えてたんだよ。


「楓さん、気分転換に学園内にある花畑を見に行きませんか?」


「花畑が学園にあるんですか?」


「正確には花畑ではございませんわ。この学園の創立者たちのお墓ですの。お墓の方はかなり奥の方にあるので、ほとんどの生徒はその存在すら知りませんわ」


「気分転換…」


「姉様、いいんじゃありませんか?時間はないですが、焦ってもいいものは浮かんできません」


「確かにその通りか。よし!行ってみましょうか。マリア様、案内お願いします」


「承りましたわ」


そうして、私たち7人は席を立ち創立者のお墓に向かった。

しかし、気分転換に行くはずが、なぜか私の頭の中は疑問でいっぱいだった。

何故、学園内に墓があるにもかかわらず、教師たちはそれに触れないのか。

そもそも、何故学園内に墓をたてたのか。

何故、この学園は創られた?ただの育成機関にしては大きすぎる。なぜ今になってこんなことばかり考えてしまうのか。そんなことを、延々と考えているうちに目的地に着いた。


「ここが、創立者のお墓のある花畑ですわ。お墓の方は、もう少し奥ですわね」


「姉様、これは…」


「うん。すごいね。他に言葉が見つからない」


「ここにはあんまり人が来ない。だから昼寝に最適」


「ティアはここで寝ているのか。私は読書をするときに使うな」


「エレノアさん、読書するんですの?意外ですわ。私は、休日や放課後にここでお茶するのが好きですわ」


「私が本を読むのは意外か?」


「意外といえば意外」


「ですが、人には意外な一面があるものです」


「話の途中すいません。姉様、この花畑、正確にはここの下ですが、嫌な気配がします。それも、神の領域に住まう者たちと同格、もしくはそれ以上の」


「どういうことだ!?」


「静かにしてください。楓、気配を追うことはできる?」


「できます。但し姉様、相応の覚悟なく辿れば、死ぬかもしれませんよ」


「オッケー。繋いで」


「ダメですわ!」


「楓やめて!」


「楓さん!」


「やめろ!」


「楓!」


「姉様、繋ぎました。ここからは集中してください」


「今すぐ切って!」


「うるさい!心配してくれるのはいいけど、始まったんだから黙って見てて。それとも何?私が死ぬと思ってる?」


「姉様、そろそろ」


「今、私にかけるべき言葉は他にあるでしょ?」


「…楓、無事に帰ってきて」


「楓さん、帰ってきたらまた、あのお店に行きますわよ!」


「楓さん、無茶はしないでくださいね?」


「楓、また真剣勝負をしよう!」


「楓、いや柊。帰ってきたら話をしよう。大事な話だ。必ず帰ってきてくれ」


「そうでなくっちゃ!すぐに戻ってきますよ!」



皆に向けて、笑顔で返事をして、私の意識は闇にのまれた。


「姉様。大丈夫ですか?」


「今のところは問題ないよ。それより」


「はい。明確に感じます。神々が言っていた物にそっくりです」


「イリス達でも、全力で戦って勝てる確率は半分なんだよね」


「そんなものがどうしてこんなところに?」


「過去にこいつが、この世界に来たんでしょ。そして、その時の冒険者や騎士が総出で戦い、神の誰かが力を貸し、一時的に封印したと。多分この学校そのものが封印結界なんだろうね」


「ほぉう。我の近くにいてなお平静でいられるのか。珍しい人間…いや、貴様ら、神と同じ匂いがするな。そうか、はるほど。あの時もそうだったが、脆弱な生物を頼らないと何もできないのか?神々は。同じ神として笑いを禁じ得ないぞ。そして覚えておけ人間よ。我はもうじき復活する。それまでのわずかな時間を楽しむがいい!」



「っ!ハァハァ…フゥ~」


「楓!」「無事か!?」「楓さん!」「楓さん、大丈夫ですの!?」「楓!無事なのか!?」


「…皆さん…はい、私たちは何とも」


「よかったですわ」


「シルヴェルト先輩、生徒会長になったらやること、決めました。これは、やらないと大変なことになります」


「楓さんそれはどうゆう?」


「詳しい話は明日の放課後。私の部屋に来てください。学園長も一緒に」


「楓!神の領域に行くよ。いろいろと躊躇ってる余裕がなくなった」


「姉様…もしかして!?」


「そう。中途半端はやめる。資格は持ってる、だから私はその座に至る」


「それでよろしいのですか?」


「よろしくないけど、守りたいものがあるから」


「分かりました。門を開きます。向こうも事情は把握したみたいなので、すぐに取り掛かるそうです」


「対応が早くて助かるね。皆、今日はありがとう。おやすみ、また明日」


「「「楓!」」」「「楓さん!」」


当然現れた門が消え、そこには5人が残っていた。


「楓に何が…」


「楓さんは、やらないといけない、と言っていました。この学園の地下で何か良くないものを見たのかもしれません。そのために、自分の存在を昇華させに行ったのでしょう」


「昇華?」


「何ですのそれ?」


「どういうものなんだ?」


「シルヴェルト先輩、その昇華というのはもしかして、人が神に至るということか?」


「よく知っていますね、エレノアさん。そうだと思いますよ。あの時、開いた門から僕の契約英霊以上の存在を感じました。それに、楓さんが自身だけで行くようなところ、ほかに想像できません」


「楓…」


「気になるようであれば、明日の放課後、彼女の部屋に行きましょう。そこで聞けばいいんです」


「そうする」


「そうですわね」


「私たちは明日に備えて戻りましょうか」


残った五人が去った後の花畑には、無理をした笑い声が五つ響いていた。


えーと、また次回説明回です。

え?生徒会役員選挙じゃないって?この後はしっかり選挙やりますよ。文化祭も。

ほら言ってたでしょ?「残りのわずかな時間を」とか、だからまずは楽しみます。悔いのないように。

それから3章に入ります。


活動報告の方にもまた、2章スタートの挨拶を投稿しましたので、気になった方はご覧いただければと思います。 ではまた次回



10/31タイトル修正

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