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最果ては遠く 休載  作者: 鯉狐
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第十話 天藤楓の秘密3

見難いかもです。

説明を長々と書くと見づらいですね。

食事も終わり、部屋には再び静寂が訪れる。


「三つ目の話ですね。これは、楓しか知らないことです。私、正確には俺ですが、この体には神の領域に住まう者たちの血と神力が流れています。まぁ頭のまわる人なら刀の名前からなんとなく関係性くらいは想像できると思いますけど」


「確かに、何かしらのつながりがあるとは思っていたが…」


「そんなつながりがあったんですね」


「さっき、イリスが私たちの先祖って言いましたよね。天咲家はイリスの直系、そして私はイリスの直系であり、イリス本人でもあるんです。さらに言えばフェンリル、バハムート、ナズチ本人でもあります」


「すまん。言ってる意味が分からんのだが?」


「意味も何もそのままです。私…今だけ一人称変えますね。俺は柊という人間でありながら、フェンリルでもあり、バハムートでもあり、ナズチでもあり、イリスでもある。そういうことです」


「ふむ。理解しきれないからもっと詳しく」


「詳しくですか…ちょっと待ってください。楓、封爪・龍刃・鬼呪・血呪貸して」


「?何をするつもりです?」


「楓にも初めて見せる使い方」


私は目を瞑り刀の深層に意識を集中させる。


「すごい量の魔力が集まっている」


そう、ティアさんのあの魔術に匹敵する魔力が必要なのだ。そんな魔力をどうするのか、それは


「開け神門。繋がれ界。我は神に連なるもの」


詠唱といえるかわからないそれ。それが唱えられると、部屋に四つのシルエットが浮かんだ。

シルエットの正体は


「「「「呼ぶなら昼間にしてくれませんかね!?」」」」


口をそろえて言葉を発した。


「昼間は昼間で、めんどいとか忙しいとか言うくせに」


「楓さん、もしかして」


「あ、はい。予想は出来てると思いますが、フェンリル、バハムート、ナズチ、イリスの二匹と二人です」


「おい!人型なんだから匹で数えるなよ!?」


「フェンリルの言う通り!というか、神なんだから柱とか他にも選択肢はあったろ!?」


「うるさいな~ふた、二匹は」


「「なんで言い直した!?」」


「二人とも諦める。反応すればするほどいじられる」


「ナズチが正論。二人は弄り甲斐があるんだよ。柊にとっては」


神が現れたと思ったらいきなり漫才を始めるんだ、四人はまたしても固まっていた。


「あ、用件済まさないと」


「そうだ。今日は何ようだ?」


「簡単な話、ここの四人に私の出自を話していいか聞きたくて」


「俺は構わん」


「柊が話したいなら好きにするといい」


「俺も構わん」


「いいんじゃない?柊がそれでいいと思ったなら」


上からフェンリル、ナズチ、バハムート、イリスの反応だ。


「ありがと。それじゃ切るね」


「ちょ!柊!?それは」


イリスが何か言いかけたが、その声は最後まで聞かれることなく消えた。


「許可貰ったんで続けますね」


「あの流れから普通に話すのじゃな」


「時間がもったいないですから。ええと、どこから話すべきか…」


この話は少しばかり複雑だ。話すにしても、順序を間違えると再度説明する手間がかかる。時間の関係上、それは勘弁してほしい。簡単に説明できる順番…よし


「知ってはいると思いますが、神は複数存在します。この世界はその複数の神によって管理されています。管理といっても、特別何かをしてるわけではないですが、その管理も完璧ではないのです。世界で生きる全ての者の、ある程度の行動は観測できます。でも、そこまでなんです。もし、何か問題が起きたときに対応できないんです。これに危機感を覚えた神は、世界に使徒を送ることを決めました。ですが、どの神も使徒を送ろうとしません。使徒を作り送るのには、自分の力を大きく失うことになる、という制約があるからです。

どいつもこいつもくだらないものにこだわるんです。呆れますね。そこで名乗りを上げたのが、さっきの四人です。四人は一から使徒を作るのではなく、この世界の赤子に力を授け、使徒としました。この赤子が俺ですね。そして、この力を自覚したのは天咲家の養子になる一年前です。天咲家に引き取られてからは、力を自分のものにするための鍛錬を続け、最近になってこの世界を知るために、最果てを目指して家を出てきました。と、以上になります」


いくつかの事実を私は話していない。こればかりは今話すことではないから。それでも、今話せることは全て話した。それに対して一番に反応したのは


「何故、柊君が神に選ばれたのか、理由を聞いても?」


学園長だ。やはりそこは気になるようだ。説明が嫌なわけではない。ただ、


「聞いても謝罪や同情、後悔もしないでくださいね?」


「わかった」「僕も大丈夫です」「楓教えて」「私も最後まで聞こう」


全員が了承したならばためらう必要もない。


「俺の本当の父は帝国の次期皇帝、になるはずでした。ですが、多くの家臣と意見が合わなかった。その結果、謀反が起き父は追われる身に。逃亡の最中に、森で魔物に襲われる女性を目撃。自分の状況を忘れ、女性を助けていました。その女性が後に俺の母親になる女性です。助けてくれたお礼がしたいということで、彼女の住む村に行くことに。早く逃亡を続けなければいけなかったのに、何故か、父は村によることにしたのです。その村で父は、何故か事情を説明しました。本当に無意識のうちに、もしかしたら、捕まるのかもしれないのに。ですが、村人たちは父を受け入れました。そこから一年は追手も来ることなく、父と母は関係を深め、私を身籠り平和に生活していました。しかし、状況が変わったのです。父を殺すことができず苛立っていた新皇帝が、父の首に懸賞金を掛けたんです。莫大な金が手に入るとなれば、多くの市民が捜索を始めました。そして村人の中にもお金に目が眩んだ人が現れ、父は村を離れました。それからしばらくして私は生まれました。ですが、生まれてすぐに私と母は二度と会うことができなくなりました」


そこで私は一度話を区切る。自分でもこのことはまだ整理しきれていない。


「続けますね。母の身に何があったか、それは、父を匿っていた村として、村人全員が処刑されることになりました。せめて私だけは助かるようにと、母は友人に私を孤児院の前に置くようにと頼みました。その方は母の身を聞き入れてくれました。その方はその後、病で亡くなったと聞いています。私がこのことを知ったのは、最近になってです。イリス達が教えてくれました。教えてくれてありがとう。でも、見ていたのなら助けてくれてもよかったのに、そう思いました。思いましたけど、彼女らにも制約がありました。それを知ると怒るに怒れないんです。私が使徒の器に選ばれたのは、イリス達なりの贖罪なのかもしれません。聞いても答えてくれませんけど、そういうことなんだと思います。とまぁこんなところです」


話が終わってもだれも口を開こうとしなかった。自分の秘密を打ち明けるつもりだったのは事実だが、ここまで話すつもりはなかった。何故、ここまで話したのか自分でもわからない。この重い空気の中、静かで、何かをこらえているような声が響いた。


「楓、あなたの母の名は伊織。違う?」


「ティアさん何故その名前を」


「伊織は私の母の友人。そう日記に書いてあった」


「そう、でしたか…不思議な縁もあるものですね」


「なんで、私の母が帝国貴族の席を捨ててでもこの国に来た理由が分かった。そんなことがあれば、嫌になる。楓、ありがとう。話してくれて。私もすっきりした」


「そうじゃった、先に言わなければいけなかった。楓さん、話してくれてありがとう。君のことが知れてよかった」


「学園長の言う通りですね。ありがとうございます、楓さん」


「三人に先を越されてしまったな。同じことになるが、ありがとう楓」


「…私は、出会いに恵まれていますね。一度にたくさんの素敵な人に出会えたんですから」


無理やり笑ったが、あふれ出す感情は止められない。楓やエレノアさん、ティアさん、シルヴェルト先輩、学園長に見守られながら私は、俺は、涙が枯れるまで泣き続けた。




「お恥ずかしいところをお見せしました」


どれだけ泣いていただろう。目じりを赤くしながら、私は皆に向き直る。


「恥ずかしいことなんてない」


「そうですね。泣きたいときは好きなだけ泣いていいんです。我慢する方が良くないです」


「その感情は人が持っていて当たり前の物。恥ずかしがるな」


「いや、そうかもしれんが三人とも、彼女いや彼が言いたいのはそうじゃなく」


「「「あ」」」


「ははは。学園長も言わなくてよかったのに」


そう、私は泣いていること自体は恥ずかしくない。けど、俺は男なのだ。女の子の前で泣きじゃくるのはさすがに恥ずかしい。


「姉様。いい時間ですし、この辺でお開きにしませんか?もし話したいことがあるなら明日にしませんか?」


「あぁほんとだ。今日はこれで終わりにしましょう。何かあればまた明日で」


「話はないですが、明日時間をもらえますか?」


「いいですけど、どうしたんですか先輩?」


「いえ、せっかくですから王都を案内して、さらに中を深めようかな?と思いまして」


「「先輩」」「オーデン」


「「「惚れた?」」」


「なぜそうなったのか分からないのですが、大切な後輩です。仲良くしたいと思うのは自然では?それに、彼は男です。楽しい話もできそうじゃないですか」


「「「なるほど」」」


「そういうことなら!」


「二人だけはずるい。私も行く」


「ティアが行くなら私もいきます!」


「じゃあ儂も~」


「「「「学園長は仕事があるでしょう」」」」


「うわーん!孫と生徒が辛辣じゃー!」

まだ、たいして回を重ねてませんが、矛盾がないように読み返して、矛盾があれば話を修正したり、逆に今後の展開考えてキャラの設定かえたり、大変ですね!w


でも楽しいです!自己満足の作品ですがこれからもお願いします!


あ、この後王都散策したら二章に入ろうと思います。

一章では武闘祭でしたので二章は…何になるでしょうか?

ヒントは学園運営組織です。あ、これほとんど答えですね。運営組織とは言いますが行事なんかを取り仕切るだけです


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