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最果ては遠く 休載  作者: 鯉狐
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第六話 第82回武闘祭決勝戦開幕

長くなりました。

区切りのいいとこを探しながら作業してたらこうなりました。



朝、目が覚め朝食を終えた私たちは、闘技場へ向けて歩いていた。


「昨日も聞いたけど調子はどう?」


「私は大丈夫ですが、姉様は大丈夫なんですか?いろんな意味で」


「あんまり思い出させないで…」


昨日の夜、散歩をしていたら教室の方が騒がしかったので向かうことにした。

着いて見た光景は、生徒による乱闘だった。そこまで激しいものではなかったが、もう少しで怪我人が出ていたかもしれない。その乱闘を私が止めたのだが、なぜか女子からは「お姉様!」と呼ばれ、男子に至っては「やっぱり楓ちゃんは最高だ!楓ちゃん派万歳!」「楓ちゃん派万歳!万歳!」とか叫び始めた。その後、駆け付けた教師に後をお願いしたのだが…教師も楓ちゃん派に所属、その教師の提案で女子は「楓お姉様」、男子は「楓ちゃん」呼びが義務づけられた。そのため


「楓お姉様、おはようございます!」「楓ちゃん!おはよう!」


なんて声をかけられている。なんでそのことを知っているかというと、今朝シルヴェルト先輩が教えてくれたのだ。知りたくなかった!


「目立つことは覚悟してたけど、これはちょっと。それに私、ほんとは…」


「あの、楓さん!」


昨夜のことを思い出して落ち込んでいると、不意に声がかけられた。


「ん?君はエルロ君?何か用?」


微笑みながらそう問う。


「あ、はい。えっと、その…決勝戦応援してます!頑張ってください」


「ありがとう。私頑張るね」


「~~自分はこれで!失礼しました!」


彼は顔を赤くしながら走り去っていった。ただ微笑んだだけなのに


「趣味が悪いですよ、姉様」


「あはは~。あれ?あそこにいるのはエレノアさんとティアさんだ。何を話してるんだろ」



「ティアさん、今日はよろしくお願いします」


「こちらこそ。エレノア」


「いきなり提案なんですが、協力して楓さんを倒しませんか?」


「本当にいきなり。…受けてもいいけど、私に申し込む理由が知りたい」


「理由は、魔術師の貴方と剣士である彼女の相性が悪いからです。それに彼女の力は未知数です。なら、協力して対応する方がよくありませんか?」


「それは分かった。でも倒した後はどうするの?私はあなたと戦っても不利」


「私の対策など既にできているのによく言う」


「わかった。その話受ける。けど試合の前に」


そう言って、後ろを指さす


「ん?」


「エレノアさん、ティアさん、おはようございます。今日はお願いしますね」


「よろしく」「ああ楓さん。よろしく」


「お二人は何を話していたのですか?」


「「二人だけの秘密」」


お互いを見あってから、口をそろえて言う。

何かあるとしか思えないが、追及しても答えてくれそうにない。そんなことより


「よろしければ、自己紹介しませんか?私ティアさんのこと知らないので」


「わかった。名前はティア。家名は理由があって言えない。魔術棟序列外。得意魔術は広範囲殲滅系。趣味は読書。学園卒業後は冒険者にでもなろうと思ってる」


「次は私だな。エレノア=ヴァン=ルーフェルト。今は家出中でな。戦闘スタイルは、この四本の剣を状況に応じて切り替えながらたたかう。魔術は身体強化系と炎が使えるくらいだ。卒業後は私も冒険者志望だな」


「最後は私ですね。天藤楓といいます。戦闘スタイルは刀を状況に応じながら変えて戦う二刀流です。魔術は一通り使えますが平均くらいです。卒業後のことはまだ考えてません」


「姉様、私の紹介は?」


「忘れてた。この子は私の使う刀の精霊です」


「名はないのか?」


「それはお答えできません。話が難しくなるので」


「事情があるなら聞きはしない」


「一ついい?」


「答えられる範囲でなら」


「鬼呪・ナズチは鬼神関係であってる?」


「隠していたかったですけど、確信があるみたいですね。あっていますよ」


「ん。それが分かればいい」


「なら、そろそろ会場に向かいましょうか」


「ああ」「わかった」


「楓、決勝戦嫌な予感がする。全力戦闘で行くよ」


「了解です」


私たちが小声で話してるとき、後ろの二人も何か話していた。何かあると考えた方がいいだろう。




所変わって会場


「さぁまもなく第82回武闘祭決勝戦が始まります!では、開始前に各選手をおさらいしましょう。

一人目!予選から怒涛の活躍!総合戦術棟序列5位と騎士棟序列1位を押しのけて、いち早く決勝にコマを進めた謎の編入生。天藤楓!」


「彼女は謎であふれておる。その刀もさることながら、彼女の素性も謎に包まれている。いったい何者なんじゃ?」


「そして二人目!総合戦術棟序1位にして、去年の武闘祭優勝者!変幻自在の剣術で相手を斬り裂く!エレノア=ヴァン=ルーフェルト!」


「二年連続優勝に期待じゃな」


「最後の三人目!今年の武闘祭でいきなりの活躍!なぜ去年まで無名だったのかわからない!天才魔術師ティア!」


「近接戦闘を主とする二人とは相性が悪いと思うが頑張ってくれると思っているぞ」


「以上の三名となります。そして、客席をご覧ください。エレノアさん派、ティアちゃん派、楓ちゃん派と分かれています!あ、各派閥の名称が分かるのは横断幕があるからです」


「確か、マリア様派があったから四大派閥になったわけじゃな。儂は楓ちゃん派かのう~」


「誰かの派閥に入るのはまずいのでは?学園長として」


「…なら、ただの爺としてはいるかのう~」


「学園長、それまでにした方がいいですよ」


「む?オーデンか。今日は解説の手伝いだったか?」


「はい。それとまもなく時間ですよ」


「ほんとじゃな。では、選手入場といくか!」


わああああああああ!!!!!!

客席の歓声にこたえるように三人が舞台に上がる。


「時間制限なし。審判が続行不可と判断するまで戦いは終わりません!一応リタイアもあります。学園長、開始の合図を」


「うむ。これより第82回武闘祭決勝戦を開始する!始め!」


わああああああああ!!!!再び客席から大きな歓声が飛ぶ。


「楓行くよ!封爪抜刀一ノ型疾風迅雷!ケルビム納刀一ノ型金剛衝!」


「行きます!エレク!リヴィア!」


「詠唱省略簡易魔術レア・ラガ」


エレノアさんと鍔迫り合いになった私にのみ魔術が飛来する


「三者激突!!」


「学園長、これは」


「オーデンも気付いたか」


「はい。エレノアさんとティアさんが共闘の形をとりましたね」


「なんと!?今回の決勝は2対1という状況からのスタートだ!」


「共闘なんていいのか!?」「ルールには定められてないからいいんじゃないか?」「だが…

」「でも…」客席では現状についての論争が始まっていた。その間も楓は二人からの攻撃を捌いていた。不利を悟った楓は飛来する魔法を地面に向けて流した。


そして、土煙に紛れながら楓は覚悟を決めた


「これやばいな~。楓本気戦闘」


「よろしいのですね?」


「隠したまま勝てるならいいけど、それは無理でしょ。だったら!」


「分かりました。では姉様、刀をお返ししますね」


「ありがとう楓。行こうか皆!」



「気配が変わった。エレノア」


「楓の本気といったところか?」


「さっきまでと比較にならないほどの気配。刀に何かしたかも」





「なぜ二人は追撃しないのでしょうか?」


「正確な位置が分からない相手への追撃は危険というのと、気配が変ったことじゃろうな」


「楓さんの気配が一段と強くなりました。それと同時に、ものすごい圧を感じます。私の契約している英霊が、最大級の警告を発するほどに」


「いったいどれほどの…」


闘技場にいるすべての人が見守る中土煙が晴れる。


「見えたぞ!」


「!彼女の腰を見ろ!」


「刀が…6本!?」



「なるほど。エレノアさんが四本を切り替えるように、楓さんも6本を切り替えておったんじゃな」


「6本を…」


「それにしても、彼女の刀や抜刀術どこかで…」




「エレノアさん、ティアさん。お二人が共闘するのは分かりました。だから私も全力で行きます。精霊刀楓、封爪/グレイプニル、龍刃・帝王、鬼呪・ナズチ、血呪・眷刀、ケルビム。

精霊、狼皇、龍帝、鬼神、吸血鬼の始祖、智天使、それぞれの力を刀にしたものです。覚悟してください」



「学園長、彼女はほんとに何者ですか!?神の領域に住まう者の名ばかり出てきましたよ!?」


「ははっ。儂にもわからん。ひとつわかることは、彼女の力は国を滅ぼしかねない、ということじゃ」




「行きます!封爪二ノ型殺羅!龍刃一ノ型炎・フレアレガリタ!鬼呪・ナズチ抜刀三ノ型不動一閃!ケルビム抜刀一ノ型二番霹靂!」


「防御魔術フォートレススタンス!」「リヴィア水障!トゥルム風壁!」


エレノアとティアの前に三枚の障壁が現れる。楓の放った技は障壁を打ち破り消滅した。

しかし、


「封爪三ノ型爪刃・千閃!龍刃二ノ型炎雷・一刃千閃!鬼呪・ナズチ抜刀六ノ型悪鬼羅刹!」


「っ!ディフェンスポイント!ロック、スタンス!」「くっ!プロクス!エレク!炎雷招来!」



「楓選手!怒涛の攻撃!四本の刀を瞬時に切り替えて技を繰り出す!これには二人も防戦せざるを得ない!」



「エレノアなんとかして」


「無茶言わないでくれ!あれに無策で飛び込むのは自殺行為だ!」


「しかたない。持続効果のある回復術式をかける。だから行って」


「鬼畜か!?だけどわかった。行くぞ!」


「継続魔術キュア・ロア」


「回復?させるわけないでしょ!血呪・眷刀抜刀二ノ型レフェクト・ディスペル!」


「っ!エレノア下がって!持続魔術を消された!」


「遅い!鬼呪・ナズチ抜刀零ノ型不動招来金剛槌!」


「グッ!キャァー!」


「エレノア!」



「楓選手の一撃がエレノア選手に直撃!」


「やはり、あの刀の切り替え速度は異常ですね」


「あれをどうにかしないと勝つのは厳しそうじゃ」



「エレノア!しっかり!」


「くっ、私は大丈夫だ。しかし、まずいな。私に次はないぞ」


「…私の全力で仕留めに行く。合わせて」


「合わせるのはいいが、すぐ仕掛けるのか?」


「準備に時間がかかる。時間稼いで」


「全力の一撃を叩き込むために加減しながら、全力の彼女を抑えろと。無茶なことを言ってくれる」


「できないの?」


「そう言われたらやるしかないな!」


「作戦会議は終わった?」


「ああ!」「全力で行きます!」


「詠唱開始!我、人の領域を逸脱した者なり!」


「ティアさんの準備ができるまで、お付き合い願います!」


二人の武器が交錯する瞬間に見た彼女は、楓のある技を模倣していた。


「見ただけで原理を理解したんですか!?しかもいきなり成功させるとか天才ですか!?」


疾風迅雷、電気を体に流し、脳からの指令を素早く伝えることにより反応速度が上昇。さらに風を膜のように纏い空気抵抗を抑え、自身を押し出す力にする。楓がいるから私は出来ているが、自分一人で制御するのは難しい。それを、彼女はやってのけた。天才としか言いようがない。

何かを狙っているからか一撃離脱を心掛けるエレノアさん。しかし、ティアさんの方へ行こうとすれば、重い一撃を以て肉薄してくる。

ティアさんの方に行きたいのは、さっきからティアさんのもとにすごい魔力が集まってる。これを無視するのはまずい。妨害したいけど、エレノアさんがうまく付いてくるからそれも難しい。即席のはずなのに、しっかり連携が取れてる。

対処に悩んでいた時、闘技場に声が響いた。


「集う星よ流れ撃て。我が敵を撃て撃て討て討て!エレノア!」


ティアの呼びかけに即座に反応し距離を取るエレノア。それと入れ替わるように、ティアの魔術が飛来する!


「装填!メテオバレット!撃て!ドラゴディザスター!!」


キャラ原案者と意見出しながら書いたのですが、説明がへたくそですね。

作家の大変さを今、この身を以て実感しています。

それと、感想に女装系主人公に関しての質問があったので、それに応えるべく各キャラの容姿説明回を、武闘祭終了後に出します。今月中には出しますのでお待ちいただければと


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