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ある異世界転移者の苦労の話。  作者: プロフェッショナル素人
6/10

6話 潜伏と盗聴

あらすじ

このガチャの排出率、おかしくね?

いや、きっと良い物が出る筈だ!

···知ってた。



···はぁ、とりあえず引いてみるか。


落ち込んでいても何も進まないので、気持ちを切り替え『☀サマーバケーションガチャ☀』を引くことにした。


メニュー画面のガチャの画面から期間限定の欄の『☀サマーバケ(略』をタッチする。


すると、画面にビーチと思わしき海と五つのスイカが現れ、中心に『画面をタップ』と表示された。


表示されている通りにタップするとスイカが海に投げ込まれ、数秒後に10個のカプセルが排出された。


装備ガチャの時は虹石を泉に投げ込む演出だったが、サマーバケーションガチャは違うんだな。


もしかしたら期間限定の奴は演出が全部違うのかもしれない。


さて、何が出たかな?

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

N 木の棒

N スイカ

N かき氷

N サングラス

R クーラーボックス

N 蚊取り線香

N 風鈴

N ラムネ

PR スキル 虫除け:E

N ラムネ

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

···うーん。


案の定微妙だな。


とりあえず詳細。

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

PR

スキル 虫除け:E Eランク以下の虫系モンスターが近寄らなくなる。


R

クーラーボックス 保冷に適した持ち運びしやすい箱。


N

木の棒 夏仕様になっており、スイカ割りに特化している。

スイカ みずみずしくて美味しいスイカ。

かき氷 氷を細かく砕き、シロップで味付けしたもの。色はランダム。

ラムネ 炭酸飲料。甘くて美味しい。

サングラス 夏の日差しから目を守ってくれる素敵なアイテム。

蚊取り線香 とある世界の虫を殺す道具。この世界の虫には全く効かない。

風鈴 風を受けることで涼しげな音を奏でる。それ以外に特に効果はない

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

あんまり実用性のある物は無さそうだな。


クーラーボックスなんて使ってたら明らかに浮くだろ。


蚊取り線香とか風鈴に至っては特に効果が無いし。


強いて言うなら虫除けのスキルは若干役に立つかも知れない。


俺、虫苦手だし。


あと、かき氷とラムネは普通に好き。



初のガチャ結果は微妙だったが、別に良い。


憧れだった異世界転移を果たしたんだし、何もガチャに全部かけて生きていくわけでは無いからな。


メニューで確認できることは後は無いだろうし、そろそろどこかの街にでも行ってみるとするか。


そう思い、俺が椅子を立とうとすると外から何やら物音が聞こえてきた。


不味いな。


俺は正直初対面の人と何の心の準備もできていない状態で話が出来るほどコミュニケーション能力はないんだよな。


···そうだ!


[潜伏]と[追跡]を使えば話さずに街まで行けるかも知れない。


そうと決まれば早速、[潜伏]!


その直後、扉が開き、数人の男女が中に入ってきた。


「あー!疲れたー!」


「ちょっとカレン。うるさいわよ。」


「まぁまぁ、今回のクエストではカレンが活躍したんですから、多目に見てあげてください。」


「うむ。確かにカレンの剣技は見事だったな。」


「···確かに。」



···。


よかった。


どうやら気づかれてはいないようだ。


とは言え、何かの拍子にぶつかって潜伏が解けたりしたらまずいからな。


とりあえず部屋の隅の方で話の盗み聞きでもしてよう。



しばらく話を聞いていてわかった事がいくつかある。


彼らが冒険者という職業であること。


今回は変異種した魔物の討伐クエストを受けてこの森に来たこと。


それがつい先程完了し、ここで一晩休んでから街に帰ること。


変異種、とかよく分からない用語が出てきたりもしたが、明日には俺も街に行けそうだと言うのがわかったし良いか。


あと、冒険者。


これについて知れたのは嬉しい。


どうやら話を聞く分にはラノベでよくある物と認識して良いみたいだ。


簡単に言えば、魔物を倒したり薬草を取ったりしてお金を稼ぐ仕事だ。


で、どうやらこの小屋は冒険者が数日かけてクエストをこなす際に泊まったり、休憩したりするための場所らしい。


それから、入ってきた冒険者の人たちの名前とかがわかった。


·開口一番に疲れたと口にしていた女性のがカレンさん。


剣に炎を纏わせて戦う魔法剣士で、この五人の中では一番の高火力らしい。


·カレンさんにうるさいと突っ込みをいれた女性がリーノさん。


背中に大きな弓を背負っているので、弓使いだろう。


·リーノさんをなだめていた男がアルトさん。


眼鏡をかけた優男的な雰囲気が漂う人だが、ただならぬ気配を感じる気がする。


何の武器を使ってるのかはわからなかった。


·カレンさんの剣技を誉めたのがゴリノさん。


その名前通りゴリラのようなガタイをしている。


背中に大きな剣を背負っているので、この五人の中では盾役(タンク)なのだろう。


·ゴリノさんに肯定していた女性がマナさん。


何やら深めにフードを被っており、顔はうまく見えない。


杖や何やら奇っ怪な文字や模様の書かれた本を持っている事から、魔法に特化していると考えられる



こうみてみると、前衛二人に後衛二人と役職不明が一人。


アルトさんが前衛なのか後衛なのかは分からないが、どっちにしろバランスは良いのではないだろうか。


俺も冒険者になったらバランスの良いパーティを組みたいな。


いや、待てよ?


そもそも俺は前衛と後衛、どっちなんだ?


俺にできるのは逃げる、追う、探す、隠れる、見るだけだ。


戦うためのスキルの一つも持っていない俺とパーティを組んでくれる人なんているのだろうか。


···。


まぁ、どうにでもなるだろう。


俺にはランクSのスキルが5個もあるのだから、きっと引く手数多だろう。


とりあえず今日は休んで、明日に備えよう。

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