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31話:義理の父の交通事故死

 安田武夫の奥さんの清水律子さんの実家の清水家では、既に10年前に、

子供向けのお菓子や雑誌、漫画、文房具、生活用品を売っていた清水商店を

閉めて、アパート経営をしていた。月5万円の広めの1ルーム、3階建ての

マンションで21室を学生、若い人向けに、1~2階は男性、3階は女性専用

で、3階に上がる階段に施錠したドアを設けて、鍵がないとあかないように

なっていた。


 21台分の自転車置き場も用意していた。価格が安くて、橫浜市営地下鉄と

東急田園都市線と橫浜市営地下鉄の駅まで徒歩10分で行けるので、空き室で

困ることはほとんどなかった。そして、夏が来て、秋になり、師走を迎えて

、道路が混み始めた12月26日に国道246号線で、居眠り運転の大型トラック

がブレーキをかけずに渋滞で止まっていた車に、激しく追突して、追突した

一部の車が燃え上がり、数台が燃えてしまい、死者が10人の大惨事となった。


 ちょうどその時、運悪く、清水律子さんお父さんの清水郁夫さんが運転して

いた軽度トラックが巻き込まれ、帰らぬ人となった。その一方が、午後5時に、

M物産で働いていた清水律子さんの元に入った。慌てて、早退して、彼女の母

、清水峰子いる清水家に帰った。


 旦那さんの安田武夫にも連絡し、既に、清水家に来ていた。安田武夫が、

奥さんの律子さんに言われて、警察で詳しい状況を聞いてきて欲しいと言われ

、警察に電話して、担当の緑山警察署へ駆けつけると、清水郁夫さんは、首の骨

を折って、即死だったようだ、幸い、火事に巻き込まれる前に、外に運び出され

たようだ。


 その話を清水家に電話すると、遺体に会いたいと、義理の母の清水峰子さんが

言ったので、清水家に戻り、2人をのせて、その警察署に連れて行った。

 すると、警察署の方に身分証明書の提示を求められ見せ清水郁夫さんの遺体の

顔にかかった白い布をめくって、見せてくれたが、大きな損傷もなく普段通りの

顔だった。


 そして、遺体の引き取りの話を安田武夫がすると、明日の午前10時以降なら

結構ですよと言われて、来ることを告げた。清水家に帰り、安田武夫が、今年

1月に父の葬儀で世話になった伊東葬儀社に電話をして、明日、緑山警察署へ

遺体を引き取りに言って欲しいと言い、葬儀の事で、相談したいので安田家に

来て欲しいと言った。


 すると、葬儀社の人が、今すぐ、言っても構わないですかというので、

奥さんに聞くと、来てと言われ、来てもらうことにした。安田が2人をのせて

、安田家に着くと、程なくして、伊東葬儀社の人2人が来て、喪主になる、

清水峰子さんと打ち合わせて、葬儀の種類と費用を決めた。


 もう1人の葬儀社の社員が、横浜北部斎場に電話を入れて、最短で、いつ

空いてるかを聞くと8日後と言われて、1月4日、朝10時から葬儀と決まった。

清水家も安田家も菩提寺が同じだった。そして、事務手続きが。一通り、終わると

、清水峰子さんが、急に、泣き出してしまった。娘の清水律子さんが抱きしめて

、気を落とさないでと言い続けた。やがて悲しみのうちに2004年が終わりを

告げ、2005年を迎えた。

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