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2話:NEC Bit-INN秋葉原、TK80

1973年4月にNECに入社し、土曜日午後に国会図書館へ行き、米国の文献を

調べていると1972年にアラン・ケイがエーシエム ナショナル カンファ

レンスで発表した"ア パーソナル コンピューター フォー チルドレン

オブ オール エイジ"の中で使用された。


ここでは

「個人のための理想のコンピュータ」という意味であり、それを

「ダイナブック」と命名した。最初のパーソナルコンピュータとされる事が多い

アルタイラ8800が1974年の末に生まれる。完成させると

「箱にランプとスイッチ」というミニコンスタイルのコンピュータが

できあがるキットはそれ以前からあったにはあったが、アルタラが初の安価なヒット

製品であった。


 それ以降2~3年ほどの間でアップル1のようにCRT、ディスプレイや

キーボードを接続するよう設計されているものなど、入出力が工夫された多数の

マイコンキットが現れた。安田武夫は入社後、1976年8月3日、日本電気

は「TK80」を発売した。それは、マイクロコンピュータ・マイコンの拡販を

目的として、マイコンのことを理解してもらうための「トレーニングキット」

だった。サイケデリックな箱の中身はインテル社の8ビットマイコンi8080

と互換性のある μPD8080Aをはじめ、入力用のキーボード、表示装置など

のほかに、組立て用の工具まで入っており、ハンダ付けなどの組立てをユーザー

自身でできるようになっていた。


 そして、もう一つ、完全な回路図が添付されていた。マイコン販売部は半導体

部門に属しており「部品屋」が組立品を作ることはタブーとされていた。いわば

社内ベンチャーとしてスタートし、部長の渡辺和也や部下の後藤富雄らの苦労と

アイデアの結果生まれたこの「TK-80」は、渡辺らの予想を越えた好評を

博した。1976年に開設した秋葉原のサービスセンター「Bit-INN(ビットイン)

には、エンジニアだけでなく学生,教授,医師などいろいろな人々が詰めかけた。


 彼らのフレッシュなレスポンスが、やがて「PC8001」を生んだ。その後、

NECで働き、地道に、お金を貯めていた。そして1976年8月3日に発売

されたばかりの日本初のパソコンTK80・トレーニングキット80を注文して

10月に値引き後8万円で購入した。この機械はマイクロコンピューター・

システム開発のためのトレーニングキットで高価な端末装置を必要としない

という点が当時のアマチュアの目に留まりTK-80は本来の意図とは異なり

相当数がコンピュータマニアに購入されることになった。


 そして最初はTK80を更に高度にした新製品の開発のグループに配属されて

夜遅くまで議論したりして2年後の1979年9月に日本初のパーソナル

コンピューター

「当時はマニアの中でマイコンと呼ばれていた」PC8001を新発売し、

秋葉原駅前のラジオ会館7階に、マイクロコンピュータの普及の拠点として

NECビット・インが開設され、マイコンに関する、あらゆる情報の拠点

として、情報を発信したりしていた。


 逆に、マニアが集い、いろんな、利用法、ユーザー情報が集められて、マニア

の交流の場ともなった。PC8001は日本で1979年5月9日に発表され

、9月20日に出荷が開始された。9月28日がパソコン記念日。しかしパソコン

の日としてこの機種の発売日を根拠とした日付として語られることが多いが、

記念日の名称すら諸説あり、NECの公式な見解は1979年9月となっている。

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