第7話 シャドーピッチング
「まぁとりあえずなか入ってよ」
大河は小さな声で
「ホントにホントに大丈夫殺されない?」
「大丈夫だから」
「だってめっちゃ怖い顔でこっちみてるよ」
「お父さんあっちいってて」
「でも」
「今すぐあっち行かなかったら一生口聞かないよ」
「そんなぁー」
お父さんは素直に下に降りていった。
「では改めてお入りください」
「すみません失礼しまーす」
おーこれが女の子の部屋か
「なに緊張してんのよほら座った座った」
「緊張なんかしてねぇよ」
無理にきまってんだろ俺初めてなんだぞ女の子の部屋入るの
「ふふふまぁいいやミットの型やろうよ」
「しようがねぇなぁやってやるから貸せよ」
「あっありがとう」
大河は虎子のミットをいじり始めた。
「やっとミットを使えた感想は?」
「ミットを使えたってよりボールを初めて握って投げてみてただけだからねぇ」
「そうだったなぁミット全然使わないでただ投げ方を身に付けようとしてただけだもんなぁ。はははーのは」
「なによその笑いかたお父さん呼ぶよ」
「すみませんでしたそれだけは勘弁してください」
大河は急いで両手をついた。
「嘘よ冗談よ」
「冗談きついぜ」
虎子は笑っていた。
「おっミットうまい感じにできたぜ。」
「どれどれかして」
「あんま変化を感じないと思うけど少しだけ柔らかくなったかな」
「どれどれあっあんまわかんないね」
「まぁこれから徐々に作っていけばいいから今のみてたろ明日から自分でやれよ」
「いやぁこれからずっとうち来てよ。」
「嫌だよお前のお父さん怖いし」
「お願いミットの手入れしながら色々教えてよねぇねぇ」
虎子は大河の両手を持ってお願いした。
こっこいつやっぱり美人だなぁ
「まぁ考えとくよ」
「ありがとう」
「ありがとうってまだ考えとくって言っただけだよ」
「いやぁ大河は絶対やってくれるから」
「かっかてにしろ」
大河は照れながら言った。
「そうだぁお前投げ方の部屋でもできる練習教えてやるよ」
「えっほんと教えて教えて」
「タオルあるか?」
「あるよあるある」
「まずはこのタオルの先を丸く結んで結んでないほうを持ってボールを投げるように腕をふる」
ビシュー
「おー凄い」
「まーシャドーピッチングってやつなんだけどねでもこれプロ野球のピッチャーもフォームを確認するときやるんだよ」
「そうなの!プロの人でもやるんだぁ」
「まずはこれをやってフォームを固めよう」
「うん。じゃあやってみるよ」
フワァパサ
「あー手放しちゃだめだよ」
「ごめんごめんつい」
大河は飛んでいったタオルを拾いにいって渡した。
「もう一回やってみ」
「行くよー」
シューんパン
今腕はしっかり触れてたけど投げるなよ
「ごめんごめんついね」
大河はタオルを取りに行って虎子に渡そうとしたとき
ドーン
「おーい虎子とくそガキコーヒー」
ガチャ
「あっ」
「おい貴様何をやっておる」
「いやこれは事故で」
「お父さんこれはホントに事故なんだよ」
「貴様俺の娘をよくも」
「すみませんすみません」
「この野郎ー」
「ギャー」
あーあまた可哀想な目に合う大河であった。