第4話虎子頑張るもん
いやぁこのミットやっぱりいいなぁ
虎子はミットにうっとりしながらグローブを机の上で眺めていた。
「おはよう虎子」
「おはよー羊子」
「うわぁかっこいいね虎子のグローブ」
「あっありがとう」
「ねぇみんな虎子のグローブかっこいいよ」
女子が2、3人虎子の机に来た。
「ほんとだぁかっこいい」
がらがら
「おいどうしたんだ虎子の机人が集まってるけど」
「何かグローブ買ったらしくて騒いでる。」
「あっなるほどな。」
「大河は見に行かないの?」
「俺もうしってるから」
「何で?」
「この前さぁ俺がさぁスポーツショップいってたらさぁ虎子と虎子の親父来ちゃって虎子の親父に脅されてグローブ選ぶの手伝ったんだよ」
「うわぁ大変だったね」
「虎子の親父っておっかないなぁ」
「そんなのも知らなかったの大河アホやなぁ」
「何でアホなんだよ」
「あの親父熱狂的な虎ファンじゃん」
「あーそうだったなぁ」
「自分の娘にもその名前をつける時点でヤバいだろ。」
「確かに言われてみれば」
「大河ー」
「なんだよ虎子」
「この前はありがとう」
「あーまぁな」
「それで今日グローブの手入れ手伝いに家に来てよ。」
「まじで俺行くの?」
「うんだって私じゃわからないからお願い」
虎子は両手を合わせ頼んだ。
「お父さん今日家にいる?」
「お父さん何で?」
「やっぱりいいやとりあえずいくよ」
「ありがとう」
「やっさしい大河くん」
「仕方ねぇだろあいつの親父怖いんだから。」
あー早く部活にならないかなぁ楽しみだなぁキャプテンみたいにバシーンバシーンといい音たてて捕るんだから。
この日の虎子は珍しく授業に集中しなかったのであった。
そして部活の時間になった。
「あんたなんだかんだ毎回練習見に来るんだね」
「いやぁどうせすぐやめるだろうけど何か俺のせいでこうなったから見届けてやらなきゃと思って」
「どうせすぐやめるってどういう事」
「すみません」
俺の周り恐ろしい奴しかいないなぁ
「まぁあんたの事少し見直したけどね」
羊子はほほえみながら言った。
「やっぱりまぁ俺ってたいしたもんだからなぁ」
「やっぱり撤回するわさっきの言葉」
「撤回すんなよ」
「こんにちはキャプテン」
「おっ元気だな虎子」
「見てくださいミット買ったんですよ」
「おーかっこいいじゃん」
虎子は嬉しそうに顔をニコニコさせてたそのとき
「あんたにはミットなんて今買ったって意味ないわ」
「えっ」
「はりきるのはいいけど練習についてこれるかもわからないのにミットなんか高いもん買っちゃってお金の無駄になるだけよ」
「咲そんな言い方ないだろ。」
「キャプテンもキャプテンだよ私たちのソフトは遊びじゃないんだよ勝たなきゃダメなんだよ私は三年間無敗を達成するんだから」
虎子はかちーんと来た。
「遊びじゃないのはわかってます私だって本気でやるために入ったんですから。」
「虎子」
キャプテンはビックリした表情をした。
「まぁいいわせいぜい頑張って私が認めない限りあなたに球を投げることはないから。」
そういってエースの咲は部室を去っていった。
「気にするな虎子」
キャプテンは虎子の肩に手をおいた。
「私見返してやる絶対に見返してやるんだからそして日本一のキャッチャーになるんだから。」
屈辱から這い上がれ虎子頑張れよ虎子