嘗ての誓い(前編)
少し昔の話をしよう。
まだこっちの世界にくるまえ 無能と呼ばれる少年が普通の学生だったころの話
非力な少年の話を
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おーい。千花起きろ。もう飯できてるぞ」
「うぅわかった」
この家には親はいない。いつも日が昇る前から仕事にいく。なので俺が家事をこなしている。
千花は中一で俺が中二だ。
「ねぇねぇ。おにぃってさ彼女いる?」
「いきなりなんだ?目つき悪いのに、出来るわけがねえだろ」
「ふーん」
「あぁ。そうだ。今日部活あるから先食っててくれ」
「わかった」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その日は何事もなく終了した。親も休みを取り早く家に帰ってきた。
「はぁ」
「どったのおにぃ?」
「いや。なんでもない」
今俺が悩んでいる原因は親が二人共、朝の七時なのに、寝ている事だ。千花が起きているのに・・・いや、考えるのはやめよう。
「今日も部活あるから先に食ってくれ」
「あーい」
「うーわ。センカあぁぁぁぁ」
「どうした嘉宮」
教室の扉を開けたら、親友?が泣きながら、ドロップキックしてきた。俺は避けた後に背後にまわり腕を軽く捻じり床に押し付ける。
「ちょっまっイダダダダ」
そして床と熱いキスを決める。
今神宮は煙をたてて冬眠中である。性格なおせばかなりモテるのに。
「嘉宮柔師復活!!!」
チッ。もう起きてる。
「んで、要件は?」
「今日から文化祭の準備期間だろ。メニュー決めないともうヤバイじゃん。というわけで考えておいてくれ」
そういうと教室に帰っていった。そして俺もその後をついてった。ちなみに俺の係は厨房。嘉宮は設営だ。
何をするのかというとカフェ
今は午前授業が終わり、文化祭の準備をしている。んで、今は看板やら内装を作っている。
「こっちの材料余る?」やらみんなが作業している。
「嘉宮ちょっとみんなを集めてくれ」
「なんで?あー、わかった。みんな一回作業中止!!霧崎がサイドメニューを作ったから試食だ」
周囲から「うぇーい」という声があがった。
「うむ。やはり千日は家事スキルカンストしてるな」
「すみません。おにぃ・・・じゃなくて、霧崎先輩いますか?」
「どうした千花?」
「鍵忘れて・・・」
「ほい」
多分、親は出かけてるはずだ。千花が去っていった後、クラスメイトから質問責めにあった。
主にQ「どんな関係?」A「兄妹」Q「誰だ。あの美少女?」A「えっ。妹」みんな「んだよ。釣れねえな」
そして当日~~
「六番テーブル珈琲とクッキー」「一番テーブルカフェオレ」
昼前から大盛況である。はぁ。厨房を一人で切り盛りするというブラック企業ばりの激務はできないので、
洗い物を嘉宮に手伝ってもらってる。
「悪いな。嘉宮」
「気にすんな」と口でいってる割りに顔が青いぞ。準備で疲れていたのだろう。
「嘉宮ーーーーピンポンパンポン」
『生徒及び学校にいる人は至急体育館に集まってください。繰り返します・・・・・・』
その放送を聞いた俺は見えない誰かに首元に吐息をかけられるような感覚に身震いした。
「どうした千日?」
「悪い。先に行ってくれ」
「こういう時のお前って言っても聞かねえよな………絶対にこいよ」
目指すは千花のいるクラス。
そして、千花のクラスに着くと同時に、言葉を失った。
クラスの机はあり得ない方向に曲がっていた。壁には深い切り傷。そして、至る所に赤黒い液体。
散乱した机の向こうに
いつも一緒にいた友達にかばわれるように倒れている
千花がいた
風邪を少しこじらせてしまいました。
シリアス?が続きます。