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百獣の王。追憶編〜赤面ジャーとピエロ
「アカーン!」
キョンが顔を赤くしながら叫んだ。
隣のミドーリンも顔が赤い。
2人で“赤面戦隊赤面ジャー”とかやればいいのに…。
そう僕は心の中でつぶやいた。
「ノン太郎」
じっちゃんが言った。
「どうしたの?」
僕は答えた。
「わしは、さっき撃たれたせいで呼吸がまだ乱れている。傷は癒えたが息を上手く吐けないんじゃ。」
「うん」
「だから、わしの代わりにこの笛を吹いてくれ。わしらじゃ、キョンからは逃げられん。」
「分かったよ!じっちゃん。」
僕は、じっちゃんからリコーダーを受け取り、力強くパフを吹いた。
「ドードドッドーシーソー♪ララーラードードーソー♬」
すると、ものすごい音が聞こえた。
「バサッ!バサッ!」
まるで羽音のようだ。
こちらに近づいてくる。
辺りが暗くなり、徐々に寒気を感じた。
「バサッ!バサッ!ドスン‼︎」
目の前には……巨大な竜と、それにまたがるピエロがいた。
〜続く〜