百獣の王。追憶編〜エロスとメロスとノン太郎
僕らは爆風に耐えた。
しばらくして、着弾点を見ると、キョンの鞭が落ちていた。だが、彼女の体は見当たらない。
恐らく、ちっパ…木っ端微塵に吹き飛ばされたのだろう。
「サー!」
ジャグラは勝ち誇った。
「ジャグラ、助かった!すまんな」
「いいってことよ!」
「ジャグラさん、本当にありがとうございました!」
「おうよ」
「ジャグラさんカッコいい❤︎」
ミドーリンも感謝した。
「はい」
えんえんも感謝した。
「どういたしまして。それでは、サラバ!」
彼らがその言葉をきっかけに、翔び立つのかと思ったが、グレンが昼寝を始めた。
「……」
ジャグラも翔び立つつもりだったのだろう。
彼も赤面を晒した。
これこそ赤面ジャー。
そうこうしているうちに、じっちゃんが言った。
「実はな、さっきから足が言うことを聞かないんじゃ。」
「え?」
「もうワシは歩けそうにない。」
僕はショックのあまり崩れ落ちた。
「ガサガサ」
そんな時、後ろで物音がする。
僕が地面に手をつきながら、後ろを見ると。
えんえんがミドーリンに発情していた。
シノンは激怒した。必ず、かの変態卑劣な馬を除かなければならぬと決意した。
シノンには性交が分からぬ。シノンは村の牧人である。棒をこすり、女性とは一線を画して暮らしてきた。けれども性交に対しては人一倍敏感であった。
えんえんに蹴りを入れ、再びうつむいた。
〜続く〜