荒川
これは私が見たとある夏の日の物語です
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【夏の日の約束】
月明かりが照らす木々の中
一つの小さな影が、息を切れ切れにしながら走っていた
「はぁはぁ…!クッソ…っ!クソォ…ッ!!」
その瞳には涙さえもにじみ出ていた
その影を後ろから追いかけてくる大きな影
小さな影は後ろを振り返っては、歯を食いしばりもっと早くと足を動かす
そんな小さな影の目に絶望的な光景が現れる
目の前の道はなくなり
はるか下に車道が流れている
影は足を止め下を覗き込む
もちろん。柵はあるがこんなところから降りれるところは無い。
ドンッ
花火の大きな音と共に何かに背中を押された小さな影はそのまま下へと
落ちていった。
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キーンコーンカーンコーン
授業の終わりのチャイムが夕日に照らされた校舎に響き渡る
生徒はわらわらと帰り支度を初めて教室から出て行く。
「あ~らかわくん!」
一人の男子生徒の前に女子生徒が顔を出した。
「月島か…。」
荒川と呼ばれた男子生徒は顔を少し赤らめ、顔を出してきた女子生徒の名前を呼ぶ。
「えへへ~。一緒に帰ろう?」
「んなこと言わなくても、いつも勝手についてきてるじゃねぇか。」
二人は教室を後にした
教室を出ると、荒川は急ぐ生徒にぶつかる
「あ!すみません!!」
そのせいとの右手には道着が握られていた。
「あ…。いや…。」
その道着に視線を向け顔を曇らせた
「懐かしい…?」
ぶつかって走りさる後ろ姿を寂しそうに見つめる 荒川に月島が語りかけた
「いや。仕方のないことだ。」
荒川はそう言うと足を動かし帰路へと向かう
未だ寂しそうにしている荒川…
「あ!そうだ!荒川君!明後日の土曜日って空いてる?」
急に思い出したかの様に両手を叩いて笑顔を向ける月島。
「特に予定は無いが…。」
何事かと不思議そうな顔をする荒川に月島が提案した事とは…
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