第5話…お金と文字
よろしくお願いします。
登録を終えて、エイル達が座っているテーブルに戻ったカリブとアキラは空いている席に座る。
「おっ!終わったみたいだな。これから俺らは同業者だな。わからない事が有ったらなんでも聞いてくれ」
エイルにそう言われた。門番の時からだが、この『クレイブ』の人達は皆いい人達みたいだ。見ず知らずのアキラの為に通行料を払ってくれたり、いろいろ教えてくれて面倒を見てもらっている。
「はい。何から何まですみません」
「気にするな。これも何かの縁だ」
話をしていると料理が運ばれてくる。そしてカリブとアキラの前に置かれた。ビックリしたアキラだがカリブに、祝いだ。と言われ素直に受け取ることにした。
食後、カリブ達クレイブは指名依頼が有ったらしく、受けるらしくここで別れる事になった。別れ際カリブが金貨一枚をアキラに渡す。
銅貨一枚=約100円
銀貨一枚=約1000円
金貨一枚=約10万円
突然の大金に焦るアキラだが、
「初めはどうしても金が掛かるからな。もし返すって言うなら稼げるようになって返してくれ。じゃあ私達は行くよ。今はこの町を拠点に動いているからまた会うだろう」
カリブと別れたアキラはまず文字をどうにかしようと思う。
受付嬢のライラの元へ行く。
「すみません。文字が分かる本を読まして欲しいのですが、可能ですか?」
「文字ですか?有りますよ。ちょっと待って下さい」
ライラは立ち上がり後ろにある本棚を探し始めた。
そして2冊の本を持って来る。
「お待たせしました。こちらが文字表が載っている簡単な本で、こちらが少し難しいですが詳しく書いてある本です。ギルド内でしたら無料ですが、持ち出しですと銀貨一枚必要になります」
「じゃあここで読むよ。両方とも貸して貰えるかな」
「はい。出来れば汚さないで頂けると嬉しいので、ご覧の際は飲食は控えて頂けると有りがたいです」
返事をして2冊の本を受け取ったアキラは酒場の一人用の隅の席に座る。
本のカバーに手を置き、目を閉じる。
『リーディング(知識獲得)』
本の内容が凄い勢いで頭に入ってくる。もう1冊も同じようにする。
どうやらこの世界の文字はカタカナに似ていて50音が基本だ。濁音は右下に書くみたいだ。
所要時間1分ほどで2冊の本の内容を完璧に覚えたアキラだった。
御礼を言ってライラに本を返すとあまりの速さに驚かれた。ついでにオススメの安くてオススメの宿を聞くと、
「それならギルドを出て右へ5分ほど歩くと『鳥の宿り木』という宿がオススメです。比較的安いですし料理が美味しいんです」
「ありがとうございます」
アキラはギルドを出て宿に向かった。
ありがとうございます。