第14話…動きだす者達
アキラとメグは順調にランクを上げる為の依頼をこなして行く。
主にメグが前衛でアキラが後衛だ。アキラは超能力で剣を動かし狙撃したり、メグの援護をする。わかった事だが、アキラが自由に動かせる剣は4本までだ。それ以上だとただ浮かして真っ直ぐ打ち出すだけで牽制には使えるが戦闘での援護などにはやはりきちんとしたコントロールが必要な為、アキラは4本で戦う事にしたのだ。
たまにメグに剣術を教えて貰うがあまり成果は出ていない。
今日も討伐依頼を受け、人目のないか確認しながら討伐していく。
「よし。13体目終了。あと7体。メグ疲れてない?」
「嘗めないで欲しいわ。まだいけるわ」
メグともだいぶ打ち解けメグの言葉使いや表情が日に日に良くなっていく。
それが嬉しいアキラは思わず笑って仕舞う。
「なっ、何よ。いきなり笑って。さっさと次探すわよ」
メグはアキラを置いて歩きだす。
アキラはそれを追いかける。願わくは復讐を辞め、この生活が続けばと思うアキラだった。だがそんな平和も長くは続かなかった。
依頼終了をギルドに報告したあとギルドの酒場でご飯を食べているとある会話が聞こえたのだ。
A客「なぁ、聞いた話だが、ルルヤの村が滅んだらしいぞ」
B客「ルルヤの村ってあの小さな村だろ。なんだ魔物の群れにでも襲われたのか?」
A客「いや、何でも数人の人間(?)にやられたって話だ」
C客「数人って小さな村と言っても数百人の村で冒険者もいただろうに。どんな奴らだったんだ?」
A客「どうやら種族はバラバラらしいが全員赤い目があったらしいぞ」
メグが反応する
B客「赤い目って、珍しくないだろ」
A客「いや、赤い目があったって言ったんだ。額にあったり。手の甲にあった奴もいたらしいぞ」
C客「なんだそりゃ。チームのマークか何かじゃないのか」
A客「さぁな。見た奴はそのあと狂って死んだらしいからな」
B客「死んだのか?」
A客「あぁ。発見した時はかろうじて生きてたらしいが、しゃべっていると突然発狂して自害したって話だ」
C客「それ信憑性にかくるんじゃねぇの」
A客「あぁ、だから魔物に襲われた可能性が高いって事で話が進んでるらしいぞ」
C客「ルルヤの村かぁ…あそこの女の子可愛い子多かったのになぁ。告白すれば良かった」
B客「何お前。狙ってた子でもいたのかよ。やっぱ狙うならクレイブのコリーちゃんだろ」
A客「ロリコンかお前。俺は断然巨乳派だ」
話が逸れて、酒場特有の下ネタに走り出した。
メグは黙って立ち上がり酒場から出て行こうとする。アキラは黙ってメグの後ろを着いて歩く。
「ねぇアキラ」
立ち止まりメグはアキラに声を掛けた。
「ルルヤの村を襲ったのって奴だと思うの。だから明日ルルヤの村に向かいたいんだけど…」
「あぁ、一緒に行こう。もしかしたら手掛かりがあるかもしれない。メグを一人にはしない」
振り返ったメグの目には涙が光っていた。
「うん。ありがとう……アキラ」
翌日、ルルヤの村に向かった二人だった。