第11話…願い
遅くなりました。
アキラは朝目を覚ます。
瞼を開くとそこにはメグの顔が目の前にあった。
昨日の晩の事を思い出した、メグはまだすやすや寝息をたてて寝ている。
その寝顔に見とれていると、メグの瞼がゆっくりと開きアキラは動こうとしたが腕はメグの頭の下に有り、動こけなかった。結果目を開いたメグとバッチリ目が合い、二人して固まってしまった。
先に動いたのはアキラだった。
「お、おはようメグ」
「おはよう…」
いまだに動かない二人。
アキラの腕は既にしびれており、早く退いて欲しいと思っていた。
願いが届いたのかメグは起き上がる。
アキラも起き上がりしびれていた腕を擦り血を流していく。
「昨日の話は本当なの。私の復讐を手伝ってくれるって…」
メグはうつむき気味でそう言った。腕を擦っていたアキラはその手を止め返事をした。
「復讐の手伝いはしない。ただ探すのは手伝うよ」
アキラの本音ではメグに復讐なんてして欲しくないのだ。確かに家族や村の仲間達を目の前で殺されたメグの怒りはもっともだ。アキラでも復讐したいと思うだろう。しかし、復讐したところで死んだ人達は返って来ない、復讐に燃えその人の人生がめちゃくちゃになる事を亡くなった人達も望みはしないだろう。
これはアキラの一方的な考えであって実際の死者の考えや思いはさすがの超能力者でもわからないのだ。
ただ、メグには幸せになって欲しいと思うアキラだった。
実際に三つ目を見つけたらどうするかはまだ考えてないが、これからメグと一緒に行動しながら考えて行こうと思うアキラだった。
「わかった。探すの手伝ってくれるだけでも助かる。復讐は私がする」
うつむいていた顔を上げ振り返ってアキラの顔を見た。
「これからよろしくね。アキラ」
「あぁ、改めてよろしく。メグ」
二人は硬く握手をした。
今日この日より二人は共に歩み始めるのだった。