第10話…決意
遅くなりました。
メグに詰め寄られどうしようか悩む。
アキラは小さい頃自分が数少ない特別な存在の超能力者である事を知らなかった。むしろ皆超能力があるものと思っていたのだ。そして人前で力を使い最初は凄い凄いと喜ばれたがいつしか怖がられ避けられるようになった。
そしてついにはその町には居られなくなり、遠くの県に引っ越す事になった過去がある。それから人の目が気になりだし、人前では力を使わないようにして、自分が超能力者だと知られないように隠し続けていたのだ。
ただここは魔法もある異世界だ。知られて大丈夫なのかまだ判断が出来ない。なら…言ってみて判断してもいいかも知れないとも思ってしまった。おそらくメグが何かしらに気がついている。今ごまかすのはむしろ危険かもしれない。
いろいろ考えたが一番は理解者がいてくれたら嬉しいだけだったりもする。
「……メグ。俺は……超能力者だ」
アキラは決心したようにメグの目をしっかりと見つめ打ち明けた。
「ちょう…能力……しゃ?」
メグは首をかしげた。
そしてアキラは超能力について説明をして、さらに自分が異世界から来た事も話す。
メグは終始驚いた顔をしていた。
「………そんな、じゃあ三つ目とは関係ないの」
「三つ目?」
次はメグが自分の事を話てくれた。村の事、三つ目を探している事などだ。
しゃべり終わるとアキラはメグを抱きしめた。
メグはビックリしていたが離そうとはしなかった。
「メグ。辛かったね。俺にも三つ目を探すのを手伝わせてくれないか」
その言葉にはさすがにびっくりしたみたいだった。
「でも……アキラには……関係ないから……私のお礼が済んだら…私はアキラから離れる。話したのもあなたを疑ったから…何か奴らのヒントが掴めるかもって思ったから……私は自分勝手な女なの……だから……だから……」
「気にするな。誰だって辛い思いをすれば疑うものさ。メグの手伝いをさせて欲しい。いや、する。決めたよ」
メグは黙り込んでしまった。その肩は小刻みに揺れており、泣いているのだとわかった。そして泣き止んだのかそのまま二人は抱き合う形で同じベッドで寝たのだった。
他二作も同時公開しました。よろしくお願いします。