the middle of the night.
「本当にいいの?この町でしばらく過ごしたかったんじゃない?」
「いや、もう十分満足した。そもそも、俺がここにいること自体が奇跡的なことだ。大分、無理をさせたろう?」
「いいのいーの。やりたくてやってるんだから。・・・さっきムソウに連絡したけど、やっぱり車は明後日になるって。できるだけ早くとは言っといたけどね」
「そうか。じゃ、あの子供らに別れを言う時間はありそうだな」
「出会ったのは予想外だけど、あの子達と離れるのもさみしい気がするね」
「ある意味面白かったけどな」
「・・・で、あの男」
「監理局の奴だな。ま、そんなに急に動きがあるとは思えないが、準備だけはしておかないと」
「まったく、アイツ、絶―対お爺さんのこと聞き出そうとしてたのよ、家の中覗き込んじゃって。やーらしー」
「本来なら、有無を言わさず乗り込まれてもおかしくなかったが、ここの子どもが一緒だったのが良かったんだろうな。俺も隠れてたし」
「うーん、でも、このまま出て行くのは色々とくやしいよね。なんとか追い払えないもんかな」
「ここにいるからには、どこかに機械があるはずだ。見につけているか隠しているかは知らんが・・・それを壊せばヤツは戻れなくなるし、俺達を捕まえても意味はないだろう。しかし」
「探しようがない」
「うん」
「ま、ね。とにかく悔いのないように、やりたいことはやっておきましょ」
※※※
『状況は?』
『件の逃亡者が潜伏していると思われる建物を発見。ただし本人の確認取れず』
『なぜ確認できなかったのか?』
『第3者が近くにいたため、深入はできないと判断。しかし協力者と思われし女確認』
『しっかりした確証を持ってから確保、といいたいところだが、奴は80オーバーだ。早くとらえないと歴史を変える危険性もある。そのために時間渡航の年齢制限があるのだ・・・しかしお前はうかつな事をしたな。これで奴らは警戒しシッポをださなくなった』
『考え方次第だ』
『ほう?』
『多分、早々にこの場所を離れるだろう。彼らが再び一般の町で生活するとは思えない。向こうもばれたことが分かっているのだから。だから、おそらく仲間に接触を試みる』
『仲間?・・・・・・時空援助組織か!』
『ああ』
『町ではない町に存在するとかいう、現在に不満があるものを過去のコミュニティーで受け入れる手助けをするというアレか。
まったく、本人たちは難民だの避難だの言っているが、なんてことはない、ただの現実逃避ではないか。法を犯してまでするようなことか!』
『それはどうだっていいが、貴方方はその団体の居場所すらつかめていないのだろう。今回の件では、もともとあった家に住みつくという力技をやっている。これは相当の知識なりなんなり持っていないとできない』
『ふん、そうだな』
『老人捕まえるのと、サービス組織の在処を突き止めるのと、どちらが今後の利益になるか?』
『・・・。わかった、まかせる。だが、どちらか一つは必ず成果を出せ』
蛇足の様な気がする。この文入れなければ続きも多少テンポ良くなると思うのだけど・・・まぁいいか。