神様への祈り
掲載日:2026/01/23
祈りが神様に届いていることが判明した。
中には神様から返事をもらった人もいるらしい。
ならば自分もと人々は昼も夜も願いを祈り始めた。
金がほしい、美しい恋人がほしい、出世したい。
祈りは最優先事項となり仕事も教育も後回しにされ世界は静かに後退していった。
それでも祈りは減らなかった。
自分さえ成功すれば世界がどうなろうと構わないのだ。
困り果てた神様は、ついにAIオペレーターを採用した。祈りへの返事はすべて自動返信とした。
「いつもありがとうございます。祈りの内容を確認いたしました」
業務的な定型文のみが一斉に返され人々は気づいた。
祈りは届いているが、何も起きていないという事実に。
やがて人々は祈るのをやめ世界は再び前に進み始めた。




