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パレットブレンド  作者: あしゅ太郎


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33/33

エピローグ 下

カフェの窓の外、街路樹の葉が揺れ、色とりどりの花が咲き誇っている。

あの無彩の塔が砕けてから、色の戻った人々の笑顔はどこか少し、前よりも強く優しくなった。



---


「……で、これからどうすんの?」


烈が、カップのソーサーをくるくると回しながら言った。


隣で理斗が楽しげに頷く。


「色を取り戻す旅は終わった。

けど、俺はまだまだ彩葉の謎を解析したいしな。」


夜凪は窓際でスコーンをつまみながら、相変わらず目線だけはこちらを向いている。



---


湊は、少しだけ顔を赤くしたまま、彩葉の隣でそっと息を吐いた。


「……俺は、決まってる。彩葉と一緒にいる。」


言いながらも恥ずかしそうに、彩葉から視線を逸らす湊を見て、烈がニヤニヤ笑った。


「せやな。俺もまだまだお前らには付き合ってもらわなあかんしな!」


理斗が頷く。


「ま、研究所を作ろうか?

ブランクの残骸を片付けながらさ。新しい色を守る拠点ってやつ。」


夜凪はスコーンをかじって言葉少なに付け加える。


「……まぁ、面白くなるなら付き合ってやる。」



---


彩葉は、テーブルの上でそっと手を重ねた。


自分の指の上に、湊の手が重なる。


そして、烈も理斗も夜凪も、それぞれの手を重ねてきた。



---


「色を奪われていた世界を、やっと取り戻したんだもん。」


彩葉がふわりと笑う。


「これからは、自分のために――一緒に、生きていこう。」



---


窓の外で小鳥が鳴いた。


雲ひとつない青空。

街にあふれる人々の声。

子どもが笑い、花が咲く。


それはかつて奪われた、彩葉たちが命がけで取り戻した、何気ない色の日常。



---


――パレットはもう、戦いだけの道具じゃない。


新しい色を描くために、自分のために――

仲間と共に。



---


そして。


その中心にいる少女は、もうパステルの色を誇りとして抱きしめていた。


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