欠片が告げる真実(3)
一行は、螺旋階段の最後の踊り場にたどり着いた。
そこには、錆びついた鉄の扉が一枚。
中央には歪んだ歯車の紋章が刻まれ、
無彩の塔の心臓へ続く道を示していた。
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理斗がタブレットを睨みつつ、指先で扉の接合部を叩く。
「……間違いない。この先が中央の主動力炉。
廃棄室はその奥に併設されてる。」
湊が息を整えながら筆を握り直す。
「つまり、ここを抜けたら……
彩葉の“パステル”の秘密が分かるかもしれない。」
烈が火のオーラを纏わせ、笑みを浮かべた。
「ええやん。全部暴いて、この塔ごと潰してやろうや。」
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彩葉は扉に触れた。冷たい鉄が、掌に重く響く。
自分が何者か。
この力が、何のために生まれたのか。
答えが待つ場所に近づいていることが、心臓の奥をひやりと震わせた。
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夜凪が後ろから小さく言った。
「……ビビるな。お前なら、大丈夫だ。」
烈がにっと笑って夜凪を肘で小突く。
「お、黒猫がええこと言うたやん。
お前もたまには役に立つな。」
夜凪は無言で烈を睨み返し、烈も睨み返して小競り合いが始まる。
湊が呆れたようにため息をつき、彩葉のほうを向いた。
「彩葉、こいつらは放っておけ。先に行こう。」
彩葉は小さく笑って、ぐっと鉄の扉を押し開けた。
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きぃぃ――……。
冷たい金属音と共に、扉の隙間から冷気が流れ込む。
奥に広がっていたのは――
どこまでも無彩に染められた、巨大な歯車と無数のガラスの筒が並ぶ部屋。
筒の中には、すでに力を奪われ色を失った人影の痕跡がいくつも眠っていた。
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理斗がタブレットをかざしてデータを照合する。
「ここだ……。ここが君の秘密の、一部だよ、彩葉。」
烈が眉をひそめて息を吐く。
「……全部、吐かせたろうやないか。
ブランクの奴らにな。」
夜凪がナイフを抜き、一歩、闇の奥へとにじり出る。
「……来るぞ。」
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遠くで、無彩の主動力炉が低く唸りをあげた。
暗闇の中、また新たな敵の影が、動き始めていた――。




