表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パレットブレンド  作者: あしゅ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/33

色還しのパステルコア(5)

――ドームの天井から、無数の白い装甲兵が降下してくる。


背中のタンクから伸びた管が、床のパイプと接続され、色核からエネルギーを供給されている。



---


湊がすぐに前に出て、烈に声を飛ばす。


「烈、真正面は任せた!俺は側面から支援する!」


烈はニヤリと笑った。


「言われんでも! 全部燃やしたるわ!!」



---


轟ッ!!


烈の赤い炎が装甲兵の正面を薙ぎ払い、焼け落ちた白い残骸が床に崩れた。


湊は青の軌跡を放ち、烈の後方を狙う敵の脚を正確に断つ。



---


「夜凪、左から来る!」


湊の指示に、夜凪は影のように姿を消したかと思うと、次の瞬間、装甲兵の首筋にナイフを突き立てていた。



---


理斗は背後で携帯型の端末を操作しながら、黄属性の光弾を放つ。


「こっちは抑える!彩葉! 中央を頼む!!」



---


彩葉は水槽の核の前に立つと、筆を大きく掲げた。


青、赤、青、黄、黒――

仲間の属性がパステルに吸い寄せられ、ふわりと光の花が咲いたように拡がっていく。



---


「……みんなの色を、私が――!」



---


筆先が水槽の表面をすっとなぞる。


すると、水槽の中の光の粒が一気に暴れ、まるで声のように壁を震わせた。



---


――『帰りたい……帰りたい……』

――『あの色に……あの場所に……』



---


彩葉は静かに目を閉じ、筆を光の中心に突き出した。


「還ろう。」



---


パステルの光が核を貫き、押し込められていた色が大気に溶けるように解き放たれていく。



---


烈と湊の攻撃で倒れた装甲兵の背から、奪われていた色が小さな光の蝶になって舞い上がった。



---


夜凪が、崩れ落ちる残党を背後から見届ける。


「……全部、お前が……。」



---


理斗が解析画面を睨みつつ、息を呑む。


「これが……彩葉のパステルの真価……!

単なる“色”じゃない……

“心”を初期化して、本来の居場所に還す……!」



---


彩葉の足元で、光の蝶がくるりと回り、やがて壁の通気口へ、外の空へと飛び立っていった。



---


烈が大声をあげる。


「よっしゃああ!これでコイツらの施設も終わりや!!」


湊は息を整えながら、彩葉に近づく。


「……大丈夫か?」


彩葉は汗をぬぐい、小さく笑った。


「……うん。でも……私、まだ全部は分からない……。」



---


夜凪が崩れた壁に寄りかかり、低く呟いた。


「ブランクの本拠は、まだ先だ。

全部還すには、ここだけじゃ足りない。」


理斗がにやりと笑う。


「なら、次の解析拠点は決まりだな。

もう少し、君の謎を暴かせてもらうよ、彩葉。」



---


烈が大げさに肩を組んで笑った。


「その前に!

肉食うぞ肉!! 彩葉は肉で栄養つけろ!!」


湊が額を押さえながらため息をつく。


「……お前はそればっかりだな……。」



---


水槽の光がすべて解放され、色の核は静かに光を失った。


通気口の向こう、わずかに漏れた光が、次の行く先を照らしていた――。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ