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おっさんの徒然エッセイ

スマートな男になりたい件

公序良俗に反する行為が書かれております。


不快に思われる方はブラバしてください。





 別に痩せたいという話ではありません。

 年相応にかっこいい男になりたいという話なんですが。


 実はここ2ヶ月ほど、奴隷は悩んでいました。

 実のところはまだ悩みの渦中ですが、自分なりに結論は出たんです。


 ここ2ヶ月の自己嫌悪の果ての愚痴を置いていこうというお話です。




 ことの前提から話せば、奴隷には10年以上の付き合いになるスナックのタイ人ママがいます。

 ママがまだ若く、奴隷も若かったころ、店で知り合い友達になったんですが、ママが10年ほど前に店を開いて、奴隷はそこに月に一度か二度通う程度の馴染み客になりました。


 そこで、もう5年以上前になるのか、彼女と知り合いました。タイ人の女の子として、働きに来ていた奴隷より4つ下の娘で、とても綺麗で可愛く、奴隷は恋心を抱いたもんです。


 ですが、店の女の子と客として、奴隷はそれ以上は踏み込むことはしませんでしたし、彼女がビザのために結婚していることも、その後にお子さんが出来たことも、旦那さんとはビザのための書類上の関係でお子さんもそのため、なので今は別居していることも、聞いてはいました。


 彼女はそのことを奴隷には隠そうと最初はしていましたが、奴隷が別の場所で聞いて知っているとわかると、お子さんの話なんかもして、友達として仲良く過ごしていたんです。



 関係が変わったのは2ヶ月前でした。


 いや、それ以前から兆候はありましたが、劇的に変わったのはそこからでした。


 そもそも、ママの店はデート禁止で、店の子とお客の恋愛にも厳しい店で、なので奴隷も、そこの線引きをして楽しく呑んでいたんです。


 ですが、ママは前から奴隷と彼女の関係を「恋人」どうしと捉えていました。

 今思うと、彼女の態度と、奴隷のわかりやすい表情から、二人の気持ちを見抜いていたんだと思うんです。

 でも、奴隷は彼女とは付き合ってはいませんでした。


 それが、呑んでいたら、突然。

 「デートいこう」

 と誘われたんです。


 長い付き合いです。

 リップサービスで好き、愛してると言うことはあっても、その手の冗談は言わない子だったので面食らいました。

 「そういう冗談は良くないよ」

 そう返した奴隷に。

 「本気ですよ」  

 と言った彼女の真意を図りかねていたんです。

 それから、暫くして店にいき。今度はママに。

 「奴隷さん、エッチしたいからって、よその店の女の子に手を出しちゃダメよ。○○ちゃん(彼女)がいるんだから、そういうことは○○ちゃんとしてね」

 そんなことを言われて、横に彼女が座っていたので。

 「そりゃ、俺は○○ちゃんとしたいけど、彼女はしたくないでしょ」

 そう、冗談めかして返した時に、横から。

 「良いよ」

 と聞こえて、いよいよおかしくなったんですよ。


 付き合いの短い店の女の子なら、ただの冗談と割りきれる。

 でも、事情もよく知っていて、付き合いの長い彼女が普段は絶対にしない言葉を口にしていることに、正直に困惑したんです。


 奴隷は一度、ラインでママと彼女に、もう店に行かないこと、彼女ともしばらく距離を置くことを告げました。


 そうして、彼女から、奴隷が本当に好きで、ずっと会いたいとかえって来て。


 奴隷は彼女の真意を図りかねたまま、結局は彼女に会い、お子さんと三人で食事にも行きました。


 結論を言えば。


 奴隷は自分が気持ち悪くて、カッコ悪くて、情けなくて、それが嫌で仕方なかったんです。


 彼女に向けられた好意を素直に受け止める度量もなく、もし、生活に困って頼ってるのだとして、それを聞かずにただ囲ってあげるだけの甲斐性もなく、変な期待だけはしてしまって、彼女に肉体関係を迫って嫌な想いをさせてしまうかもしれない、そんな自分がおぞましかったんです。


 だから、二人で話した時に、正直に全て話しました。

 最近の奴隷さんはおかしい、前はそんなに悩んだりせず仲良くしてくれたのに、そういう彼女に。


 自分が金がなく、借金もあり、彼女とお子さん二人を養う甲斐性も無いこと。

 たとえ、彼女が俺をなんとも思って無くとも、好きだから、できる範囲で助けてあげる意志があること。

 すこしでも、肉体関係を期待したことが気持ち悪くて嫌なこと。

 奴隷は過去に別の店の女の子に誘われて、何人かと関係を持ったことがあること。

 わりかし屑で、カッコ悪くて、情けない男だと告白したんです。


 でも、彼女は旦那さんとは別居していて、ビザの関係ですぐに離婚できないけれど、奴隷と一緒になりたいから待っていて欲しいと。

 奴隷さんだけが好きで、肉体関係を持つことを期待してくれるのは嫌じゃないし、嬉しいと。

 奴隷さんはいい男だよと、そう慰めてくれました。


 そして、それだけの想いを持って、奴隷と付き合うことを望んでくれるなら、奴隷は初めから日陰者として、一生彼女の友達として支えていく覚悟もあったはずで、だから、お付き合いします。恋人になりますと宣言しました。



 結局、奴隷は言葉では彼女と一緒になれなくてもいい、好きになって貰えなくてもいいと言いながら、本心では彼女を欲しくて仕方ない、独占欲の塊みたいな十代みたいな余裕ない恋をして、十代みたいに何にも持ってないどころか、マイナスなんです。


 こんな男を好いてくれるのは嬉しいけれど、その想いに応えられる男じゃないことに、ずっと悩んで言い訳してたんだと気付いたら、本当にカッコ悪くて。


 スマートな男になりたい。


 心配せずについてこい。

 二人の面倒は全部みてやるから、すぐに離婚して奴隷と再婚しろ。

 安心して、全部任せとけ。

 

 そう言えない情けない奴隷を思いやって、「待ってください」と彼女自身の問題としてくれる、そんな優しい彼女を、俺は信じてあげることも、何も聞かずに支えてあげることも出来ない。



 本当に本当にスマートな男になりたい。


 そして、彼女を幸せにしたい。


 奴隷は頑張ります。

 彼女とお子さんの笑顔のために、こんなダメな男を支えて下さる皆様の力も借りて、頑張っていきます。




感想お待ちしていますщ(´Д`щ)カモ-ン


先に投稿した善性の愛、という短編はこの悩みが元ネタとなっています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 相変わらず文章がうまく、とても読みやすいですね。 なぜ悩んでいるか、どこに困っているのか、きちんと整理されてました。 悩みの内容も語り口も、まるで明治大正の文豪のようで。 読んでいて奴隷…
[良い点] 書き忘れ。 猫さんの『最大の敵』は、ご自身の『恋愛観』です。 まず、それを捨てましょう。 『恋愛』などと言うものは、ただの『感情の暴走』です。本来、無くて良いものです。 恋愛観に縛られて…
[気になる点] 『悪いほう』に考えての、アドバイスです。 [一言] 『一番悪く考えて』彼女の『ハニートラップ』だとしても、目的は『ビザ』が最大の要因でしょう。 でも、猫さんは『彼女の役に立ちたい』と…
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