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盃と犬―始末屋編―  作者: ネクタイ
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最終話 依頼に答えはない

『先日はお世話になりました。

 その後、いかがお過ごしでしょうか。

 私は、あれから夢を追いかけ、地方の造園職人さんの元で修業を重ねております。

 いつかは父が畳んだ寺脇園を再建したいと思っています。

 それまでどうかお二人もお元気で。

 P.S.マーブルさん用のクッキーのレシピ同封しておきます。是非食べてください。』



あれから数か月後。

「うははーい!クッキーだ!つくろー!!」

浮かれてる犬を横目に手紙に目を通す。




あの後、美知子さんは山岡の右脇すれすれに銃弾を放った。

「ひいっ!」

「もう二度と私の前に現れないで。」

「ひいぃっ!」

もう一度拳銃を構えると山岡は乗ってきた車に飛び乗り逃げるように去っていった。

そして発車した車に向かって、マーブルはデザートイーグルを構えると。

「沈め。」

タイヤに向かって発砲し、操縦を失った車は海へと落下していった。



それを見ながら俺は、マーブルと出会った時のことを思い出していた。

別の工業地帯。追い込まれた俺の前に突然現れた犬。

『オレと盃を交わすなら助けてやるよ。』




「んめ、うめ。ばくばくばくばく。」

「焼けるの早いな。俺にも頂戴。」

「犬用だよ、馬鹿野郎。」

「なあ、マーブル。今回の件、これで良かったのかな。」

「んーそうだなあ。」

クッキーを口に放り込みながらマーブルは悩んでから、満足そうに言った。



「たぶん、きっと、それに正解はないよ。」








モノ作りから護衛任務、代行業に確定申告まで何でも依頼されればこなす。


俺達への依頼の仕方は簡単。


武蔵長城駅南口6番改札の前で、青いジャケットの男にA8サイズのメモ用紙でこう渡してほしい。




『最後のカクテル、あとはない。』



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