③名案は使徒(※AA)と共に。
長かったので②を分割しました。
──女子の膝枕とか。しかも相手は超絶美少女。
「……」
「……」
「……もしかして、僕は死んだのか」
「何言ってんの?」
太腿が柔らかいし、なんかいい匂いがするし、目を開けないようにしているが眼前に確実に感じる、たわわななにかの影──天国としか思えない。
(そうか……僕は死んだのか……)
「たまには思い出してくれ……」
「だからさっきから何? 発作??(厨二病の)」
──本当はわかっている。
そりゃ穂乃果はツンデレだけど性格は滅茶苦茶よくて、とても優しい。
期待どころか、僕が分不相応にも『付き合って』などの戯言を吐かそうものなら『し、仕方ないわね!』などとウッカリ返してしまう可能性は無きにしも非ず。
だがそんなことをしてみろ、僕はモブから『NTR系主人公』に不本意なレベルアップをしかねないではないか。
何故なら穂乃果は超絶美少女なのだ。
今こそ女子校で男との出会いがないとはいえ、大学に進学……が仮に女子大だったとしても、就職すれば確実に男性との関わりがある。
モテないわけがない。
なにしろ穂乃果はツンデレだけど性格は滅茶苦茶よくて、とても優しい。(2回目)
決して尻軽などではないが、押して押して押されたり、腹黒イケメンに裏から上手く情報を操作されたりしたら、そういうことになりかねない。
(……しかも、穂乃果は男に免疫がないからなぁ。 変な男に引っかからないだろうか、死ぬにしてもそれだけが心配だ)
それならばさっさと素敵な彼氏を見付け、リア充を満喫してほしい。
尚、性格が良くて、能力が高く、優しくて穂乃果を愛してくれる人でなければ認めない。
条件を満たしているからといって、男子向けラノベ系無自覚イケメン主人公とかはやめて欲しい。
(穂乃果がハーレム要員だなんて、僕には耐えられない……ッ!)
「なに? 泣いてんの? どっか苦しいの?」
「うう……大丈夫……」
ラノベでは『爆発しろ☆』などと言いながらもハーレム万歳な僕だが……
(そういえばミッチーに借りた本、ハーレム系だったなぁ……──はっ?!)
ミッチー=ハイスペックイケメン(※しかも真面目で性格もいい)
キタ━━━━━━(n'∀')η━━━━━━ !!!!
使徒と共に脳内に降臨せし……名案。
「────!!」
「キャッ?!」
僕は素早く床に転がり身体を起こす。
ウッカリそのまま身体を起こすなどして、顔が胸に当たるという『ラッキースケベ』などの不埒な真似は例え無意識であろうとも決してしないのだ。
日頃の鍛錬のなせる技……脊髄反射と言っていい。
「……どうしたの?」
「ふふ、そうだ、その手があった……」
「なに? 新しい発作??」
(ミッチーを穂乃果に紹介しよう……!)
そうすれば僕は晴れて『美少女とイケメンの恋』というラブ・ストーリーにおいて、『そのきっかけとなった幼馴染』という役どころを拝命することができるのだ!!
この素晴らしい案を実現化すべく、僕は動き出すことにした。
まずはノートに計画を書き出すのである。
──うん…………地味ッ!!!!
とても僕らしい。
やはり僕は、モブなのだ。