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俺がお前らのマスターだっ!  作者: 黒野理知
7/19

俺の妹と幼馴染が厳しすぎる②

すみません、突然ですが主人公名変わります汗。

ノリだと「ノリが悪い」が名前なのか慣用句なのか判断つかない問題がありまして。ノリオ→タケオになります。

GM:じゃ、じゃあ学校にはマリリン先生という、すごい色っぽい、ボンキュッボンな先生がいる。

アヤカ:ボンキュッボン=マリリンって安直。

GM:(仕方ねえだろ今考えたんだから)

タケオ:やっぱ、そうなんだ‥‥そういうのが好きなんだ‥‥。(露骨にマスターと距離を取る)

GM:(気にしない)もうマリリン出した段階で腹はくくった。「はあい、タケオ。うふふ、ちょっとこっちいらっしゃあい?」

タケオ:うわっキモ(マジ顔)

アヤカ:マジでないわー(マジ顔)


良い子のみんなは色仕掛けのロールプレイを要求しといて、マスターがエロキャラやったらドン引きするのはやめよう。というか、シナリオやキャンペーンの流れの必然で色仕掛けシーンが必須の場合もあるので、こんなGM(オレたち)をきちんと受け止めて欲しい。ドン引きされると割と本気で孤独を感じるから。


GM:お前らが拾えって言ったんだろ。乗れよ。乗らんと進まんぞ。(←ちょっと本気で怒っている)「この依頼、学校にとってとても大事なのよ。事情は説明できないけど」

アヤカ:説明できないのかよ。

GM:(田舎のモンスター退治に重たい理由なんかあるかよ。考えてねえって)

タケオ:じゃあ先生!依頼に成功したら()()()()()()

GM:ちょっと待てっ!やよいお前学校では大人しくて清楚系の高嶺の花だろっ!?そのギャップは何っ!?普通に淫語だぞっ!?

タケオ:いやだって一年の頃からクラスで席座ってるだけで勝手に清楚な美少女に扱われるだけだし。そう扱われるならそのまま黙って扱われっぱなしの方が得だし。一、二年で中身が変わるわけないじゃん。小学校の時のあたしのまんまだよ。ふっふーん!

GM:くっ、この魔女めっ。

タケオ:清純派ってカッコワライ付くよ?女に夢見るなよ童貞って感じ。

GM:中二男子のほとんどが童貞だっつうの。なんかもう、TRPGは女の本性を暴く機能があるのか!?妹といい、やよいといい、いったい何なの!?


そういう機能はないはずです。多分。


タケオ:大体何でどこ挟むか言ってないし。ていうか、どこを挟むと思ったの?

GM:‥‥‥。

タケオ:ほら、現実のタケオも想像力がドスケベじゃん。私はタケオらしくロールプレイやってるだけだってば。


これ、もう逆らうのやめた方がいいな。


GM:お前挟めないじゃん。垂直落下式だし。

タケオ:はぁ?!私中二だよ?これから成長するっしょ?

GM:残念ながら中二でAAな子は、到達できてもCぐらいが八割だとの社会的統計があります。挟むのは夢の向こうだと思います。

タケオ:はぁ?!お前マジで血祭りにすんぞ?!

GM:ぎゃー!やめてえええ!


仮に逆らったらこういう展開になるのが目に浮かぶ。『お前挟めないじゃん』以降は俺の脳内のシミュレーションなので実際に発言したわけではない、念の為。流石にひんぬーに垂直落下式と直球で揶揄する勇気は俺にはない。言い返せないので、もうタケオの生き方を全面的に認めることに致しました。くううっ。



*****



とりあえず何とかモンスター退治に出発させることに成功し、兄妹は村に到着した。


このシナリオは、村での情報収集をすることによって『謎の敵』の正体を推理し、推理したモンスターの生態ならこの辺にいるだろう、という場所を捜索して狩る、という仕組みになっている。村以外で情報収集する事はできず、村人全員の話を聞けば大体の生態が類推できるようになっている。最悪モンスター知識判定に成功すればプレイヤーが知らなくてもキャラが感づくので、自由度が高そうに見えて実質一本道シナリオと言えなくもない。だから余計な波なぞ起こるはずもないのだが‥‥この二人の女子の悪ノリでグデグデになっていく。


GM:じゃあ次は村人Cの情報収集だね。(コロコロ)二十歳の女で、(コロコロ)名前はエリー。

アヤカ:何してんの?

GM:マスタースクリーンの裏を当たり前に覗くなよっ(←これプレイヤーが考える以上に失礼な行動なのでマジやめてください)。村人の特徴ランダム表を自作してあるの。(コロコロ)性格はイケイケ(死語)な感じで(コロコロ)豊満なタイプ。

タケオ:おおっ!巨乳だっ!ねえねえ!お姉さん!俺と話しようぜ!

アヤカ:いい加減にしなよおにい!えーと、それで一昨日の夜何か見ませんでしたか?

GM:「村人Dの家の脇で、黒くて大きな影がサッと横切ったのを見たわ」

タケオ:(カキカキ。意外にちゃんとメモしている)なるほど!揉ませて!

GM:「うふふ、口説いてくれるのは事件が解決してからにしましょうね?」

アヤカ:ちなみにどんな影ですか?高さとか横幅とか。サッと横切る速さは?

GM:「家の窓より低かったから私の胸までぐらいの高さで、幅は私の両腕を広げたぐらい。速さは全力疾走の馬より少し遅い、ぐらいかな」

アヤカ:わかりました。ありがとう。もういいです。

GM:じゃあ次は村人D。さっきの話の家の住人だ。(コロコロ)十五歳の女で、(コロコロ)名前はカノン。(コロコロ)性格は清楚系、(コロコロ)見た目は華奢。

アヤカ:お、なんかやよいちゃんっぽい。

タケオ:お、俺、なんか話しかけづらい。

アヤカ:どうして?

タケオ:いやなんか、近寄り難くて‥‥学校の廊下ですれ違っても目をそらしたり、偶然通学時間が一緒になったら何気なく道変えたりしちゃいそう。()()()()()()()()()()()()()()()()()

アヤカ:何そのチキン。

タケオ:あーゆうの結構傷つくんだよね。

アヤカ:めっちゃ最低だよね、そんな男。

タケオ:何勝手に壁作ってんの?死ねば?って感じよね。

アヤカ:わかるわかる!そこ頑張るのが男の役目じゃね?っやつだよねっ!

GM:(謎の意気投合してんな)えーっと、じゃあタケオは苦手なタイプだから、アヤカが情報収集するってことね?じゃあ、質問して?


タケオ:‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

アヤカ:‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。


GM:いや何してんの?ゲーム進まんだろうが。

アヤカ:(超不機嫌な顔)何でもない。じゃあ、一昨日の夜何か見たり聞いたりしませんでしたか?と聞く。

タケオ:(超無表情)ちょっとお手洗い借りるね。

GM:あ、どーぞ。

アヤカ:‥‥あたしも、やっぱちょっと休憩。はあっ(ため息)。冷蔵庫から麦茶取ってくる。死ねやラノベ主人公な気分。



*****



GM:予想通りその岩山の横穴にそいつは巣を作って住んでいた。君らから近づいたけど、正面から普通に歩いていったんでお互い不意打ちはなし。イニシアティブ振って。こっちは固定の10。

アヤカ:(コロコロ)16。

タケオ:敏捷足すのよね?(コロコロ)13。

アヤカ:じゃあたしだ。おお初めてソーサラー魔法使うよ。『サンダー』(コロコロ)14。

GM:高いな。抵抗は無理。ダメージくれ。

アヤカ:6の5の11。

GM:ケモノだからなー。魔法防御0なんだよ。11素通し。

タケオ:よーし、初攻撃!剣で斬る!(コロコロ)13。

GM:当たってる当たってる。ダメージ振って。

タケオ:(コロコロ)6と6!

アヤカ:あ、それ、クリティカル。もう一回振れるよ。

タケオ:(コロコロ)また6と6!(コロコロ)また6と6!

GM:うわ、ガチだ‥‥。(置きザイの類ではない)

タケオ:(コロコロ)あー、終わっちゃった。6と4。

アヤカ:すごーい!やよいちゃん。

タケオ:タケオの怒りさっ!

アヤカ:タケオ()()怒り?

タケオ:あははっ、そうかも!

アヤカ:えーと、ルールのここ見て?8+8+8+7+5だから34?

タケオ:惜しい!36だよ。

GM:計算に惜しいもクソもあるか。アヤカは算数頑張れ。(えーっとHPが40。11点食らってて、物理防御が6だから)くそ、やられた!このモンスター物理防御6もあって固いはずなんだがなあ。1レベル二人だとギリギリの戦いのはずだったのに。

タケオ:天罰でしょ。

アヤカ:日頃の行いでしょ。

GM:はい、じゃあ村に帰って退治を報告、その後王都に帰って学校から報酬を貰って終わり。んでオチとしてマリリン先生が来て‥‥。

タケオ:あ、それやっぱいい。

GM:え?

タケオ:本当にエッチなご褒美描写されても困るし。キモいし。

GM:あ、そう‥‥(自分で言っといて何だそれ)まあ、いいや。じゃあ一人1000ゴールドと経験値100点ね。


まあ、マリリン先生のオチは「ご褒美にサンドイッチを持ってくる(肉や野菜を挟んでるよね?)」だったのだが、スベりそうな確信があったので却下されてラッキーだったかもしれない。



*****



「よう、やよいさあ」


きゃっきゃうふふと女二人でレベル上げをし終わったのを見計らって、俺はやよいに声をかけた。


「感想はどう?面白かったか?」

「うん、超楽しかったよ」

「そっか」


それは重畳。マスターとしてプレイヤーの感想がGOODなのは嬉しい限りだ。やっぱ複数人プレイヤーがいるのっていいな。マスタリングの幅が広がって俺も楽しかった。


「また誘っていいか?」


するとやよいは少し考えた風に首を傾げる。その表情はどこか憂いを感じさせる気がしたが、元々そういう物憂げな顔立ちなのだろう。多分気のせいだ。今は悲しみ憂うような状況ではないし。


そして顔をあげて、ようやく口を開いた彼女はこう答えた。少し瞳が潤み気味で、部屋の電灯の光を受けてツヤツヤと輝いていた。


「うん。夏休み中は家に電話してくれれば暇なら来るしーーー」


この当時、携帯なんてものは中学生は持っていないから、人を誘うには家の固定電話か、


「ーーー学校始まったら()()()()()()()()()()()()()、やってあげてもいいかもね?」


直接会いに行って誘うしか、方法がなかったのだ。

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