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築城の貴族  作者: 我孫子(あびこ)
プロローグ
1/9

エスタライヒ王国と築城の貴族

 エスタライヒ王国は四方を自然の壁に囲まれ、長らく平和な日々を人々が過ごしていた。ラッセン男爵家は4代前より軍務の功績から士爵家として興り、王国における数々の城・要塞を設計、3代前にその功績が当時の国王・貴族より認められ、男爵家に叙された。


 平和な世が続いてからはいくつかの砦・要塞は手を入れることなく自然のままに遺棄され、今では国立公園や史跡として各地に点在している。唯一強固な作りを残しているのは、国王が住まう城と国境に接するアルペンハイム辺境伯領、ボワギルベール侯爵領のみであった。


 その他の諸領における城は今では貴族が快適に過ごすための家としての機能、芸術性を重要視しており、男爵家トップであるラッセン男爵家でも、上位貴族へ不確定な未来へ備えることの助言は届かなかった。しかし、それは仕方のないことなのだ。人は環境に慣れ、崩れていく生き物である。


 王国より北の隣国、シャルリー大公国とは以前小競り合いが続いてきたものの、地形上の恩恵から自然と休戦状態が続いていた。東西も険しい山々が連なるが、先人たちの苦労により道が作られ、隣国との通商もとうの昔に盛んになった。南は海が広がり、未だ人類は海の向こう側へ渡ることはないものの、国土はこのようにして自然に恵まれ、食糧難による国全体の飢餓もここ数十年は起きていない。

 

 国民だれもが恵まれた自然と強固な城壁・要塞のおかげで、この平和はこの先も数百年続くものだと思っていた。


―― そう、あの日までは


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