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怪物と十字軍と心臓の無い騎士  作者: カラサワ
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第79話「ジン」⑯

 ルイの身体から飛び出した霊気は、次第に纏う雷を増やし、天に昇って行ったかと思った瞬間、巨大な落雷となってルイに落ちたのです。


「うわぁぁぁあ!ジンやめてくれっ元の世界に戻す気か!?いっ、嫌だぁぁ!僕は……」


 最後の断末魔を残し、落雷が消えると同時に忽然と姿を消したルイ。跡形も残ってない辺り、落雷で死んだ訳では無いようですが……


「ルイ……一体どこに行ったの?」


「悪魔と契約した者は、その魂を失い破滅する。奴の言う何ら楽しい事も無い、つまらない世界に帰ったんだろ」


「そう……」


 精神支配は解けているようですが、それでもまだ弱々しさが残るシャルロット様。大丈夫なのでしょうか。


「大丈夫かシャルロット。2人で旅をして、一つ屋根の下で過ごして情が移ったか」


「なっ!そんなわけないでしょう!」


 顔を真っ赤にして、怒りと恥ずかしさが入り混じった複雑な表情をするシャルロット様。


「なんだ、違うのか。まぁ詳しくは戻ってからの聖ヨハネ騎士団での事情聴取で明らかになる事だがな」


「……!覚えてない……そうよ!何も覚えてないの!操られている間の記憶は何も残ってないのよ!何か文句ある!?」


「そうか、まぁそれなら仕方ないな」


 どうやらいつものシャルロット様に戻られたようです。まぁシャルロット様とルイとの間に何があったか詳しく聞くなんて、ご主人様の本意でも無いでしょうし、これで良かったと言えるでしょう。


「それより!なんで急にジンがルイから抜け出し、その魂を持って行ったのか謎なんだけど」


「あぁ、ジンというのは強大な力を持つ精霊であり、悪霊でもある。その力を気に入った人間には惜しみもなく与えるが、自らを罵倒する事は決して許さない。だから地元では、ジンの話をする時、その本名は絶対に口に出さないらしい。どこでジンが聞いていて、悪口と判断するか分からないからな」


「なるほどねぇ……それでルイがジンの悪口を言うように仕向けたって訳ね」


「そう言う事だ。しかしあそこまで心を乱すとは、どうやらあいつ、本気でシャルロットに惚れてたようだな」


「やめてよ。私、ああいう何の努力も無しに力を持ち、その力に向き合う苦労を知らない奴、嫌いなのよ」


 そうきっぱりと言うシャルロット様。自らは長い間力に翻弄されてきた苦労を、思い出しているのでしょうか。


 何はともあれ、行商人をあちこちで襲う襲撃者も倒し、奪われたシャルロット様も取り戻し、事件は全て解決したと言えるでしょう。シャルロット様との繋がりを取り戻し、ご主人様も心を取り戻すための大きな一歩が得られたはずです。


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